最近流行りのマッチングアプリ
なんとなく、という理由で初めてみたけれど
ある男性が、私を夢中にさせてくれた。
はじめまして

「はじめまして。宮野です」
人が行き交う新宿駅で、私は彼と初めて出会った。
きっかけはマッチングアプリだった。
当時、大学の友達がやっているのをみて私も興味を持った。
私は文学部で、同期には女子が圧倒的に多い。
だから彼氏を作るなら、バイト先か外部のサークルで出会いを求めるしかなかった。
だけどインターネットが発達した今、男女の出会い方も変わってきているようで
アプリで出会って彼氏を作ったという友達もいた。
最初は使い方が全くわからなくて苦労したが、次第に慣れてくるとメッセージのやりとりが楽しくなってきた。
そこで出会ったのが、宮野さんだった。
数人とメッセージをする中でも、宮野さんは特に話しやすいと感じていたから、「今度、ご飯に行きませんか?」と誘われた時は心が高鳴ったのを覚えている。
場所は、お互いにアクセスがいい新宿駅となった。
アプリで知り合った男性と会うのは初めてだったから緊張はしたけど、わくわくのほうが大きかった。
事前に決めておいた待ち合わせ場所で待っていると、急に名前を呼ばれた。
「…かなさん?」
「ーっ!」
名前を呼ばれて顔を上げると、私の想像よりずっと背の高い男性が目の前に立っていた。
黒のコートがよく似合う、すらっとした体型の男性で、英国紳士のような服装だった。
「はじめまして。宮野です」
「あっ、はじめまして!かなです」
初めて会った宮野さんは、想像よりずっとキラキラして見えた。
変化する感情

連絡先を交換して、私と宮野さんは2週間に1回のペースで会うようになっていた。
最初の頃は、最近の過ごし方や好きなこと、趣味など雑談のような話題だったけれど
会う回数が増えるにつれて、話の話題はより親密なものになっていった。
今までの恋愛について、好きなタイプはどんな人なのか、人生をどう生きていきたいのか。
友達ともなかなかしないような会話をしていくうちに、私は宮野さんに惹かれていった。
(この人と一緒にいるのが楽しい)
連絡を取り合ったり、一緒に出かけるのが楽しくて、気づいたら頭の中で宮野さんのことを考えるようになっていた。
(今度会ったときに、告白しよう)
そう決めて、私は宮野さんと出かける予定を立てた。
求めているもの

「おはよう」
「うわっ?!」
告白しようと決めた日、私はいつも以上に緊張していて宮野さんからの挨拶に過剰反応してしまった。
そんな私を宮野さんは不思議そうに見つめたけど、「おもしろい」といって楽しそうに笑った。
今日はカフェでランチをして、水族館へ行く1日デートコース。
水族館を出て辺りが暗くなってきた頃、「夕飯食べる?」と宮野さんが誘ってくれたのでイタリアンレストランに入った。
(告白するなら、この時だよね)
両手を静かに握りしめた私が「宮野さん、」と呼びかけようとしたとき
宮野さんが私を呼んだ。
「かなさん、将来結婚したい?」
すぐに答えられなかった。
宮野さんは話を続ける。
「これまではっきり言ったことないけど、俺は結婚したいんだよね。そんで、子供がいる家庭をつくりたい」
宮野さんは真剣な顔つきでそういった。
お互いが恋愛に求めるものについては、いつか話さなければいけないことだとわかっていた。
だけど好奇心からアプリを始めた私には、これといった目的もない。
そんな私が、宮野さんの願いを叶える覚悟があるはずがなかった。
「うーん、将来……どうしたいかなぁ」
笑って、そう言うのが精一杯だった。
宮野さんのことが好きだなんて、絶対言えない。
私には言う資格がないのだと、思い知らされた気がした。
再スタート

それから月日が経ち、あの日を最後に私と宮野さんが連絡を取り合う頻度は少なくなっていった。
私は送っていたけど、宮野さんから返信が返ってこなくなっていたのだった。
そして、私と宮野さんとの関係は完全に途切れた。
「……悔しい。好きだって言ってやればよかった」
ぽつり、とつぶやいて私は本当に宮野さんのことが好きだったんだなと改めて実感した。
あの時、私も結婚したいと伝えていたらよかったのか。
子供が欲しいという宮野さんに、共感すればよかったのか。
私は宮野さんの望む解答をすることができなかった自分を責めてしまう。
だけど、自分に嘘をつくことも、宮野さんに嘘をつくことも嫌だった。
宮野さんはきっと、次なる恋をするために先に進んでいるんだろう。
私より大人で、子供が欲しいと願っている女性とであっているかもしれない。
宮野さんならきっと、素敵な人と結ばれるんじゃないかな。
悔しい。悲しい。だけど、私もいつまでも立ち止まっているわけにはいかない。
宮野さんとの出会いは大切に、次の恋愛に進まない限りなにも変わらない。
きっとお互いに望んでいない恋愛なら、長くは続かなかったと思う。
私には私の恋愛がきっとあるんだと思う。
そう言い聞かせて机の上に置かれたスマートフォンを手に取り、しばらく開いていなかったマッチングアプリを起動させると、メッセージが大量に来ていた。
その中に1人、笑顔が素敵で爽やかな印象の男性が目に止まった。
(…私も前に進まなきゃ)
私は写真をタップしてメッセージ画面を開き、気づけば自分からメッセージを送っていた。
『はじめまして!かなといいます。よければお話しませんか?』
kaerh著









コメント
コメント一覧 (2件)
まこまる さん
初めての記事を投稿して頂きまして有難うございます。
ここで検収の前にお知らせをさせて頂きます。
☞ クラウドワークスでのシステムをスムーズに進行さ為には、
記事完成に際してメッセージにてご連絡して頂きますが、
その際にクラウドワークス側の納品書記入チェックもお願い致します。
更に、検収が完了後に「支払」「評価」と進んで頂くことになります。
その後は6記事作成まで契約は継続されます。
どうぞご理解の程宜しくお願い致します。
それでは早速検収をさせて頂きます。
今回の作品は、最近流行りのマッチングアプリを利用した女子大生の素敵な男性との出会いを記事にして頂きました。
彼女は文学部で、同期には女子が圧倒的に多い状況です。
だから彼氏を作るなら、バイト先か外部のサークルで出会いを求めるしかなかった。
そんな彼女は大学の友達がやっているマッチングアプリに興味を持ちます。
最初は難しい操作も次第に慣れて行きます。
数人とメッセージをする中でも、宮野さんは特に話しやすいと感じていたから、
「今度、ご飯に行きませんか?」と誘われた時は心が高鳴ったのを覚えている。
名前を呼ばれて顔を上げると、私の想像よりずっと背の高い男性が目の前に立っていた。
黒のコートがよく似合う、すらっとした体型の男性で、英国紳士のような服装だった。
連絡先を交換して、私と宮野さんは2週間に1回のペースで会うようになっていた。
「これまではっきり言ったことないけど、俺は結婚したいんだよね。そんで、子供がいる家庭をつくりたい」
☞ 学生である彼女と社会人として将来の生活設計を考えている彼との気持ちの違いを上手く表現して頂いています。
そして夢心地の彼女は現実に向き合って欲しい彼の思いに、あやふやな返事でしか出来なかったことに後悔する事になります。
有難う御座います。
今回の作品は、まこまる さんのライターとしての才能を感じさせてくれる作品となっています。
それではこれにて検収を完了とさせて頂きます。
次回の投稿記事も楽しみにお待ち致します。
井上保夫
pr