窮地に立たされた私を助けてくれた彼はなんと、、!?

私の名前は美由紀。

都内の高校に通う二年生。

家から40分の道のりを、朝は混雑率200%に上る満員電車に乗り行く。

中学までは地元の家から歩いて10分の学校だったから、

わからなかったけれど、高校生になって初めて通勤ラッシュの洗礼を浴びた。

「あと一年も続くのかぁ。しんどいな」

そんなことを思う春。

最悪

7限目の授業が終わる。

友達と雑談何てしてたから駅に着いたのは午後六時前になってしまった。

朝の通勤ラッシュとは今度は逆で帰宅ラッシュ。

到着電車の扉が開き、次から次へと降りてゆく。

みんなが降りてやっと乗車。扉が閉まる予鈴がなる。

半ば押されるようにして乗車。

もう二年も通ってるもの。

慣れたけど疲れる。

今日は金曜日。週末の疲れも相まって、ぼんやりとそんなことを思って電車に揺られていたら

背後から普段とは違う男の気配、、。

満員電車だから後ろに人がいるのは当たり前だけれど、

何か違う。

その矢先、背後のその男が私の足を触ってきたのだ。

徐々に腰のあたりまで近付く。

 

痴漢だ。 間違いない。どうしよう。。

特急電車で終点まであと十分以上ある。

自分の身に降りかかった突然の事にどう対処していいかわからない。

恐怖と逃げることができない絶望感で声が出ない。

友達が痴漢にあったとき、犯人捕まえてやった何て言ってたっけ。

自分もそれくらいできるだろう。。

そう思っていたけれど怖くて一言も発せられない。

不安と緊張の中、やっと終点まで到着した。

降りた瞬間、恐怖で足が震える。

男が何事もなかったようにホームから立ち去ろうとする。

何もできない悔しさと怖さで涙がこみ上げる。

 

ヒーロー

男が去っていく、、、すると「おい!まて!」という声とともに、

男を追いかける男性。

男「は?何なの?」

男性「アンタ さっきあの子の事触ってたよな」

目の前にいた私を指しながら彼はそう言った。

私があの男に言いたかったことを彼は言ってくれて、悔しさと恐怖から私は

その場にうずくまり泣きじゃくってしまった。

男は最後まで否定していたけれど、男性は実は私と男の隣に居合わせていて、

男の一部始終を携帯で撮っていたのだ。

動かぬ証拠となり、男は逮捕された。

 

「ありがとうございました。。」

突然のことにまだ頭が混乱していた私はそれしか言葉が出なかった。

「大丈夫ですか」

さっき、男を追いかけるときと違い、そう話かけてくれた彼の優しい表情。

まだ怯えている私を察してか、彼は「気を付けてね」と小さく言うと駅の改札へと去っていった。

思いに更ける

「名前くらい聞いとけばよかったな。。」

何週間か経ってようやく落ち着きを取り戻した私。

怖くて思い出すことができなかったあの時の記憶。

あの男性にちゃんとお礼すら言えていないことを後悔した。

せめて名前くらい聞いてたら、何か手掛かりはあったかもしれないのに。。

また痴漢にあったら嫌だなと思いながら授業で遅くなる日は

いつも6時頃まで学校へ残り、またあの男性に会えないかと思いを馳せていた。

そんな日々が一年以上続いた。

 

道のり

高校三年生。

志望校選びに勉強にと、学校生活はより一層忙しくなった。

電車に乗る度いつも思い出していた彼。

第一志望までの道のりは思っていた以上に厳しく、高校最後の一年間は、

勉強の毎日となり、いつしか彼の事は忘れていった。

 

合格

猛勉強の末、見事第一志望校へと合格を果たした。

「これでいい4月が迎えられる!」心から嬉しかった。

(なんのサークルに入ろうか、これからの大学生活でどんな出会いがあるかな、、)

期待で胸がどきどきした。

 


大学入学。

新しい環境に慣れない生活。

人見知りな私は入学から一週間たっても友達はできない。

「次の講義まであと十分!」

人見知りなうえ方向音痴の私。

キャンパスが広くて、場所がわからない。

周りには人がちらほらいて、聞けばいいものをなかなか聞けずに

途方に暮れていた。

時間は迫る。

「ああーもう間に合わない!」

半ばあきらめてあたふたしていたその時、

「どうしたの?」とどこかで聞き覚えのある声がした。

私「え!嘘!」思わずそう言葉が出た。

彼も声をかけてくれたときは私には気付いていないようだった。

彼「あ!あの時の!ここの新入生なんだ!」

あの事件の日以来、受験の慌ただしさで止まっていた彼への感情がまた動き始めた。

私「あああ、あの時はありがとうございました!ずっとお礼言えてなくて!」

彼「お礼言うことでもないでしょ、ハハハ」

私「いえいえ、!改めてちゃんとお礼言いたくて」

彼「ハハハ 俺もあの時ごめんね、何もしてあげられなくて。」

「見ず知らずの男がいろいろ心配するのもあの後だから嫌かもしれないと思ってさ。」

「とんでもないです!私もあの後また会えないかなと思ってましたから!」

動き始めた感情が思わず言葉に出てしまった。

彼はあの時と変わらない優しい顔で笑った。

授業のチャイムが鳴った。

私「しまった!」

彼「講義か。 教授誰?」

答える私。

彼 「あの人ならまだ大丈夫だよ あの棟の二階だから急いで行っておいで。」

私 「ありがとうございます。」もっと話したかった。

けれど授業が最優先だ。

気を取り直してそそくさと教室へ向かおうとした。

すると、

彼 「またあとで話そう!○○わかる?そこで待ってるから」

私 「はい!ではまたあとで!」

急いで教室へ教室へ向かった。

胸がどきどきして

講義に全く集中できなかった。

 

pelero著

 

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