止まった時計は動きだす!?同窓会で再会したふたりの行方は?

【同窓会の知らせ】

高校を卒業し5年。私は地元から離れた大学へ進学し、そのまま就職した。実家に帰ることはあったものの都合が合わず地元の友人とはほとんど会わずじまいだった。

そんな私に実家から正月に卒業5周年同窓会開催の手紙が届いていると連絡があった。もう5年か、と懐かしい思い出が次々と甦り、久々に皆に会いたい気分となったので出席することにした。

【期待と不安】

年末に実家に帰り卒業アルバムを眺めたり、家族と高校時代の話しをしたりとバッチリ復習しながら例年とはちょっと異なる高揚感で年末年始を過ごした後、同窓会当日を迎えた。

同窓会は、5周年という事もあって活況であった。会場中、あちらこちらで、「久しぶりー!」、「元気?」など挨拶がされている。まわりの会話に聴き耳を立てているとどうやら同窓会は度々開催されており、それをきっかけに正月や盆のタイミングでクラス会なども開かれていたらしい。どうやら、私は出遅れ組となってしまったようだ。更に、マズイことにこの5年で私はちょっとふっくらしてしまい、高校時代のスラっとした体型からかけ離れてしまっている。これではきっと誰だか分からないだろう。

何かきっかけを探さねば、とひとり焦っていると「あれ、タロウじゃない?久しぶり。」と声をかけてくれヤツがいる。周りにも、何となく昔の面影を残す2、3人。恐らく、高校三年の時のクラスメイト達だ。「あっちで、みんなで集まっているよ。タロウも来ない?そうそう、サクラも来ているよ。」よかった、これで何とか皆の輪の中に加われそうだ。何故サクラ?確かに高校時代を通じて仲が良かった女友達のひとりではあったが別に付き合っていたわけではない、と思いながらもまずは、彼らについて行くことにした。

【再会と余韻】

移動してみると、そこには懐かしい面々が居るではないか。お互いに挨拶を交わし近況などを話していると、後ろから「タロウくん、久しぶり!」と女性の声。振り向くとサクラではないか。一目でわかった。年齢相応に大人っぽくなっているが昔と変わらない。しかし、後ろからよく私だと分かったな、と感心する。「ちょっと貫禄がついたけど、話し方と雰囲気が変わらないのですぐ分かったよ。」話し方や雰囲気にそんな特徴があったか私は?と思ったもののちょっと嬉しい。

その後は、私が皆と顔を合わせたのが久し振りだったこともありお互いの近況を話したり、昔話に花を咲かせたりと大いに盛り上がり同窓会は終えたのであった。もう少し話したいな、そう言えばあまりサクラとも話せていないなあと余韻に浸っていると、クラスで二次会行くけどタロウもどう?と誘われた。チラッとサクラをみると、タロウくんも行かない?と彼女も誘ってくれる。二次会参加決定だ。

【思い出と感傷】

勢いと流れで二次会はサクラの近くの席に座れた。サクラと昔の話をしているとあの頃は居心地のよい友人関係に満足し、そんな関係が壊れることを心配し、勇気がなくて、一度も付き合って欲しい、と言い出せなかったよなぁ、という感傷が心をよぎる。彼女はどうだったのだろう?お互いに彼氏彼女が居たこともあるし、ま、友人は友人か、など取り留めもない思いが頭を巡る。

そんな思いを心の片隅に秘めながら話しをしているとどうやら彼女、私と同じ街で働いているらしい。まぁ、大都会だし十分可能性はあったのだが。取り敢えず彼女とも連絡先を交換し二次会もお開きとなった。

【走り出す心】

何だかんだと楽しかった年末年始の休みを終え、今後は地元に帰ったら皆に声をかけようと思いつつ何時もの生活に戻っていった。

そんなある日。せっかく連絡先も交換したので、サクラに連絡してみることにした。同窓会以来、昔からの気心知れた友人と話す楽しさが忘れられず、また、あの時、心に湧いたサクラへのモヤモヤがどうも治らなかったからだ。同窓会の勢いで連絡先を交換しただけなので返事は来ないかなど不安に思ったが直ぐに返事が来た。嬉しさに任せ、勢いで食事を誘ってみると意外にも直ぐにOKと返事があった。おぉ、やった!思わずガッツポーズ。直ぐに予定を調整し週末の仕事帰りに待ち合わせることにした。

仕事帰りの彼女は高校時代とは全く違ってすっかり社会人。新鮮で魅力的だ。当たり前であるが。同窓会の時と比べても別人に見える。同窓会で会っていなかったら直ぐには分からなかったかもしれない。何故か少し緊張する私。しかしながら、同窓会の感想から始まりこの街での暮らし、仕事のことと会話が弾み出すとやはりサクラはサクラで徐々に私の緊張感も解けて楽しい時間が過ぎて行く。

何かいい雰囲気ではないかと思いながらもこの日は別れた。

【時は動き出す?】

暫くすると先日の礼と共に、今度は彼女の方から食事の誘いが来た。時間を調整してまた会う。こんなやり取りを暫く繰り返し、間隔はだんだん短くなり、会う頻度も多くなり、気づけば高校時代よりもお互いのことを知っているのではないか。

会話の中で今彼女には付き合っているひとはいないことも分かった。私もいない。ただ最近、気になり出したことは会い始めた頃と比べると心なしか彼女が楽しそうではないことだ。会う頻度も減ってきていないか?

ちょっと焦り始めた私はタイミングを逃してはいけないと思い、高校時代は出せなかった勇気を今度こそ振り絞り彼女に付き合いを申し込んだ。そして、どれだけ仲良くなったつもりでも男女の間で友情以上にならないこともある、と知った。

 

m113著

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