羊の皮を被っていた旦那、自由を取り戻せ!

井の中の蛙だった頃


私は田舎の高校を卒業し、就職のため上京してきました。初めて住むことになった都会は、見るもの全てが新鮮で、驚きと感激の連続でした。まだまだ世の中には知らないことだらけだと思いながら、都会での生活に慣れることに必死でした。
そんなある日、家の近くにあった美容室に行きました。
そこで働いていた美容師の男性(Kさん)がとても素敵な人で、藤木直人似のルックスと優しい話し方で印象が良く、世間知らずの私にいろいろな事を教えてくれました。居心地の良さに安心感を覚えたのか、毎度この美容室に行くようになり、Kさんとも仲良くなるにつれ好意から恋心に変わっていきました。そして、話の流れから、私はこの美容室で見習いとして働かせてもらうことになったのです。

 

交際開始


Kさんはとても物知りで、話も面白く勉強になる事が多くありました。それもそのはず、私よりも23歳も年上だったのです。年の差はありましたが、私の家系が代々年の差婚が多い家系でしたので、あまり気になりませんでした。当時私は20歳でしたので、Kさんは43歳ということになります。周りから見たら「えっ!」と思われる年の差ですが、私達はお互い気にすることもなく順調に交際に発展し、あれよあれよと言ううちに1年後には入籍していたのでした。

 

独立と転居


結婚を機に、Kさんは独立して自分の美容室を持つことにしました。出店場所はKさんの出身地であるH市。私の田舎は更に遠くなってしまいましたが、場所はどこでも良かったので新しい土地で一緒に頑張って行こうと思っていました。2人の子供にも恵まれ、美容室にも常連客が付き、順風満帆な生活を送る事ができていました。

 

崩れ始める環境


20年の歳月が流れ、子供達がそれぞれ自分達の道を歩み始めた頃から、Kさんの様子が少し変わってきます。今までも喧嘩をしたことはあったのですが、私が我慢をしてやり過ごしてきたので、大ごとになる事はありませんでした。ですが、日に日に私に辛く当たることが多くなってきたのです。この頃は、美容室の経営があまりうまくいっておらず、お客さんが1日で1人か2人という日が続き、家計が大分キツくなっていました。
家計を助けるため、美容室の一角を改装して、某大手クリーニングチェーン店の取次窓口を開き、そこでの売上でしのぐ状態になっていました。それでもまだ家計が苦しい状態でしたので、私は美容室の営業が終わった後、飲食店でアルバイトをすることにしたのです。

 

衝撃の事実


飲食店で働き始めた私は、今までKさんと二人きりで働いてきたせいか、多くの同僚と働く事の楽しさや、接客の楽しさ、そして調理の楽しさに目覚めていきます。それと、同僚の中に私より2歳年上の、とてもひょうきんで明るい男性(Mさん)がいました。見た目は、日に焼けた上島竜平といったところ。下ネタを言っても彼なら許される様な感じで、今までそんな人が近くにいた事がなかったので、とても興味を惹かれました。
しばらくは、美容室とクリーニングの取次と飲食店の掛け持ちで家計のやりくりをしていくことにしたのですが、ある日、クリーニングを出しに来たお客さんから、こんなことを言われます。

 

客:「あなた、大丈夫なの?」
私:「は?何のことでしょうか??」
客:「あなたの旦那さん、いつもあなたの事を酷く言っているから・・・」
私:「そうなんですか・・・」

 

どうやら、このお客さんは美容室に来ていた方の様ですが、行く度に私の悪口を聞かされていたようで、それが嫌で行かなくなったと。どうやら美容室の客が減ったのは、これも一つの原因だったようです。それから何人かの人に同じような事を言われました。いままでKさんの事を信じてきましたが、まさかそんな人だと思わなかったので銃で撃たれたような衝撃を受けました。

 

「陰で人の悪口や、不平不満を言う人・・・」

 

私の中で、何かが音を立てて崩れていくような感覚がおこり、怒りと哀しみが心の中でぶつかり、砕け散ってきました・・。それからKさんを見る目が変わっていきました。思い返せば、今まで私はずっとKさんの腕の中で過ごしてきたので、飲み会にも行かせてもらえなかったし、お金の管理も全部Kさんがやっていたので、貯金がいくらあるのかさえ知らない。これって、普通だと思っていたけど本当は違うのでは・・・。そんな疑念が頭を過りました。

 

そして決断の時


Kさんに不信感を持った私は、飲食店の仲良くなった同僚に今までのことを話してみました。返って来た答えは、みんな一様に「信じられない!」でした。特にMさんは、落ち込んだ私を一生懸命笑わせようと、面白い話をしたり、下らないおやじギャグや明るい下ネタで励ましてくれました。私は次第にMさんと一緒にいたいと思うようになっていました。
しかし、Mさんは結婚してないのですが、一緒に住んでいる彼女がいます。
ただ、Mさんはその彼女と別れたがっています。
これは、ある意味チャンスでは?と思い、今までの人生でいちばん大きな決断をすることにしました。
とりあえず、今月いっぱいで今の家を出ます。
そしてこれからは、籠から出た鳥のように自由に生きて、今まで出来なかった事をしていこうと思います。それは、あの人と共に・・・。

m9866著

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