家族よりもたくさんの時間を過ごした君

今年で知り合って30年。君とは産まれる前から知り合いだった。同じ病院で産まれ、誕生日は1週間違い。母親同士が仲良かった事もあり、お腹にいる頃から知り合いだった。もちろん、幼稚園、小学校、中学校、高校も同じ。でも小さい頃の記憶は曖昧で、お互いの家で遊んでいた記憶がうっすら。君とは幼馴染と同時に私にとっては初恋の人。

初めて本気で告白しようと思ったのは中学生の時。転校生の女の子が来ると知り、可愛い子だったらどうしようと騒ぐ男子。その中に君もいた。私は焦った。転校生を好きになったらどうしよう・・・と。翌週の月曜日から来る事が分かり、土日に電話して告白しよう!と意気込んだけど電話をかけ無言電話を3回繰り返し、言う事が出来なかった。結局転校生はちょっと変わった子で君と仲良くなる事はなく、あの時の焦りは何だったんだ?と後から思った。

そして中学校を卒業するタイミングにまた告白をしようか悩んでいた。小中はクラスのメンバーが一緒だったけど、高校では他の中学校からの同級生も集まる為、君に彼女が出来たらどうしようと焦っていた。直接言う事が出来ないなら手紙で気持ちを伝えようと決心した。普段から漫画の貸し借りをしていたので、漫画の最後のページにラブレターを挟んだ。卒業式の日に渡した。私の事を嫌いな自身はなかった。だって卒業式の日に君は第二ボタンをくれたから。卒業後、学校に集まるタイミングがあり、その時に漫画が却ってきた。貸した時と同じように最後のページに手紙が挟まっていた。「今はまだ好きかどうか分からない。」返事はNOだった。ショックだったけど、「今は」と言う文字にこれから好きになる可能性あるって思っていいのかな?でもそれっていつ?そんな事をぐるぐる考えて、静かに涙を流していた春休みだった。

高校入学後、相変わらず仲は良かった。放課後に遊んだり、休みの日には花火をしたり、友達から抜け出す事はなかった。夏が過ぎ秋になる頃、私には気になる人が出来ていた。私の生活に彼氏が必ず必要ではなかったけど、もしかして待ち続けても君の恋人になる事はないんじゃないかって気持ちがあった。気になる人が好きな人になるには時間はかからなかった。毎日連絡を取るようになり、相手の事をもっと知りたいと思うようになっていった。2人で遊ぶ事も増えて、寒くなる頃には好きな人は私の彼氏になっていた。一応、君にも彼氏が出来た事を伝えた。自然と話す事が無くなり、学校でも会う事が少なくなっていった。

ある日、君と帰り道が一緒になる日があった。久しぶりに一緒に帰る帰り道、他愛ない話をして別れ道になった時、呼び止められた。「俺、あんたの事やっぱり好きだわ。」は?え?何言ってるの?なんで今言うの?私は君とは恋人同士になれないと感じて、友達でいる事を選んだのに。なんで今更それを言うの?ずっと片思いをしていた君に言われて嬉しいはずなのに、ずっと欲しかった言葉を言ってくれたのに。私には大切な人が出来てしまったから、全然嬉しくなかった。もう遅いよ馬鹿。私に彼氏が出来て初めて自分の気持ちに気付いたと言って走って帰っていった。複雑な気持ちのままその日は帰宅した。正直言わないで欲しかった。このまま仲の良い友達で良かったじゃない。この日から高校卒業まで話す事はなかった。

社会人になって初めての年末に地元に帰省した。友達と初詣に行った時、久しぶりに君と会った。2人で話す機会があったので仕事の事、最近の出来事など少し話した。そして、「実はまだあんたの事好きなんだよね。でも幸せになってくれたらそれでいいかな。」私を好きだからこそ、幸せを願う男になっていった。良い男になったんだから、君も幸せになってね。これからも友達としてよろしく。

w561著

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コメント

コメント一覧 (2件)

  • 今回は、幼馴染との恋愛についてのお話を書いていただきました。

    彼女は30年前からの、友人であり幼馴染であり初恋の人でもある一人の男性についての思い出を振り返ります。
    初めて告白したのは中学生の頃、他に好きな人ができるのではないか?という不安や焦りから、勇気を出して貸したマンガの最後もページにラブレターを挟みました。
    卒業後にまた集まる機会があり、彼はその時に漫画に同じように手紙を挟んで返してくれました。しかし返事はNOでした。
    高校生になり、彼女は高校で新しい彼氏ができ、幼馴染の彼とは連絡もしなくなっていきました。
    ある日彼と帰り道が同じになる時があり、その時に彼から「やっぱり好き」という言葉を受け、彼女は複雑な気持ちになりました。
    成人してからまた会うことがあり、その時彼は、未練を残しながらも彼女の幸せを願っていました。

    幼馴染に対する気持ちの変化や、彼女の複雑な心情が繊細に表現されています。
    恋愛ではなく、友情という道を選んでもなお葛藤する姿はとてもリアルに描かれています。
    長い月日を経てお互いに成長していく姿が、とても印象的な素晴らしい作品です。

    検収者 kitsuneko22

    ㊳kitsuneko22-10

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