彼を思い続けた長い長い初恋物語~気づいてもらえなかった小さな恋心~

目次

気づいたらいつもそこに


これは私の初恋の話。
私の初恋の相手は、幼馴染の男の子。
保育園から高校まで、ずうっと一緒の学校に通っていた。
正直、初恋といっても、いつ好きになったのかも憶えていない。
普通は、そんなかわいい初恋も、小学校、中学校と大きくなるうちに、他の人を好きになったりして忘れていくものなのだろうが、私の場合は違っていた。
可愛い初恋は、高校を卒業するまで続いた。
彼はいつも私の近くにいたからだ。

なんとなく好き~小学校の頃~


私の育ったところは関東の片田舎。
小学校の頃は1学年1クラスで、同級生はだいたい40人前後。
6年間ずっと仲良く同じクラスで過ごした。

彼は決して目立つタイプではなく、どちらかというとおとなしい男子。
私と彼は同じ地区に住んでいたため、夏休みの子供会も一緒の幼馴染だった。
なんで彼のことを好きになったのかと考えると、ただ単に顔が好みだったのだろう。
多分最初は、女子同士の会話で「好きな人」を言い合うことになった時に、ただ単に顔が好みだったから彼の名前を挙げたのだったと思う。
小学生なんてそんなものだ。
本当に子供の恋愛ごっこだ。

小学校も高学年になると、低学年の時とはまた違う恋愛事情が生まれてくる。
ある日、一人の転校生が来た。
田舎者の私たちにとって、別の地域からの転校生は憧れになりやすい。
美紀という名前の、その転校生は、外見も可愛く、勉強も運動も出来て、性格もいいという、男子からも女子からも好かれるタイプの子だった。
私はそんな美紀とすぐに仲良くなったが、彼もまた彼女に憧れを持ったようだった。

まだまだ子供だった私の心にも、少し複雑な感情が生まれてはいたが、特に深く悩むことはなかった。
そして私の片思いのまま、私たちは皆同じ中学に進学した。

思春期の恋心~中学生の頃~


中学は近隣の小学校3校が集まっていた。
小学校の時と違い3クラスで、同級生も倍に増えた。
クラスは増えたが、彼とはずっと同じクラスだった。
新しい出会いもあったし、知らなかった先輩たちとの出会いもあった。

友達の中には、そんな新しい出会いの中で、先輩や新しい同級生に恋をしたりという子もたくさんいたが、やはり私は彼のことが好きだったし、彼も美紀のことがずっと好きだった。

しかし、美紀は中学に入ると、恋多きタイプになっていった。
彼が自分に好意を持っているのを知りながら、別の先輩のことが好きだと公言し、付き合うようになる。
しかし、その恋がダメになると、彼に思わせぶりな態度をとったりしていた。
今でいうところの「あざとかわいい」という感じだろうか。
だが、恋愛以外のことに関しては何も嫌われる要因のなかった美紀は、女子の間でも嫌われることなく、私自身、彼女のことは好きだった。

きっと彼とのことがなければ、もっと込み入った恋愛話も出来ていただろうと思う。

私の彼に対する気持ちはどう変化していたかというと、子供の「好き」から、恋に恋する「好き」に変わっていた。
しかし、奥手な私は彼に告白することもなく、仲のいい幼馴染のままだった。
周りの友達は、そんな私の気持ちを知っていて、告白するように勧めてくれた。
彼の美紀への気持ちを知っていた私だが、一度だけ勇気を振り絞って告白をしようとした。
バレンタインにチョコレートを準備し、「いざ当日!」という日に発熱。
バレンタインの告白は失敗に終わった。
今考えると、緊張のあまり熱が出たのだろう。

そうして何もないまま中学生活が終わり、卒業するころにはそんな片思いの状態に、自分も慣れてしまっていた。

切ない片思い~高校生になって~


中学の同級生の半分は、同じ高校に進学した。
高校は中学までとは違って、今までとは全く違った友達との出会いがあった。
私も大人に近づき、広い世界を観たくなり、新しい出会いを求めるようにしていた。
幸い1年と2年の時はクラスも別れ、今までのように毎日話すということはなかったが、高校に入ったら入ったで、またしても穏やかではいられない状況になる。

美紀ももちろん同じ高校だ。
彼も美紀に片思いの状態が続いていた。

そんな中、私は高校で生涯の友と出会った。
高校でクラスの女子とうまくいかない時期があったが、その孤独から救ってくれた親友裕子だ。
裕子はさばさばとしていて、趣味や会話の波長がよく合い、現在も交流が続いている。
その親友と彼が付き合いだしたのだ。
「またか・・・。」
その時の正直な気持ちだ。
「なんであいつは、いつも私の仲のいいこと付き合うんだ!」
やるせない気持ちでいっぱいだった。

思えばあの頃も、彼のことを好きだったのだと思うが、もう彼のことはただの初恋の相手と思うようにしていた。
同じ部活だった二人だが、私の初恋の相手であることは裕子は知らなかったはずだ。
だから、親友の恋愛を私は応援することにしたが、彼の心の中には美紀がいることを私は知っていた。

3年の時、私と彼はまた同じクラスになった。
その頃には思春期の恥ずかしさなども、もう落ち着いており、幼馴染の中の良い友人として仲が良かった。
彼が勉強のわからないところを聞いてくると、頼られているようで、教えてあげることがうれしかった。
やはり心のどこかで彼のことが好きだったんだと思う。
いや、高校までの私は、彼のことしか見ていなかったのかもしれない。

でも自分に勇気が持てなかったから、結局何も進展させることができないまま、私の高校生活は終わってしまった。
高校を卒業した後は、それぞれまったく別々の進路に進んだ。

初恋の思い出~社会人になって~

高校卒業後、大学に進学した私は、大学生活が忙しく、地元の成人式にも出ることがなかった。
実家が近かったため、時々両親との話の中で彼の名前が出てくることがあったが、そのたびに今どうしているのか気になった。

小中学校の友人たちと再会するのは、高校卒業後10年くらいして開かれた
同窓会までなかった。
ありがちな話だが、久々の同窓会で彼に会うのをワクワクしていたが、彼はすっかりおじさんになっていて、見た目は全く変わっていた。
少しがっかりしたが、やはりあった時はドキドキした。

先日、数十年ぶりの同窓会があったが、やはりほかの男性陣とは違って、どきっとしてしまう自分がいた。
それはもう、恋愛感情とは全く違うのだが、初恋というのはいつまでたっても乙女心を思い出させてくれるものだ。
この初恋の思い出は、これからも大切に心の中にしまっておこうと思う。

 

 

raizu著

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

この記事を書いた人

コメント

コメント一覧 (1件)

コメントする

目次