ドッグランで出会った彼。2匹の犬たちが結んだ絆!

ドッグラン

私は昔からとても動物好きで、いろいろなペットを飼ってきました。

近くに住んでる実家で犬も数匹飼っていて、

「寂しい一人暮らしに連れてってあげな!(笑)」

と母親に一歳になったばっかりのトイプードルの女の子、リリーを預かりました。

元気だけど少し臆病なリリーは、人に対しても散歩中の犬に対してもあまり積極的にじゃれることはない様子。

きっといろんな人や犬に触れ合っていけば社交的になるのかな?と思い、私はリリーを近所にあるドッグランへ連れていくことにしました。

何度か実家の犬たちも連れてきたことがあるので私は初めてではなかったですが、もちろんリリーにとっては初めてのドッグラン。

いきなりリードを放してしまうのは怖がってしまってよくないと思い、端のほうにあるベンチに座り、リリーを膝の上にのせてしばらくドッグラン内の様子を見学させることにしました。

ポカポカ陽気、お出かけ日和の休日ということもあり、ドッグラン内は犬と飼い主で賑わっていました。

リリーのヒーロー

何匹かの犬がリリーのもとへ興味を示しやってきて、お互いに鼻をくっつけ合って挨拶を交わしている時です。

ものすごく元気に走り回りとてもヤンチャそうな犬が一匹、私とリリーのほうへ近づいてきたのです。

あまりの迫力にリリーは怖がってしまい、私の膝の上でガタガタ震えてしまっていました。

すると、リリーに挨拶していた一匹の少し大きめのプードルが私とリリーの間に立ってワン!と一声。そしてそのヤンチャな犬をじっと睨んでいたのです。

しばらくするとヤンチャな犬はフンッと鼻を鳴らして別の場所に走って行ってしまいました。

「リリーのヒーローだね!かっこいいお兄ちゃんだ!」

ありがとうの意味も込めてそのプードルの顎をわしゃわしゃ撫でていると、リリーも警戒心が解けてきたのか、膝から降りて自分からそのプードルに歩み寄っていきました。

(自分から歩み寄るなんて珍しい!)

と思っていた時です。

そのプードルの飼い主の男性が私に話しかけてきたのです。

「こんにちは!珍しいな、カイトが自分から他の子に近づくことなんて滅多にないんだけどな(笑)」

リリーと同じだ!と思い、私も彼に返します。

「そうなんですね!この子も臆病な性格で、今日がドッグランデビューなんです!」

犬種も一緒で性格もそっくりなリリーとカイトを見て、しばらく私とその男性は雑談を交わしました。

彼らは毎週休みの日にこのドッグランへ来ているようで、散歩のついでにここに寄っているということでした。

30分くらい経つとリリーもカイトも遊び疲れたみたいで、その日はそのまま別れを告げることになりました。

それから毎週私もリリーを連れてそのドッグランへ通い、たまに時間が合うとリリーとカイトを会って遊ばせていました。

偶然

ある休日のことです。

今日もドッグランへ遊ばせに行こうとカーテンを開けて外を見ると、どんよりとした曇り空。

天気予報ではもうすぐ雨。

仕方ないなと思い、その日はドッグランへは行かず近くの公園を散歩する程度にとどめました。

公園をうろちょろしていると、遠くの方から見覚えのある姿が近づいてきました。

「あ!カイト君たちだ!」

私たちが近づくと彼らも気づいたようで、手を振ってくれました。

「いやー、偶然ですね!もうすぐ雨だから近くを散歩するだけにしとこうかと思ってたんですよー!」

「私たちもです(笑)こんなところで会えるなんて!」

そうこう話しているうちにぽつぽつと雨が降り出しました。

「家すぐ近くなんでちょっと雨宿りしてってください!タオル貸しますよ!」

「ありがとうございます!」

私たちは彼の言葉に甘えて、彼の家で雨宿りさせてもらうことにしました。

彼の家は公園のすぐ隣。私たちの家からもそう遠くない場所でした。

私は彼からタオルを貸してもらい、親切にお菓子まで出してもらいました。

雨が止むのを待っていると、ピンポーンとインターホンが鳴りました。

「達也ー!雨降ってきたからちょっとここで休憩させてー!」

家に入ってきたのは年配の女性でした。

「ちょっと母さん!急すぎだって!」

達也と呼ばれた彼は、母親だというその女性にそう言います。

達也の母親は私を見て驚いた顔になりました。

「達也!あんた黙って女の子連れて……あれ?あなた佐藤さんのとこの娘さんじゃない?」

その女性は、私の母親と仲のいい近所の友人だったのです。

達也はポカンとしていると、母親の女性が説明してくれました。

「カイト譲ってくれたとこの娘さんよ!知らない間に仲良くなっちゃって!」

そこで私たちは初めて、リリーとカイトが血のつながった本当の兄妹だということを知りました。

「すごい偶然もあったものねー!」

3人でお菓子を食べながら雑談しているうちに雨も止んできました。

「ま、二人仲良くしときなね!」

彼の母親はそう言うと、リリーとカイトに見送られながら帰っていきました。

「じゃあ私もそろそろ……。」

私もそう言い、帰る支度をしていた時です。

「また今度一緒にちょっと遠くまで遊びに行きましょう!あ、この子たちも連れてね(笑)」

それから私たちは、毎週犬たちを連れていろんな所へ遊びに行く仲になりました。

何度も重なる偶然、これは運命なのでしょうか?

私たちを結び付けてくれたリリーとカイトに感謝しつつ、今でも私たちはいろんな所に遠出し絆を深めています。

 

keiko著

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