思いが重なるその日まで


これは、僕の人生を振り返って学んだことを、ある女性との出会いを通して振り返ったものである。
小学校の頃、僕はなぜか女子に人気だった。自分の中ではあんまり記憶がなかった子も僕のことが好きらしいという噂で持ちきりだった。運動はそこそこ、勉強は上位に入り、顔は決してカッコ良くはないけど、どこか親しみが持てる顔だった。僕の得意なことは、何よりその場の空気を悪くしないことだった。友達の中で変な空気が流れ出したら、積極的に話題の中心になり。家族の中でさえ空気を読んで、道化を演じていた。ただ、僕の中にはいつももう一人の僕がいるような気がした。何をするにしても、もう一人の僕が見ている。熱くなってるふりをしたり、一緒に思いを共有しているふりをしている僕をもう一人の僕がじっと見ていた。

Male and female junior high school students to study in the library

ひなは、僕とは真逆の性格だった。教室ではいつも一人だったけど、むしろそれが心地よいみたいで、誰もが認める美人だったから、学校中の男子の憧れの的だった。そんなひなを見て、面白く思わない女の子のグループもあるみたいで、リーダー格の一人が「みんなひなと話さないで」と言ったこともあった。当の本人は、全く気にしていない様子で、いつも凛としていた。ある日、おもむろにひなから「ねぇ、消しゴム貸して」と言われた。なんで僕に言ってきたのか不思議でしょうがなかったけど、すぐに返してもらえたし、別によかった。ふと消しゴムを見ると全く使った形跡がなかった。カバーを外してみると、相合傘の片方にひな、そしてもう片方に僕の名前が書いてあった。僕のことが好きなのかもしれない。ひなを意識するようになったけど、特に僕に好きという気持ちはなかった。

僕は、そのまま地元の中学校に入学してもよかったけど、自分の実力を確かめたくて、中学受験をすることにした。あんまり真剣には勉強に打ち込んでなかったけど、なんとなく合格するだろうという確信めいたものを持っていた。受験の日、初めて同じ小学校の子が5人も受験することを知った。そこには、ひなの姿もあった。なんとなく同じ中学校の制服をきた僕とひなのイメージが湧いた。現実は違った。僕は予想通り合格したけど、ひなは合格発表の掲示板を見て、早足で去っていった。多分落ちたんだろう。なんとなく分かった。

それから僕らは携帯電話を買ってもらって、お互いのことをメールで伝えあった。確信めいたことは何もなかったけど、ひながずっと僕のことを好きなことは薄々分かっていた。なんとなくこれはずっと続いていくものだろうなと思った。同じ学校の友達にには他校に彼女がいると嘘をつき、女の子からの好意もそれで逃げてきた。僕にまともに彼女ができたのは20代も真ん中を超えたあたりからだった。

インスタグラムの友達かもにひなが出てきた。たくさんの男たちとパーティーをしている様子や。口髭を生やしたチェ・ゲバラみたいな男とキスをしている画像にいいねが54件ついていた。僕はなんとなく嫌になってアカウントを消した。もう30歳になる。思えばストーリーに上がるのは、友達の子供が日に日に大きくなって話せるようになったり、歩けるようになったりするものだった。僕はというと、誰かと生活を共有するなど考えられない。安アパートに仕事帰りウーバーイーツを置き配してもらって、ネットフリックスで適当なドラマを流しながら味がするのかしないのか分からないまま栄養をとる。
自分が心に思っていることはちゃんと伝えた方がいい。人の気持ちは絶えず変化するもの、永遠なんてないし、自分が変わる努力をしなければ物事は何も前には進んでいかないことを知った。

o506著

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コメント

コメント一覧 (2件)

  • 今回は、小学生時代に出会った同級生から学んだ、人生で大切なことについてのお話を書いていただきました。

    小学生時代、女子から人気のあった彼。彼の得意なことは、場の空気を悪くしないこと。
    その場の空気を盛り上げ空気を読む行動をしていた彼は、いつももう一人の自分が見てるような感覚で、本当の自分が分からないでいました。
    彼女は彼とは反対の性格。一人でいることを好んでいるようで、美人な彼女は同性から妬まれることもありましたが、どんな嫌がらせにも屈しない凛とした態度を見せていました。
    ある日消しゴムを貸してほしいと彼女から言われて、その消しゴムに刻まれた文字から彼女が好意を寄せていることが分かります。
    しかし、彼は気にはなっていたものの、特別好きなわけではありませんでした。
    彼は中学受験を受けることになり、彼女もまた同じ学校を受験することを知ります。しかし合格したのは彼だけで、彼女は不合格。
    それでも彼は彼女が好意を寄せいていることを知っていたから、他の女性との出会いを拒否して、メールのやり取りを続けていました。
    時は流れて、インスタグラムで彼女がたくさんの男性とパーティーで楽しんでいる姿を見た彼。対して彼は、一人で寂しく生活をしていました。
    彼は、その時に心に思っていることを相手に伝えるべきだったと学びました。

    自分の意思をしっかり持って気持ちを伝えることの大切さ、自分から行動して前に進むことの大切さがとてもよく伝わってきます。
    行動を起こさないといつまでも今のままが続くとは限らないという教訓は、読者の心に響くでしょう。
    読みやすく学びのある作品に仕上げていただきました。

    検収者 kitsuneko22

    ㉖kitsuneko22-10

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