つい先日の出来事です。久しぶりの友人から連絡が来ました。
「結婚することになったの!友人代表やってもらえる??」
この報告に私は「よかった。本当によかった。おめでとう」と電話先で泣いてしまいました。もちろん結婚式の話は受けさせて頂くこととなりました。
これはそんな私の友人の話です。
彼女は今年30歳になります。恋愛経験は全くなく、何に対しても友達優先で男性に興味のない女性です。職業は医療事務をしており、最近周囲の友人・同期が結婚をすることに焦りを感じていました。
そんな彼女と私は高校時代からの友人であり、また同じ医療業界で働いていることから、よく職場の相談・悩み・愚痴を聞くのに飲みに行ったりしていました。

時期は1年前の4月ごろです。彼女から相談があると連絡を受け、落ち着いたカフェで待ち合わせをしました。「もう私だけしか残ってないくらい周りが結婚し始めててさ・・おめでたいことなんだけどなんか複雑で・・。私このままだとまずい気がする。一生一人だ!でも今更恋愛なんてどうしたらいいのか・・ねぇどうしよう」と彼女は話し始めました。私はこの時、彼女から恋愛というキーワードが出たことに驚きました。本当に今まで興味がないと言い張っていた彼女が、急にこんなことを言い出すなんていったい何があったんだろうと思い彼女へ尋ねました。「いったいどうしたの?」と。
彼女は最近「孤独死」をテーマにしたドキュメンタリーを見た事、その内容が自分と重なってしまったことで急に意識し始めた、何とかしなきゃならないけど、どうしたらいいのかわからないと言いました。私は、他の友人からの紹介を提案しましたが、もうすで行っていて紹介は難しい状況で無理だったようでした。結婚相談所の話もしたのですが、実質費用が掛かり、金銭的に無理。最終的にマッチングアプリを始めてみてはどうだろうか?という話になりました。とりあえずやってみようと、彼女とその場で登録を始めました。登録項目をこうした方がいいのでは?と言いながら作成する彼女の様子はなんだか楽しそうで、この姿を見て私は少し安心したのを覚えています。友人のこの先が楽しみだなと、ひそかに思っていました。その日は色々話し込んでしまい登録をして彼女とは別れました。

3か月ほどたった時、友人から「ちょっと会えない?」と連絡が来て前回のカフェで会う事になりました。「どう?アプリは?いい人いた?」と彼女に聞くと「もう疲れちゃって、下心ある人ばっかり目についちゃって。やり取りにつかれる。めんどくさい。」とマイナスな言葉ばかりが吐き出されました。彼女にアプリのメッセージを見せてもらうと、確かに不真面目そうなメッセージを送ってくる人もいましたが、中には良さそうな人もいました。しかし全くやり取りがされていない様子で「この人とか良さそうじゃない?連絡してみた?」と聞くと彼女は「遊びのつもりじゃないの。もうみんなそういう風な人にしか見えてこなくなっちゃって。もう私無理な気がする。やめちゃおうかな・・」と涙をこぼす様子が見られました。
「遊びじゃない。もう私無理な気がする。やめちゃおうかな。」その言葉、私も以前言ってたなーっと自分と重なりました。私も同じような経験があり、結果あきらめないで続けたことで、前の彼氏と出会いました。今は別れてしまいましたが、この経験は無駄じゃないと思えるいい出会いだったと言えます。そのため私は彼女にあきらめてほしくなかったのです。
私は「少し休憩してみたら?とりあえず。みんながみんな不誠実な人ではないよ」とやめるのではなく休憩を提案したのです。彼女はしばらく無言でしたが「そうしてみる。とりあえずもうアプリは少しお休み。開かないようにするね」と言い、たわいもない話をし始めました。「じゃあまた連絡するね」と少しすっきりした表情で彼女は帰っていきました。

2週間ほどたった時彼女から連絡が来ました。「ずっと同じ人からメッセージが来ているんだけど。これってどういう事かな?」たわいのない世間話。一切返事は返していないし、彼女が読んでそのまま放置し続けているのに、毎日2通~3通必ず届いているそうです。彼女は言葉にはしませんでしたが、彼からくるメールについて話す声色は少し楽しさを含んでいるように感じられました。「返事返さないの?」と私が問うと「いいの!勝手にあっちが送ってきてるだけだし」と言うと電話を切りました。
さらに2週間経ちました。彼女からの連絡に、再びカフェで会う事になりました。「彼から連絡が5日前から来なくなったの。何かあったのかな?」と彼女は言いました。私はまだこのようなことが続いていることに驚き、彼女に連絡をしている彼は何を考えているのだろうと思いました。
「心配なんでしょ?連絡してみたらいいんじゃない?」と私が言うと「え・・・でも・・」と言葉を濁す彼女。私が彼女の携帯画面を見ながら「これ電話もできるんじゃない?何かあったら大変だしかけちゃいなよもう。メッセージじゃ気が付かないかもよ?ほら!」と私が電話のボタンを押し彼女に携帯電話を押し付けました。「え?!えーー?!」と焦る彼女。
なんとすぐに彼が電話に出たのです。「え・・・っと〇〇さんだよね?まさか、かけてくるとは思わなかった。」彼は戸惑っていましたが嬉しそうな声に聞こえました。彼女が黙ったままだったため、肩をたたき「しっかり!」と声を掛けました。
はっとしたように彼女は話し始めました。最初は敬語で警戒したような声を出していた彼女でしたが、10分のしないうちに打ち解け始めたのが分かりました。もう大丈夫だと思った私は彼女を残しカフェから出たのです。

彼女と彼が付き合い始めたのはそれから2週間後の話。今では夫婦となりました。
彼女からは「あの時やめてなくてよかった。あんたに話してなかったら今の旦那と会う事はできてなかったし。本当にありがとう。」
あまり強引に物事を進める事は好きではないのですが、この時のこの行動は彼女にとっていい方向に働いた事に嬉しく思います。
時には強引に何かに働きかける事の大事さを学びました。
s614著









コメント
コメント一覧 (2件)
pr
今回の作品は、マッチングアプリで友人の相手を見つける手助けをしたエピソードです。
友人は恋愛経験が全くなく、男性に興味がない女性でした。しかし、周りの結婚ラッシュに焦りを感じ、自身の結婚について悩み始めたのです。
彼女からの相談を受けた著者はマッチングアプリを勧め、彼女は新たな出会いに期待をしていました。
ところが、そこで出会う相手は不誠実な人が多く、彼女は心が折れかけていました。そんな彼女の姿と過去の自分を重ね合わせ、著者は諦めないよう彼女を励まします。
二週間後、同じ人から何度も連絡が来ることを彼女から相談されます。それから二週間後、今度はその人から連絡が来なくなったことを相談されたのです。
著者は強引に彼女の電話のボタンを押し、相手に電話をかけて彼女に渡したのです。
結果的にそれが功を奏し、彼女とその相手は結婚することになりました。時には強引さも必要だと感じたエピソードでした。
婚活に心が折れかけた友人の姿と過去に悩んだ自分を重ね合わせ、諦めないようにサポートする様子に優しさが表れていて、困った時に支え合う友情と深い絆が描かれています。
悩むだけではなく、時には強引に行動に移すことが事態を好転するきっかけになるという学びがあります。
幸せを迎えた友人と感謝の気持ちに溢れた結末は、物語を温かい印象にしています。
検収者 kitsuneko22
②kitsuneko22-10