小学生の出会い

それは小学校3年生だった。近所に住んでいるKくんと、同じクラスになった。
母同士がすでに知り合いで、よく立ち話しをしていて、時々Kくんも付いてきていたので顔は良く知っていた。
だけど、話しをしたことはなかった。
席が隣になって、内気な私によく話しかけてくれた。とても明るくて楽しくて、優しいKくん。クラスの人気者だった。
ある日
「宿題のノート貸して!夕方、家まで取りにいくから!」
と言われた。
家が近いからこんなことができるんだ!すごく嬉しくてラッキーな気分だった。
私は、Kくんが取りに来るまでの間、ドキドキソワソワ。ん?何でドキドキ?
何でこんな気持ちになるのか分からなかった。好きになっていることに気付いていなかったのか。
「ピンポーン」
あ、来た!心臓が飛び出しそうなドキドキ感。
なんか、学校にいるときと気分が違う。そこでノートを、「はいっ」て渡す自分。
顔がカーっと熱くなるし、鼓動は高鳴るし、K君に鼓動を聞かれてしまうではないかと思うほどだった。
だけど特に話をするわけでもなく、渡しておしまい。
でも、また返しにくる。待ち遠しい、それまでソワソワして落ち着かなかった。
それから、この一度だけではなく、何度も借りにきて、その度にドキドキしていた。
誰も知らない秘密、みたいな特別な感じがあって嬉しかったし、この時、初めて好きなんだと気づいた。
学年が変わり・・・。

4年生になった。スポーツ万能で責任感の強いTくん。とってもかっこよくて、好きになった。
Kくんへの想いは薄れていたけど、KくんとTくんは仲がよくて、そんな二人を見ていると、とても嬉しかった。
Tくんは素敵だけど、両想いになりたいとか、そんなことはまだ考えたこともなく、ただ好きで遠くからみてるだけで嬉しくて、それだけでハッピーな気持ちになった。
ちょっと硬派なTくんに対して、逆な性格のKくん、自分が自然に振る舞えるのはKくんだった。
K君は私がT君を好きなことを知っていて、よく冷やかされたし、仲がいいからT君のことをよく教えてくれた。
そばにいて、いろいろ話しかけてくれることがとても嬉しかった。
中学生になり…。

そして、中学生になった。
小学3年生からずっと、Kくんが心の中にいて、T君が好きだったときも、その後も、ずっとK君が心の中にいる。
中学校も一緒で、クラスも一緒。私は新たに好きな人もできた。
K君は、ちょっと反抗期で、そんな仲間たちと一緒に行動するようになっていた。制服の長さも規定と違い、髪の色も茶色く染め、だいぶイメージが変わっていた。
見た目から、少し話しかけづらい雰囲気で、ちょっと目立った行動をとっては先生に注意されて…そんな時期があった。
ちょっと距離ができてしまい、寂しさも感じていたけど、私に話しかけてくるときは、小学生の時の明るくて優しいK君のままだった。
それでとても安心できた。小学校低学年の時からずっと一緒で、幼なじみという絆で結ばれている気持ちになった。
私は中学校3年生になって、初めて彼氏ができた。その彼はサッカー部のキャプテンで、女子の憧れの的だった。
私は元々恥ずかしがり屋だったけど、その彼もかなりシャイで、学校で会って話すこともできず、友達に仲をとりもってもらっていた。
K君もサッカー部に所属していたので彼氏とも仲が良く、K君から彼氏の情報を聞いたりしていたし、応援もしてくれた。
そう、気づくと、いつもK君がいる。
ふとした時に現れて、明るい気分にさせてくれるK君。
何だか、私のお守りみたいな、そんな存在になっている。
でも、高校は別々になってしまい、もう会うことはなくなった。
彼氏とも高校に上がる前に別れ、みんな別々の高校に進学した。
今でも思い出す

数十年経った今では、私もK君も結婚して家庭を持っている。
どこに住んでいるのかも分からない。
でも時々、自分の家に戻ると、必ずK君の家の前を通りかかるので、いつもK君のことを思い出す。
恋はたくさんしたけど、いつもそばで冷やかしたり、応援してくれたK君。幼なじみで、心を開くことができて、いつも見守ってくれてた。
そんなK君のことを、実はずっとずっと好きだったのかもしれない。中学校卒業するまで。
近くにいすぎたから、気づかなかったのかも。
私の初恋は、敗れることがないままだったから、こんなにいつまでも、いい思い出として残っているんだ。
koin著









コメント
コメント一覧 (1件)
pr