初体験は達成するのか!?青春のハードルをおもいっきりジャンプしてみた

「紹介」

「カレシが欲しいって子がいるんだけどどう?」

バイト先の女の子に友達を紹介したいと誘われた。

この子とは特に仲が良いわけではないけれど

その時は彼女もいなかったし欲しかったのでその紹介を受けることにした。

紹介というが紹介者が立ち会うわけではなく

ケイタイ番号が書かれたメモ用紙を渡されただけだ。

 

相手は同じ高校の同級生

一応紹介してくれた子も同じ高校なのだが

学科も違うし建屋も別なのでほぼ交流はない。

顔を見たら見たことあると思うかもしれない。

下の名前はトモっていうのかぁ・・

 

紹介状という名の番号が書かれたメモ用紙を受け取った翌日の夜、

さっそく電話をかけてみた。

もちろん電話をかける時は緊張する。

基本電話するのは苦手だ。

それでも彼女が欲しいという強い想いが行動に移してくれる。

コール音の先にはどんな声が出てくるのだろう。

「もしもし、」『もしもし』

声はカワイイ、

「あの○○さんから紹介を受けたものですけど、」

『こんばんわ』

互いにたどたどしく挨拶から始まる。何を話せばいいか・・、

とりあえず自分の身の周りの話と相手への質問をすることにした。

それしか思いつかない・・

 

何度かの電話のやりとりをして相手とも距離が縮まったと見て

「今週の日曜空いてる?」とどきどきしながら聞いてみる。だいじょうぶだよと返事が返ってくる。「会おうよ」『うん。いいよ』

じゃあ○○ビルの○階のゲーセンの前で待ち合わせしようと約束を交わした。

 

電話を切ったあと何を着ていこうかと考えたが、

たいしてバリエーションを持ち合わせていないことに

今更ながら気付いて土曜日あたりにでも服を買いに行こうと計画を立てたのだった。

 

「デート」

辺りは派手な電子音が飛び交っている。

その雑音が緊張をほぐすのにはちょうどいいのかもしれない。

入り口付近に立ったままいつ来るんだろうと胸が高鳴っている。

今日の日のために買ったばかりのハットを被ってきた。

芸能人がこのタイプのものを被っていたので参考にして買って見た。

似合う人が被ればオシャレだが似合わない人が被れば

ただの競技の審判が被っているやつみたいだ。

果たして相手はどう思うのだろう・・

 

「◯◯くん。」

来た!、

ぱっと顔を上げた先に視線が止まる。

彼女だ、

自分好みのファッションというのは特別ないけれど

その見た目は自分好みだった。

肩にかかるぐらいのショートヘアもイイ、

そして何より曇りのないきれいな瞳に心奪われてしまった。

「まった?」

「いや、大丈夫」

「どこいっこか?」

真横に女の子がいるというだけでも体が硬直してくるというのに、

おまけに彼女の体からは魅惑的な匂いが漂ってきてなんだか・・、

これが俗にいうフェロモンというやつなのか?

 

──彼女と撮ったプリクラにはにんまりとぎこちなく微笑む自分の姿と、

その肩にあごを乗せてうつむき気味に写っている彼女の姿が映し出されてある。

ちなみに自分が被っているハットは似合ってないように思う。

機械がシャッターのカウントダウンを始めた瞬間、

ふいに彼女のあごが肩に触れてきた。

あっ。

彼女の温もりが彼女の重みが・・

 

彼女の顔がうまく写ってないのは残念だけれどこれはこれでいい。

これが記念すべき1枚目となった。

 

「告白」

学校帰りにカラオケに行った時のことだ。

そろそろ告白しようかと考えていた。

まだこうやって二人っきりで会っているということは相手も付き合ってもいい、

告白してもオーケーしてくれるんじゃないだろうかと感じていた。

でもやっぱり告白しようと思うと緊張してくる。

 

ある程度歌い互いに選曲を選んでいる時に今だ、と思い

「大事な話があるんだけど」

と切り出した。

あのさ、

と話を切り出そうとしたところへ

『あ~~~~~~』

 

と、彼女が耳を押さえて話しを聞かないようにする。

「あのさ、

『あ~~~~~~』

ちょっと聞いてよ!、

と押さえつけている手を引き剥がす。

聞きたくない、聞きたくない、と喚いてるところ

「俺と付き合ってよ」

と告白した。

 

喚くのをとめてこっちを見つめる彼女。

一呼吸置いて

「俺と付き合ってください。」

ともう一度言い直した。

「真剣な顔してたからてっきりフラれるかと思ってた・・」

「返事は?」

彼女は照れながら潤んだ瞳で

「はい。」

と答えてくれたんだ。

 

 

「彼女の部屋」

彼女の部屋に初めて来た。

というか今までの人生思い返してみても

女の子の部屋に入ったことなんてないだろう。

よく上がれたなと思うけど彼女の家は母子家庭で

お母さんは仕事で夜に帰ってくるという。

お父さんはいるけど籍を入れてないらしくちょっと複雑な事情があるみたいで

だから家に入ることに特に障害がなかったわけだ。

 

女の子の部屋はぬいぐるみがあって可愛いものに囲まれて

というそんなオーソドックスな感じを思い浮かべていたけれど、そんな感じは全くなく

実にシンプルというか余計なものを置いてない部屋だった。

まあ自分的にはこのぐらいが落ち着けてちょうどいい。

 

「これあげる」

彼女が手渡してくれたのは

彼女が自撮りで撮ったと思われる1枚の写真だった。

彼女のきれいな瞳がしっかりと映し出されていて一目で気に入った。

自分の部屋の壁にでも貼っておこう。

 

彼女の家に行くと決まってから

今日かもしれない

と思っていた。

前回のデートでキスは済んでいる。

しかも

そこで彼女の舌がいきなり絡まってきたから、歯止めが利かなくなって

そののまま暴走しちゃって、

Aどころか

Bまで。

途中で彼女からストップが入ったからそれで済んだけど、

正直あの感触が忘れられなくて・・

付き合ってどのぐらい経ったらオーケーだとかあると思うけど、

早すぎるんだろうけど、

そういう雰囲気になったらいってしまう。

絶対。

 

彼女の話に相槌を打ちながらどこか上の空になっていただろう

彼女の匂いが漂う彼女の部屋で

すぐ横に彼女がいて

その体に軽く触れてるだけで

そんな雰囲気になってきて

互いの口数が減って

見つめ合って

キスを重ねて抱き合って

 

そして・・・・

 

 

彼女の体温を感じた。

とうとう経験しちゃった。

 

 

 

「別れ」

彼女は自分にとっては特別な存在だ。

きっと一生忘れることはないと思う。

初めて恋愛というものを経験したし

初めて女性と感情をぶつけ合ったし

初めて女性というものを知ったし

初めてづくしだった。

彼女のおかげだ。

 

別れは自分の方から切り出した。

自分が欲張ってしまったからだ。

他の人とも付き合ってみたいって思ったから

わがままな理由で別れを告げた。

 

別れたあと何ヶ月か経って

一度だけ彼女の希望で会ったことがある。

ヨリを戻したい

って言われたけれど

その時にはもう新しい彼女がいて。

遠距離恋愛だけれど。

 

バス停まで彼女を送る。

 

「さよならだね」

と彼女がつぶやいた

無理にでも明るく振る舞おうとする彼女・・・

 

バスがやってきた。

 

彼女は去り際に別れの挨拶を始める

無理に明るく

そして勢いで

僕の頬にキスをした

涙をいっぱいためた瞳で

僕を見つめて

何度も崩れかけた

笑顔を向けて

バスに乗り込んでからもその表情は耐えていて

僕は彼女から目を離さないことしか

応えてやることはできない

 

彼女が離れてゆく

バスが遠く見えなくなるまで

僕はずっとその後ろを見続けていた。

 

 

fmfm著

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