恋愛?それとも依存?

「そういえばね。あれから一週間後に別れたの!なんかすっきりした」

久しぶりに見た彼女の顔は清々しく「別れて正解だったわ!これは依存だったんだよね。長く居すぎたの。最後は彼と別れる事より、〇〇と連絡が取れなくなっちゃうんじゃないか?ってことの方が怖かったもん。」と言って笑っていた。そんな彼女との出会いは某アプリのネット配信上でした。

彼女は今年で36歳であり、私と同じ看護師の仕事をしています。恋愛経験は少なく、人見知りであると本人は言っていますが、そんなことも感じさせないくらい明るく人懐っこさが感じられるような女性です。4年前、私のお気に入りの配信者さんの配信に彼女も来ており、彼女が彼と出会ったのもこの配信上でした。この3人に共通することはお酒が好きなことであり、配信外でも連絡を取るようになりオンライン上で飲み会をするくらいまで仲が深まりました。

3年前の4月、オンライン上で3人で飲み会をしていた時、彼からお花見をしないか?と提案がありました。お互い住んでいるところは偶然近く、休日も重なり一週間後に急遽お花見が開催されることとなりました。お互いが初めて顔を合わせることに、緊張と不安と混じり合い私は複雑な気持ちで待ち合わせに向かっていたのを覚えています。いつもは間違えないような電車の乗り換えもうまくいかないくらいで、せっかく30分早めに待ち合わせ場所につくよう向かっていたのが、ぎりぎりの到着になってしまいました。すでに彼女と彼は到着しており、缶ビールを片手に持ちながら、2人で私を待っていた姿を見た瞬間笑ってしまい、緊張が一気になくなりました。ほろ酔いモードの二人に私は「これから飲むのに、もう出来上がっちゃってるんじゃない?フライングやめてー(笑)」というと「私達らしいでしょ?さーーいくぞー」と彼女。3人ではしご酒をしてあっという間に帰宅時間になりました。

彼と彼女は帰宅方向が同じだったため一緒に帰っていきました。私も帰宅するため電車を待っていると、彼女からLINEが来ました。「好きかも・・」の一言。彼には悪い印象もないし彼女も彼といて楽しそうだったのですが、2人ともお酒が入っていてしかも今日初めて会った仲であることに少し不安を覚えました。「今日会ったばっかりなのに?」と私が返信すると、「会うのは初めてだけど、今までやり取りもしてきたし、今日会ったのが決め手だったのかも・・」「帰りたくないな・・」と彼女は続けました。私は「そっか・・。でも真剣に考えなよ?遊びじゃないんだから」と返していると帰りの電車が到着し乗り込みました。終電が近いということもあり、電車は満員で携帯をいじる余裕もなく、LINEのやり取りはその後続きませんでした。

翌朝、彼女からLINEが来ていたため確認したところ、彼とビジネスホテルに宿泊して、体の関係を持ってしまったことを知りました。彼女は帰宅してから事の重大さに気が付き、慌てて私に連絡を送ってきたのです。私は彼に連絡を取りました。彼女のことをどう思っているのかと。彼も体の関係を持ってしまったことに、責任を感じていました。元々彼女に好意があり、お酒の勢いで行動に出てしまったそうです。私はすぐに彼女と話しをした方が良いと彼に伝えました。

さらにその翌日彼女から連絡があり、彼とは付き合うことになったと報告がありました。その後も変わらず、3人は配信上で話をしたり、オンライン飲み会を行っていましたが、だんだんその回数も減ってきました。それは私自身が3人の空間に居づらくなってしまったこと、また時折見せる彼女の私の知らない部分にわずかな苛立ちを感じる事があったため、私が2人との距離を取り始めたことにあります。せっかく仲良くなった彼女を彼に取られてしまうかもしれないという嫉妬からくるものだったのか、未だによく分からない私の感情です。彼との連絡は途絶えたものの、私と彼女は連絡のやり取りをする回数は以前より減りましたが、やり取りは続いており、時折遊びに行ったり飲みに行ったりすることはありました。

彼女と彼との付き合い初めて3年が経過しました。彼女から最近よく彼が新しい配信アプリにはまり始めたことを聞きました。「ちょっと話を聞いてほしい・・」と彼女から誘われ都内のカフェで待ち合わせをしました。いつも明るい彼女でしたが表情は暗く今にも泣きだしそうな感じに見えました。「どうしたの?」と私が問いかけました。彼女からは「休日もほぼアプリをいじっているし、デート自体の回数も減ってさ、デート中だっていじってるんだよ?!ありえなくない??私いる意味ないじゃん・・私おかしいかな?」「もうさ何考えてるにか分からないよ。普通さ彼女がいるのに他の女の子と旅行なんて行く??私何も聞いてないよ・・Twitterみて知っちゃったんだよね」と今まで溜まっていたものが一気にあふれたように次々と彼女の感情が溢れてきました。「それにね!バツ2とか!そんな大事なことも話してくれないの。彼の友達からこのこと聞いたんだよ?!!」最後には泣き出してしまい「どうしたらいいのか分からない。私大事にされてないよね・・こんなにまでなって・・」と彼女自身も自分の気持ちに、頭が追い付いていないように見えました。私はとにかく彼とちゃんと話した方が良いと彼女に話しました。彼にも何か思うことがあってそのような行動をしているのかもしれないと彼女に伝えました。あまり腑に落ちないようでしたが、彼女は彼に連絡してみると言い帰っていきました。

一週間後、彼女から電話連絡が来ました。彼と話をしたところ、彼は彼女がこんなにも悩んでいたことを知らず、彼の取っていた行動に対して気にしていなかった事がわかり、以後気お付けるということで話は終わったとのことでした。彼女は言葉では「しょうがないよね。気を付けるって言ってるし少し様子見る」と言っていましたがすっきりしない声音をしていました。その後、時折彼女からくる連絡からも一向にすっきりしない彼女の声は変わらず、「何が何だか分からない涙が最近でる。特に彼といる時に」と彼女が言いました。精神的に限界なのかな?と私は思い「彼最近どうなの?」と問うと、「変わらないの」と彼女が言いました。確かにあの時は少し気にしてくれていたが、その後はすぐ戻ってしまい今はやりたい放題だと。彼女は続けます。私は「辛くないの?もう大事にされてないのわかるじゃん。別れた方が良いよ。おかしいでしょ色々。こんないい方良くないかもだけど、バツ2な時点で彼にもいろいろ問題はあったってことでしょう?」「そんな辛いのに何で別れないの?」と問いかけました。彼女は「なんか好きなのかも良くわからなくなってきちゃった。辛くないわけがないよ。もう別れようって言葉何度も言いかけたの。でもねこの先怖くて別れちゃったときのこと考えると」と言いました。これって依存なんじゃ?と私は思いました。私は彼女に「まだまだ出会いはあるし、□□にはもっといい人いるよ!勿体ないよ。そんなにつらい思いしてまで一緒にいる必要ないでしょ。私は□□に幸せになってほしいよ。」と伝えました。そう伝えた瞬間彼女は泣き始めました。「そうだよね・・まだこれからだよね・・。私間違ってた。」と彼女は彼に会う約束を取り付けました。

ぼーーっとしていた私に彼女は「大丈夫?」と肩をたたきました。あの時の表情は一切ない清々しく明るい彼女がまぶしく見えました。ここはカフェ。久しぶりに彼女と会ったことで今まであったことが頭の中を駆け巡り彼女を取り残してしまっていました。私は彼女に「あの時のこと思い出してた。あんな姿もう二度と見る機会ないなと思って(笑)」というと彼女は「もうやめて。あんな姿見られちゃってほんと恥ずかしくて。早く忘れて!」と言います。この後彼女には、もっと素敵な彼氏ができたのはまた別のお話。

依存と恋愛区別は難しいですが、時折自分の気持ちと向き合い、相手の方との関係は自分にとってどういうものなのか冷静に振り返る事はきっかけはどんなことでも必要なことであることを学びました。

 

s615著

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コメント

コメント一覧 (2件)

  • 今回の作品は、依存関係に陥った友人が関係を抜け出すまでのお話です。

    著者の友人は恋愛関係は少ないものの、そうとは感じられないほど明るく人懐っこさを感じる女性です。
    2人はある男性配信者と仲が良くなり、3人でお花見をすることになります。
    友人と男性は親密になり、翌日、お酒の勢いもあり体の関係を持ってしまったこと、付き合うことになったことを友人から報告されました。
    その後2人から少し距離を置いていた著者でしたが、ある日友人から、彼の行動に不信感があることを相談されます。
    友人は彼に依存心を持っており、別れを切り出せない状態でした。そこで著者は、友人の幸せを願い別れるよう説得をしたのです。
    結果友人は別れることになり、その表情は苦悩を一切感じない清々しいものでした。

    恋愛と依存の違いと、依存による複雑な感情の変化について描かれています。
    最初は恋愛感情を持っていた友人の行動が依存に変わる様子を客観的に見て冷静にサポートする場面に、深い友情の強さを感じました。
    人間関係に悩んだとき、一度冷静に振り返ることが大切だと読者に訴えかけた、メッセージ性の強い作品です。

    検収者 kitsuneko22

    ③kitsuneko22-10

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