全くタイプじゃないのに惹かれてしまう。
皆様もこんな経験一度はありませんか?
これは学生時代のバイト先で経験したお話です。
今日からよろしくお願いします。

16歳の夏。
私は地元の商店街にあるファーストフード店で初めてバイトをすることになりました。
バイト初日、小さい頃から人見知りな私はかなり緊張していました。
「はじめまして。今日からよろしくお願いします。」
自分では元気に挨拶したつもりでしたが声が小さかったようです。
「なに?もう一回言って?」
そんな時、助けてくれたのが彼でした。「バイト初めて?最初は緊張するっしょ。でも皆いい奴だからすぐ慣れるよ。」見た目は金髪でロン毛。見るからにノリが良さそうなギャル男でした。第一印象はまさに苦手なタイプ。「さっき助けてくれたし悪い人ではなさそうだけど...」
もともとあまりノリが良くない私は友達も少なく男女ともに明るい人がとにかく苦手でした。
誰とでも仲良くできて友達が多そうな彼は私と真逆のタイプでした。
「深く関わらないでおこう」
他人との間に線を引きたがる私はすぐにそう思いました。
気になる

ところが、ある日を境に彼に対する印象が変わりました。
私がミスをして店長に怒られた時、とっさに彼がかばってくれたのです。
「私が悪いのに...」
申し訳ない気持ちでいっぱいになり彼の前で泣いてしまいました。
いつもちょー頑張ってるの知ってるし。」笑顔でそう言う彼を見て「優しい人なんだな」と思いました。普段はチャラチャラしているけど真面目に仕事をしているところや
いつも皆のことを気にかけて行動している姿が、かっこよく見えてきたのです。と同時に彼のことがちょっと気になりだしました。バイトを初めて2ヶ月が経った頃には
彼のおかげでバイト先の皆とも仲良くなることができました。
バイトをする前より自分の性格も明るくなりました。
「なんか最近楽しいな」
バイトが終わると彼の派手な車かバイクに乗せてもらい、
家まで送ってもらうようになりました。
その時間がとっても幸せでした。
初めてのデート
そんなある日、突然彼から映画に誘われました。でもそこで衝撃の真実を知ることになります...。当日、彼が車で迎えにきてくれて映画館に行きました。「おはよう。」
明るい時間から遊ぶのは初めてだったのでちょっと照れながら車に乗りました。
映画館に着いて当時人気だった映画を見たけど
緊張しすぎて内容がほとんど入ってきませんでした。
楽しすぎてあっという間に夜になりました。
「今日は楽しかったね。そろそろ帰ろっか!」
私は車で送ってもらいながら
「今更だけど彼女いるの?」
ずっと気になっていたことを何気なく聞いてみました。
「いないよ。でもずっと忘れられない人はいるかな。」
「忘れられない人?」
しばらく彼の話を聞きました。
相手は元カノで別れてはいるけどすごく好きだったそうです。
今は相手に彼氏がいることも教えてくれました。
「今日は楽しかった。送ってくれてありがとう」
車から降りたら勝手に涙がでてきました。「舞い上がっていた自分がバカみたい」
気がつけば彼のことを完全に好きになっていたのです。
「好きな気持ちは伝えたいけど。言ったらこの関係終わるだろうな」
彼のことを考えすぎてその夜は一睡もできないまま学校へ行きました。
好きです。付き合ってください。

モヤモヤしていた私は昨日のことを全部友達に相談しました。
「そんなにモヤモヤするなら気持ちは伝えたほうがいいんじゃない?」
背中を押された気がしました。内心私もそう思っていたからです。
タイミングは今じゃないかもしれないけどとにかく伝えたい気持ちでいっぱいでした。
その夜、私は彼に電話をかけることにしました。
「もしもし。今大丈夫?」
気がつけば緊張を隠すために30分以上どうでもいい話をしていました。
そろそろ会話が終わりそうなことに気づいた私は
「あのね、話があって...好きです。付き合ってください。」
生まれて初めて告白をしました。
しばらく沈黙の時間が流れたあと
「ありがとう。でもお前をそういう風に見れない。
この前話したけど今はまだ誰とも付き合う気がないんだ。ごめんね。」
「ううん。話聞いてくれてありがとう。気まずくなるのは嫌だから
これからも変わらずよろしくね。」
私は電話を切りました。
フラれた。
なんとなく気づいてはいたけど直接言われるとやっぱり辛いです。
すぐ友達に電話をして思いっきり泣きました。
「頑張ったね。」
その言葉にまた涙が出ます。
おかげで次の日は顔がパンパンに腫れたけど、
それも今となってはいい思い出になりました。
ちなみにバイトは高校卒業まで続けました。
後にも先にもこんなにタイプじゃない人を好きになることはなかったけど
今でも思うのはあの時告白して良かったということと、
人は見た目じゃないということです。
あのまま気持ちを伝えてなかったら一生後悔していました。
素敵な経験をさせてくれてありがとうと伝えたいです。
ohjkh著









コメント
コメント一覧 (2件)
pr
今回の作品は、バイト先で恋をした女性のお話です。
人見知りだった女性は地元のお店で初めてのバイトをするも、緊張して上手く話せずにいました。
それを助けてくれたのが、見た目が派手なギャル男風の男性でした。
自分とは真逆のタイプだったので女性は苦手意識を感じましたが、自分のミスをカバーしてくれた時に男性が気になるようになってしまいました。
ある日男性から初めてのデートに誘われる女性。
男性に彼女はいるのかを問うと、男性には忘れられない人がいることを知ります。
好きだと伝えるべきか悩んでいた女性でしたが、友人に相談すると伝えるべきだと後押しをされました。
勇気を振り絞って初めて告白しましたが、男性はまだ次の恋愛をする気になれない様子でした。
残念な結果でしたが、女性にとって自分の気持ちを伝えられて後悔のない素敵な経験となりました。
女性の心情がよく表現されていて、感情移入もしやすく読みやすくまとまっています。
人は見かけによらないということ、そして自分の気持ちを相手に伝えることの大切さが読者にもしっかり伝わる良い作品です。
検収者 kitsuneko22
⑤kitsuneko22