写真サークルに入る

大学2年の春、友達の紹介で写真サークルに入った。
映画「恋愛写真」をみて、フィルムカメラに憧れたのがきっかけだった。
写真サークルはインカレのサークルで、いろんな大学の学生たちが参加していた。
女子大通いの私にとっては新鮮な、男子学生がいる環境。
また、在籍しているメンバーは男子が多かったため、サークル部屋にいるのも大概 男子学生だった。
馴染みのない環境に はじめは躊躇したものの、気さくで温厚な人たちばかりで すぐに居心地の良さを感じていった。
2個上の先輩との出会い

サークルの活動日に指定はなく、各々が好きなタイミングで写真の現像をしに サークル部屋に訪れていた。
はじめて触るフィルムカメラ、そして暗室を使った現像に 私はみるみるはまっていった。
授業後の夕方や大学が休みの日に利用し、その日居合わせたメンバーで、夕飯や飲みにいったりすることも度々あった。
写真以外にも音楽や映画など、趣味が合う人が多く、いつもいろんな話題で盛り上がっていた。
その中にEさんという人がいた。
2個上の名門大の先輩で、気さくで話しやすく、イケメンだけど ひょうきんな人だった。
入部した当初からカメラや写真の相談に乗ってくれ、よく話しかけてくれたEさん。いい先輩の1人で いつも楽しく話していた。
いろいろと話をするうちに
「◯◯さんは 彼氏いないの?」
「どんな人が好きなの?」
と恋愛話も聞かれるようになっていった。
あまり恋愛話の持ちネタがない私は、少し困りながらも質問に答えていた。
入部して3ヶ月ほど経つと、
「◯◯さんと話すとた楽しい!」
「今日は◯◯さんがいて ラッキー!」
といった言葉をかけられるようになった。
突然の発言に免疫のない私はリアクションに困ってしまった。
とりあえず笑ってやり過ごしの繰り返し…
サークルの飲み会でも、いつのまにか隣の席に座っていたり、「あんまりほかの男子と話さないで〜」と言われることもあった。
次第に周囲から「Eさん、○○のこと 好きみたいだよ。告白された?」と言われるように…
そんな状況に混乱する私。
好意を持ってもらえるのは嬉しいけれど、恋愛に発展する現実味はなかった。
こんなハイスペックな人と自分は釣り合わないし、恋愛経験が乏しいからからかわれているだけと思い、とにかく話を適当に受け流すようにしていた。
それでもEさんのそんな発言は続き、半年ほど過ぎた。
突然の誘い

ある日、Eさんから美術館デートに誘われた。
Eさんが卒業する1ヶ月ほど前のことだった。
はじめてのことにびっくりしたが、誘いを受けることに…
その日は駅で待ち合わせて 美術館へ。
お互い興味のある写真の展示だったので、それぞれ真剣に展示を見ていた。
Eさんは 写真についてまとめているノートを持ってきていて、そこになにか一生懸命書き留めていた。
本当に写真が好きな人なんだなと ぼんやりそれを見ていた私。
一通り展示を見終えると
「お昼ごはん食べていかない?」と誘われ、近くのカフェへ。
そこでいつも通り 他愛のない話をし、帰る時間に。
「俺ももう卒業だよ。卒業する前に1度は◯◯さんとデートしたいなと思ってたんだ。付き合ってくれて ありがとうね。」
Eさんの発言にどう返したらいいか迷うも
「こちらこそ、楽しかったです。お仕事がんばってくださいね。」
そう言って、解散した。
卒業して…

それから1ヶ月後 Eさんは卒業して、地方の会社に就職した。
私も地方に引越してしまったため、卒業以来 直接顔を合わしていない。
けれども、2年に1度くらい急に連絡が入る。
それも他愛のない話だ。
Eさんはどんな思いでいてくれたのか、いまだによくわからない。
でも興味を持ってもらえたことで、少なからず 自分に自信をもてたのは確かだったので感謝したい。
卒業シーズンになるとふと思い出す、サークルの先輩との思い出。
いつかまた再会する機会があったら、あの頃を思い出して他愛のない話をしたい。
konaka著









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