恐ろしい!あざとい女がしでかしたことは?

人気者な先輩

それは私が大学生3生の時にあった出来事だ。

私が通っていたのは、共学の私立大学だ。

文学部、経済学部、法学部、理工学部などさまざまな学部がある。

私は文学部で写真研究部に所属していた。

写真研究部は写真を撮るために、近くの公園や庭園に出かけたり、のんびり活動していた。

新入生のサークル入会が終わって、メンバーと次はどこに撮りに行こうかと話していたそんな6月に事件は発生した。

1番仲良くなった後輩のまみちゃんが「先輩に相談したいことがあるんですけど」と言ってきた。

「どうしたの?」

私は少し首をかしげて、まみちゃんに聞いた。

「私、好きな人がいるんですけど、どうしたら振り向いてもらえますか?」

その言葉を聞いて(あ~あの人ね)と察しがついた。

まみちゃんと私は同じお店でバイトをしている。

私がバイトをしている居酒屋に新人スタッフとしてはまみちゃんが入った。

まみちゃんと偶然にも同じ大学で、サークルに何も入っていなかったので写真研究部に誘った。

「うーん、どうしたらいいかな。金城先輩でしょ?」

私の言葉にまみちゃんの目が見開き「どうしてわかったんですか?」と聞いてきた。

「だって、よく目で追ってるもん。分かるよー」

後輩の分かりやすい態度が微笑ましく感じた。

金城先輩は大学3年生で同じバイト先のバイトリーダーだ。

大学は別なので同じシフトにならない限り会わない。

私は1年間、一緒にバイトとしていてすごく頼りになる先輩なのは実感していた。

(まみちゃんの気持ち凄く分かるなー。私も好きだし…)

告白なんて考えてなかったから、まみちゃんの気持ちを聞いて心を揺らいだ。

意外な展開

「お疲れ様でーす。お先に失礼します」

バイトのシフトが17時から23時までの6時間だったので、終わったころには鉛のように重かった。

(忙しい日だったわー。同じテーブルでお客さんの入れ替わりで、3回転したテーブルもあったな…)

「お疲れ、今日よく頑張ったな。おかげでホールがよく回った」

金城先輩が声をかけてくれた。こうやって気遣ってくれるから女子は心を奪われやすい。

「ありがとうございます。あの時、先輩が助けてくれたおかげですよー」

(一応謙遜しておかないと、調子いい女と思われちゃうからね)

嫌われないように一応気をつける。

「今度、バイトメンバーで飲みに行くんだけど、お前も来る?」

「そうなんですねー参加します」

(誰が来るんだろう?同じ写真研究部の橋本くんはメンバーになってそうだな)

二人ではないが、金城先輩と話ができると思うと当日が待ち遠しくなった。

板挟み

バイト先の飲み会は男性4名女性3名の7名だった。

その中にはもちろんまみちゃんもいた。

私が座った席は、たまたま金城先輩の隣だった。

まみちゃんは金城先輩の隣に行きたくても恥ずかしくてなかなか隣に行けないような感じだった。

(初々しいな、席を変わってあげたいな)

まみちゃんとは正反対に金城先輩の様子が可笑しい。

まみちゃんに極力関わろうとしないし、関わったとしてもよそよそしい。

(何かあるな…どうしたんだろう)

気になりながらも、一度離席した。その私を見て、まみちゃんがついてきた。

「先輩、金城先輩なにか私のこと言っていましたか?」

「いいや、何も。何があったの?」

まみちゃんが突然泣き始めた。私は二人の間に何があったのか分からずおろおろする。

(ちょっと、他の人が来たらどうするのよ。説明ができないじゃない)

泣き止まないまみちゃんを連れて、二人で外に出ることにした。

「まみちゃん、どうしたの?」

「実は私、金城先輩とやったんですけど、ずーっと先輩が冷たくて、どうしたらいいのか分からないんです」

(ちょっと、まみちゃん!えっ!?)

まみちゃんが4月から同じお店で働くようになったけど、3ヵ月でそんな関係になったのかと驚いた。

(大人しい感じだと思ったら、意外にあっちは早いんだ)

冷静に分析しながらも、これから訪れる修羅場に準備をする。

「今日、先輩と金城先輩が仲良く話してるのを見て、私はもう駄目なんだと思って、すっごく辛いんです」

一向に泣き止まないまみちゃんの気持ちを聞くしか出来ない。

(金城先輩…同じバイト先の後輩に何やってんのよ)

私とまみちゃんが帰ってこないことに心配した他のメンバーが様子を見に来た。

その中に、金城先輩がいた。

(すっごい気まずそう…。謝るとかないのか?)

その日はとりあえず解散することにした。

解散という方向になって私はほっと胸を撫でおろした。

みんなが帰ろうとする中、金城先輩が私を呼び出した。

「弁解させてほしい」

(何の弁解よ?意味が分からない)

その後、金城先輩に今回のことを説明を受けた。

どうやら、まみちゃんは金城先輩のことが好きだと伝えたが、金城先輩は付き合えないと断った。

まみちゃんはどうしてもこの気持ちが抑えられないからと金城先輩と関係を持つことに了承をした。

(深夜の3時に、なんでチェーン店の居酒屋まで、まみちゃんの弁解に付き合わないといけないの?)

金城先輩のことが好きだったが、異性に対してだらしない一面を見てしまったので、印象ががらりと変わった。

仕事では尊敬できるが、人間としては尊敬できない。

女は強い

その後、まみちゃんは同じ写真研究部に所属する大学2年生の橋本くんと付き合うことになった。

橋本くんは今回のことを知ったうえで、まみちゃんと付き合った。

(橋本くん懐深いなー)

二人で大学生活を楽しんだ2年後、結婚した。

私はその結婚式に参加しながら、当時のことを思い出している。

(懐かしいなー、当時はほんと振り回されたけど、二人が幸せならいいか)

終わりよければ全てよし。

それはまみちゃんにぴったりの言葉なのかもしれない。

 

kureko著

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