やっとわかった親友の好きな相手。ところがその彼がもうすぐ….

近所

私は幼い頃団地に住んでいた。

同じ学年の子がたくさんおり、誰と誰が特別仲が良い、と言う事はあまりなくいつもみんなで決まった場所で遊んでいた。自然と集まるのだ。

同学年の男の子は7人、女の子は5人だった。

ドッジボールをするのも、缶蹴りをするのも仮に全員いなくてもだいたい丁度いい人数だった。

クラスも2クラスしかないので、本当にいつも仲良しだった。

その中にMちゃんと言う女の子が居た。

Mちゃんは頭が良くて、性格も穏やかでよく笑ってくれて、一緒にいると楽しかった。銭湯にも一緒に行って、子供会の集まりなんかもいつもペアだった。

家も2分で着くほど近くで、宿題もどちらかの家でやる事が多かった。

私たちは5年生になった。

5年生になっても、みんな相変わらず仲良しだった。

私は同じ団地のK君に初恋中だったが、誰にも打ち明ける事が出来ず、ひそかに思っていた。

秘密主義

けれども、5年生ともなると、女の子たちはマセてきて恋愛話に花を咲かせるようになる。

私はそんな話が出来るみんなの事が楽しそうで羨ましかった。

なぜ私が誰にも打ち明けられなかったかと言うと、とにかく恥ずかしかったからだ。

『好きな人はいない』ことになっていた。

当然Mちゃんにも話した事はなかった。

Mちゃんとは色んな話をしたつもりだった。だからお互いあまり知らない事は無いと思っていた。

けれど、高学年になるにつれMちゃんは少しずつ秘密主義となっていった。

まず、Mちゃんとあまり遊べなくなった。理由は途中で話してくれたのだが、まだ私は幼稚だったのか、なぜ話してくれないのか等理解ができなかった。

結局Mちゃんは塾に通い始めた、との事で誰にも知られたくないと言った。

別に元々勉強が出来るわけだし、恥ずかしい事ではないのにますます理解が出来なかった。

今思えば最低な事なんだが、当時の私は何の悪気もなく口が軽かった為、塾の件は自分の親に話してしまった。

5年生の中頃になり、とうとうMちゃんと恋愛の話をする機会がやって来た。

お互い好きな人を発表しよう!と言う事になった。

私は正直にK君だ、と答えた。

MちゃんはT君だ、と答えた。

T君、、、。あんまりモテるタイプじゃないけどそうなんだ。。意外。

そこで、後日またまた最低なのだが、Mちゃんの名前を言わずにT君に『あなたの事を好きな子がいるよ』と言ってしまった。幸いT君は鈍感なうえ、まるでこの話に興味がなくその場は過ぎた。

本当は

それからというもの、MちゃんはT君の事が好きだと思っている私は、自分がまるでキューピットにでもなったかのようにふるまっていたと思う。

Mちゃんの好きな人がわかって嬉しかったのだ。

しかし、私の行動は過度だったのだろう、、、。きっとMちゃんは迷惑に思っていたに違いない。今思えば、Mちゃんが私に色々話したくなかったのは言うまでもない。

それからもMちゃんとは同じ恋愛系の少女漫画を読みながらキュンキュンする日々を送っていた。

小学生向けの漫画とは言え、今考えても大人びた内容だったように思う。そんな恋愛が私たちの憧れだった。

そんな時、同じ団地内のA君の転校が決まったと耳にした。

A君はMちゃんと同じ団地の隣の部屋に住んでいる男の子だ。

私もよく一緒に遊んだし、保育園も一緒だったからよく知っている子だ。

私たちの住んでいるのは中部地区だが、A君は東京への引っ越しが決まり、5年生が終わるころには居なくなってしまうという。

みんなでお別れ会をやった。ある程度自我がある年齢でこういった別れを経験するのは心も寂しさで苦しくなる。

すると、Mちゃんが私に突然話してくれた。

『私が本当に好きだったのはA君だよ』『引っ越してほしくない。悲しい』と。

そんなっ、、、漫画みたいな話じゃないか、、。私もMちゃんのように苦しくなった。

A君とMちゃんは隣同士に住んでいたから幼馴染だ。それこそ恥ずかしくて本当の事を言えず、T君を好きだと言ったのはカモフラージュだったらしい。

あの時T君に軽くバラシてしまったことをとても後悔した。

A君はMちゃんの気持ちを知らないまま、旅立ってしまった。

幼稚だった私は、人の恋をする気持ちが儚(はかな)く、でもとても尊い事を知った。

miho著

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