偶然出会ったあの子は同級生! 二人の間に先輩が・・・

他部署の作業依頼者


社会に出て1年半が過ぎた冬の頃、作業場所が変わった。

私A男はいわゆる客先に常駐し、作業期間の間はそこで仕事をしていた。

期間が終了すると別の客先へ行き、そこで求められる作業をこなす。

期間が終われば別の場所へと異動し、ここが3場所目だった。

そして、そこで今までになかった体験をする事になるのだが・・。


思いがけない出会い


その職場では1歳年上の男性先輩B男とペアで作業をする事になった。

工場内のカスタマーサポート的作業だ。

パソコンの調子が悪い、プリンターから紙が出ない・・。

様々な用件が電話で依頼される。

そんな中の1件にこういった依頼が電話であった。

「パソコンの調子が悪いのですが・・・」

女性の声でいかにも困ったといった話。

詳しく話を聞くと、電源ランプは点灯するが画面が表示されない。

ディスプレイの故障ですねと返答し、代わりの機器を持って、

先輩とその部署へ向かった。

年の頃は20代前半、私と先輩に近い年代の子に見えた。

お互いに部署と名前を名乗った。女性はC子と言った。

C子へディスプレイの交換作業をすることを伝えた。

「どのくらいで直りますか?」

「線をつないで電源を入れて、画面が表示されれば終了なので、

そんなに時間はかからないですよ。」

「見ていてもいいですか?」

「どうぞ。対して面白くないですけどね。」

先輩と2人で黙々と作業をしている様子をじっと見ている女性。

作業は20分程度で終了しました。

「終わりました。確認してもらえますか?」

「えっと・・・はい、ちゃんと表示されて操作もできますね。」

「故障したディスプレイは持っていきますね。また何かありましたら

連絡ください。」

そう言ってB男と私はその場を後にした。


あることがきっかけで彼女の態度が・・


その時から1週間程度たった頃、偶然社食へ行く途中でC子に再会した。

「この前はありがとうございました。おかげで調子いいですよ。」

「それはよかった。私もこちらに配属されて間もなくて、

うまくいくか心配だったんですよ。」

「どうせですから、一緒にお昼食べましょう。大丈夫ですか?」

「はい、大丈夫です。」

私は元々異性とのコミュニケーションが苦手である。

ドキドキしながら席を見つけ、対面で座った。

「つい最近こちらに?」

「そうです。まだ各部署に行くのに迷っちゃう事があります。」

「この工場、広いですもんね。ところで、同年代かと思うのですが、

年齢聞いてもいいですか?」

C子から聞かれたため、21ですと返答すると、同い年だと言われた。

偶然ってあるんだな・・などと思っていると、女性がすかさずこう聞いてきた。

「出身は?」

「私はここが地元で・・」、「学校は?」、「D小、E中で・・・」

「え、私と同じ中学校じゃないですか。同い年だから同級生じゃないですか!」

え、そんな偶然な・・・と思いながら、終業後家に帰り、中学の卒業アルバムを

引っ張り出し、クラス順に見ていくと・・・あった。

クラスも離れているし、友人の接点もない。

そんな出会いをした事がなかった私にとって、なんていう出会い方だ・・と。

翌日、C子が部署に用事があってやってきた際に、呼ばれて廊下についていく。

「卒業アルバムみたら、あのクラスにいたんだね。全然知らなかった~。」

そりゃそうだろう、接点がないんだから・・と思っていると、

「これからよろしく、A男!!」

え、いきなり呼び捨てですか。昨日までの話し方はどこ行った?

仕事に戻り、B男に先日のディスプレイ対応した部署の女性が同級生でした・・

そんな話をしたら、「へえー。偶然てあるんだね~。僕は地元が北海道だから

うらやましいね。」等と言っていた。

その後もB男と一緒に何度かC子の部署へ行く機会があり、B男と作業中に

割って入ってくるなど、よく話をするようになった。

もう当初の丁寧なお言葉はなく、私にはざっくばらんな話し方。

なれなれしいなあ・・と思いつつ、心地よさも感じていた。


信頼と恋愛の狭間で


C子とはその後、仕事帰りに遊びに行ったり、飲みに行ったりしていた。

B男と3人で飲みに行ったりとかなり打ち解けていった。

彼女といるととても楽しいな、中学の時に知り合っていればな・・と

過去を振り返ることもしばしば。

そして、彼女と出会ってから半年ほどが経っただろうか。

B男と2人で飲みに行く事になり、席について飲み始めた。

苦しい顔をしながら、こう言われた。

「俺、C子が好きなんだよ・・・。」

思ってもなかった、B男からの言葉。

私もその頃にはいいなと思っていたので、そうなんですか・・・と。

私は恋の駆け引きや恋愛に疎く、今のB男にかける言葉なんか持っていない。

作業を共にし、信頼するB男と争うこともしたくない。

かといってこのまま諦めるのも・・。

気持ちが落ち着いていない状態で出た言葉は、思っていた気持ちとは逆であった。

「いいんじゃないですか。積極的に声かければ!」

2時間ほど飲んだだろうか。

家に帰り、自分の言葉が思い出された。

私が言った言葉の後悔と、私にはないB男の彼女に対する想い。

その夜はなぜか眠れなかった。

その頃から3人で飲む機会が減っていき、C子と付き合う事になったと

B男から嬉しそうに話をされた。


職場を離れる事になり・・


その職場には2年半ぐらいいただろうか。

会社を辞めることになり、その職場も去ることになった。

所属部署には盛大な送別会をしてもらい、上司とは涙ながらに挨拶をし、

B男とも挨拶してその場を去った。

思い出をその場に残して。

C子とは職場を去って以降、会っていない。


あの子はあそこでこうしてる・・


 

中学卒業20周年の同窓会が行われた。

懐かしい顔や初めての顔など。

C子は来ているだろうか・・・来ていないか。

たまたまC子の友人に話をしてみたが、連絡取れなかった・・と。

消息を知っているものはほぼおらず、結婚したことは知っている人がちらほら。

でも、私は知っている。

北の大地で先輩と仲良く生活していることを。

 

tanaka著

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