好きになってはいけない人

むねが張り裂けそうなぐらいに人を好きになってしまったこと、ありますか?

それが好きになってはいけない人だったら?


友人の辛く、苦しい話です。

当時私と友人は30歳、キャリアも積んで仕事が楽しくて仕方がない、乗ってきた頃に出会った人との話です。

彼女の名前は由香子。高校生の頃、スカウトされて、一時はモデルをしていたことがある子でした。でもそれを鼻にかけないお調子者で優しくて話すと、バカがばれるから黙ってなさいというくらい天然な子でした。笑い顔がとてもかわいい子でした。

彼女の会社はタクシー会社の総務課で、タバコの臭いの染みついたおじさんばかりの男の人の多い職場でした。彼女はみんなの娘みたいに可愛がられてマスコット的存在でした。私は同じ会社で経理課にいて、お昼ご飯は一緒に食べて、気の合う仲でした。

彼女には当時付き合っていた彼がいて、とても仲が良くいつも楽しそうに彼の話をしていたのにある日突然、別れたのです。私はびっくりして彼の悪いところがあったのか?もう元には戻れないのか?いろいろ聞いたけど、すでに彼女から別れを切り出して終わったというのです。しかも原因は彼女の方で、好きな人ができたというのです!


いつも一緒にご飯を食べ、遊びに行ったりショッピングをしたりしてたのに、全然気が付かなかった。お相手の人はこれまたびっくり!妻子ある人でタバコ臭い会社の上司だったのです!

「なぜ?だめだよ!やめなさい!誰も幸せになれないよ!くるしいだけだよ!」     私が何度も説得しても首を縦にはふらず、                      「どうしてもあの人のことが好き!私はどうなってもいいの!たとえ奥さんがいても向こうの家庭を壊すつもりはないの!」と一点張り。何も受け入れようとしません。

あんなにくしゃくしゃ笑顔のカワイイ彼女からは想像できない光景でどうなっているのか混乱して、茫然と彼女の行動を制することができずにいました。そして上司に二人の関係をやめるように言いたいのに彼女に止められ、出来なかったのです。それなのに可愛かった彼女がとても美しく綺麗になっていくのを見るとガラスが磨かれて輝いていくようにキラキラしているのにはかなくも、もろいものに見えました。


愛してはいけない人を愛して、苦しく辛い思いをしている由香子は私の知らないところまで旅立ってしまったようでした。幸せそうに笑っている横顔。泣きはらした目で出勤した時の顔。物思いにふけり遠い目をしてる顔。こんなにも女性は色んな顔をするんだと私も苦しくなりました。と同時にわき目もふらずにまっすぐに人を愛することができる彼女がうらやましくもありました。

いくら好きでいても一生一緒にいられることができる人ではありません。別れは必ずきます。


由香子にもやってきました。相手が別れを告げてきました。奥さんが2人目の子供を妊娠し、それを機に関係を終わりにしたいと言ってきたのです。身勝手なものです。由香子もわかってはいました。でもあまりにも突然で簡単に終わらせようとしたのです。

由香子も付き合ってきた彼と身勝手に別れ、妻子ある男の人と付き合ったのだから同じことをされたのです。すべて自分がしてきたことです。本当はすべてをばらしてしまえばよかったのかもしれません。相手の家庭をぐちゃぐちゃにして自分もぐちゃぐちゃになってしまえば楽だったろうに。でも由香子はそうはしなかった。自分の罪をすべて受け入れ、別れたのです。その後、由香子は会社を辞め、違う会社に就職して新しい人生を送っています。私は相変わらず同じ会社で働いています。


由香子が辞めて、一つだけ変わったことがあります。それは上司が不倫をしていたことを会社にばれ、奥さんに知られたことです。由香子は何も知りません。私が内緒で怪文書をばらまきました。由香子がかわいそうだからしたんじゃありません。私の腹の虫がおさまらなかったから。

これから由香子の人生はどんな恋が待っているのかはわかりませんが、彼女がこの恋で学んだことが無駄にならないような生き方をしてほしいと思います。

私も彼女負けないくらいの恋をしないと!もちろん独身の素敵な男の人を!次は私の素敵な恋バナを披露したいものです!

う460著

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

この記事を書いた人

コメント

コメント一覧 (2件)

  • 今回は、好きになってはいけない人を好きになってしまった女性のお話を書いていただきました。

    モデルをしていたことを鼻にかけることもなく、優しくてお調子者だった女性。男性ばかりのタクシー会社ではマスコット的存在でした。
    そんな女性は、好きな人ができたという理由で、当時付き合っていた彼と突然分かれてしまいます。
    彼女が好きになったのは、同じ職場の妻子のいる上司だったのです。
    自分が苦しむだけだからやめた方がいいという友人の言葉は彼女には届かず、交際は続きました。
    しかし相手の奥さんの妊娠をきっかけに、上司から一方的に別れを告げられる女性。
    かつて自分がしたことを同じように返された女性は、自分の罪を受け入れて別れたのです。

    絶対に良くない方向に向かうと誰が見ても分かる状況でも、恋は人を盲目にさせてしまうということがよく分かる内容です。
    いつかは壊れてしまうと分かっていても、一途に相手を思う女性の愛の力も文章から伝わってきます。
    儚い恋愛が上手く表現されている作品です。

    検収者 kitsuneko22

    ③kitsuneko22-10

コメントする

目次