親のいいなりな私

私は高校2年生の17歳。
今まで親の理想通りの良い娘でいようと、習い事に勉強に言われた通りやってきた。
真面目!つまんない子!
これが私…
特にやりたい事も無く、親の言う通りやっていれば間違いない。
ずっとそう信じて、そうやってきた。
そうする事に何の疑問もなかった。
人って見た目では判断できないね

いつもの様に電車に乗って帰宅しようとした時だった。
そこに同じ学校の男子3人と女子2人が楽しそうに、話しながら乗り込んできた。
明らかに私とは違う人達、だらしなく着こなした制服、髪型、口調だった。
一生私と関わる事のない人種…
その人達は空いている席を探して座った。
その時、小さな子供の手を引いて乗ってきた妊婦さんがいた。
その妊婦さんは辺りを見渡し、空いている席を探しているようだった。
こっちに来たら席を譲ろう、そう思っていた時、あの男の子達が妊婦さんの所へ行き、笑顔で「僕達が座っていた席どうぞ」と席を譲った。
5人は立って別の車両に楽しそうに歩き出した。
私はビックリした!
正直、そんな事をする人達に見えなかった。
良い人達なんだ…
駅に着き、電車を降りて改札口に向かった。
そこで、胸ポケットに入れていた定期券がない事に気づいた。
私は焦って、鞄の中やポケットを探してみたが見つからない…電車の中で落としたのかな?そう思い駅員さんに事情を話していた時、後ろからそっとお金を出してくれる人がいた。
一緒に電車に乗り込んだ5人の中に居た男の子だった。
改札口を出た所でお礼を言って、
「明日返しに行きますから、お名前と学年とクラスを教えて下さい」
そう言うと
「このくらい別にいいよ!」と言って帰ろうとしたので私は引き止めた。
「真面目だな~3年5組の橋本拓実、あんたの名前は?」
「あっ斎藤結衣です、ありがとうございました。必ず明日返しに行きますから」
そう言うと帰って行った。
新しい世界

次の日、お金を返すため休憩時間に行くと、たくさんの友達に囲まれて話していた。
斎藤さんは私を見つけて
「結衣ちゃん、ほんとに来たんだね」と言った。
それから学校や電車で会う度、斎藤さんは私に声をかけてくるようになった。
人懐っこい彼が人気者の理由が分かった気がした。
ある日、電車の中で一緒になり同じ駅で降りる私たちは一緒に帰る事になった。
私は不思議に思っている事を聞いてみた。
「斎藤さんは何で私なんかに声をかけてくれるんですか?私と話しててもつまんないでしょ?」
「結衣ちゃんはつまんなくないよ、良い子だしおもしろいよ」
そう言って笑った。
そんな風に私と斎藤さんは仲良くなっていった。
嫌いな自分

ある日、登校するとクラス中で私の方を見てはコソコソと何か言っていた。
明らかに陰口で私は辛くなり教室を出た。
時間を少し空けて教室に戻ろうとした時、クラスの女の子の話が聞こえてきた。
「あんな地味な子、斎藤先輩が本気で相手にするわけないのにね」
それから私は斎藤さんと会わないようにした。一緒に居る所をクラスの人に見られたくなかったのだ。会わないようにして2か月!
寂しかった、前は普通だったのに今は斎藤さんと話さない事がとても寂しかった。
こんな自分が大嫌いだ!
何も悪い事していないのに、なんでこんな事しないといけないのか、斎藤さんから見つからないようにしている自分が嫌だった。
初めてされた告白

クラスの人達の陰口は徐々に聞かなくなっていました。
そんなある日、いつもの様に帰宅していると改札口に斎藤さんが立っていた。
斎藤さんは私を見つけ
「何で避けるんだよ、寂しいだろ」
そう言った斎藤さんは少し悲しい表情をしていた。
久しぶりに斎藤さんを見ると涙が出て止まらなり、「ごめんなさい、私…」言葉が出てこなくなり、落ち着くのを待ってくれ
「私みたいな地味な子が斎藤さんと仲良くしていると迷惑かけると思って」
そう言うと斎藤さんは怒った。
「結衣ちゃん俺と付き合おう」
顔を見ると斎藤さんは笑顔で、その笑顔を見て私は頷いた。
告白されたことも、誰かと付き合う事も初めてでした。
何もかもが初めての事で新鮮でした。
斎藤さんは県外の大学に行くそうで、一年遠距離になりますが私は斎藤さんのいる大学に行こうと思っています。
それを言うと斎藤さんは子供のように喜んでくれました。
初めて親に反抗しました。
親は私を近くの大学に行かせたかったようですが、何度も何度も親に頼み込みやっと許可が出ました。
自分がこんな風に変わるなんて思ってもみませんでした。
でも今の自分が好きになりかけています。
axsesu著









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