「お疲れ様でしたー」

入社式3年目 殆ど残業もなくだいたい定時で仕事も終わる。
特別大変な仕事もしてる訳でもなく ぬるま湯状態な私はそんな会社が居心地よかった。
仕事帰りに同期の美智子とよくご飯を食べに行った。
この日もロッカー室で着替えながら
「今日はこの間言ってた美智子のおすすめの店行ってみない?」
「あ〜 あそこね〜 あそこの店長おすすめのピザがあって チーズが特別に美味しいと評判らしいよ」
化粧直しもそこそこで 会社をでた。
楽しみだなぁと、心躍らせ2人で店に向かった。

会社からはそう離れてなく 数十分で立ち寄える 外観はアンティーク調でお洒落な店だった。
席に着くとさっそくメニューを見て、注文した。
ふと横を見ると、見覚えのある顔ぶれが目に入ってきた。
同じビル内で働いてる 上の階にある会社の人達だった。
いかにもサラリーマン風の4人組
一人はメガネをかけたインテリ風で、あの中では上司にあたりそうな感じな メガネさん
二人目はちょっと落ち着きなさそうで後輩なのか皆に気を使ってる ねずみ君
三人目はちょっとふてくされた態度でキザっぽく、崩れた感じの キザ男
四人目は中でも 一番ファッションセンスもよくて、イケメンで見てて絵になる ビンゴ君

普段はエレベーターでたまたま居合わすくらいで、特別面識もある訳じゃないから
向こうは私達の事は知らないだろうなぁ。そう思っていた。
彼らは、書類のような物を見て、何やら検討してる様だった。
私の実家は家族で工務店を営んでいる 父や兄はいつも作業着
だからスーツ姿の男性はカッコよく見えて憧れてしまう。
美智子がグラス片手に「あの奥の右側の人 カッコいいよね」
確かに今風な感じで、歳も同じかちょっと上位かな
「あ~ ビンゴ君か~ うん、カッコいいと思う。 でもきっと彼女とかいるよね?」
と私は言った。
美智子は社内でも 美人で知られている

仕事も結構重要なポジションに就いてる
しかし、女性社員からは 評判はあまりよくないのである。
確かに気が強く、ハッキリとストレートに言うから 周りからは関わりたくない人物らしい
でも、男性社員からは 仕事もテキパキできて、よく気が付くので評判良い
私のように、仕事の欲もなく のらりくらりとしている人間とは比較にならない。
そんな美智子だから、美人だし男性の受けもいいので きっと好かれるだろうと
私は思っていた。
「カッコイイから、彼女いてもおかしくないとは思うけど、いないかもしれないしね」
「気になるよね~」
そんな話をしていると テーブルの向こうの彼と目が合ってしまった。
やばっ!! 私は軽く会釈した。
彼も微笑みながら 軽く会釈してくれた。
暫く彼等の事は忘れて、美智子と女子話で盛りあがっていた。
美味しいと噂のピザも平らげ そろそろ帰ろうかと言っていたら
店員さんが ワインを持ってきた。
「あちらのテーブルのお客様からです」

グラスワインを持ってきた。
わっ!! なんと古い手口だ と一瞬思った。
私達は彼等に向って軽く会釈して 遠慮なくワインをご馳走になった。
暫くして彼等の一人 後輩らしきねずみ君が来て 「同じビルの方ですよね?」
私達の事は知ってたんだと驚いた。
私は「え~そうです。確か皆さんは上の階ですよね?」
「そうなんです、よかったらご一緒しませんか?」
ヤッパリ ねずみ君は後輩で走りにされたのか
美智子と顔を見合せて 「少しなら」と言って彼等のテーブルへ合流した。
上司らしきメガネさんと、後輩らしいねずみ君は 用事があるということで先に店を出た。
残るはキザ男とビンゴだけになった。
四人で会社の事や趣味の話などで わりと盛り上がった。
やはり、二人とも美智子の美貌に魅了されていたのか
美智子の方ばかり気にしてる
一番気になっていた あの疑問を問いかけてみた。
美智子がビンゴに向かって「あの~彼女はいるのですか?」
指輪もしてなさそうだから、結婚はしていないだろう 話も弾んでたし
もし彼女いないのなら この先 美智子かおこがましくも 私の可能性もありかな?
なんて、淡い期待をよせていた。
キザ男とビンゴが数秒だったか 真面目な顔し固まった。
聞かれたくなかったようだった。
二人で顔を見合せて ビンゴが重い口を開いた。
「付き合ってる人いるんです」
私は「あ~やっぱね~ こんなカッコイイんだから彼女いても当たり前だよね」
美智子は残念そうに肩を落とした。
キザ男が言った。

飲みかけていたグラスを置き キザ男が身を乗り出してきた。
言いにくそうに、何度か口ごもりながら
「お二人ともとても素敵ですよね。 ただ僕たちはちょっと事情があって」
「ちょっと言いにくいのですが ここだけの話にしてくださいよ 実は、、、、、、」
「付き合ってるのは、、、、、」
「付き合ってるのは 俺達 なんです!!」
そう言って
キザ男とビンゴは目を見つめ合っていたのであった。
そして
私と美智子の短い夢はここで終わった。。。
fujimine著









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