冬の思い出

高校一年生の冬。それは私にとって忘れられない冬だった。

人生初めての彼氏が出来たのだ。

相手は小学校・中学校と一緒だった同級生。

話は中学時代に遡る。

中学3年生の夏。

席が近くなることが多く、自然と一緒に話すことが多くなっていた。

「あのテレビ見た?面白かったよね!特に○○がさ…」

などと他愛のない会話をずっとしていた記憶がある。

互いに意識はしていたものの、その気持ちを伝えることなく、中学校を卒業した。

高校へ入学し、その彼とは離れ離れになった。

高校一年生になり、入学祝いで親から念願の携帯電話を買ってもらった。

友達に片っ端から連絡先を聞き、アドレス帳を登録していく。

そうして月日が過ぎ、秋が深まり冬の気配がしてきたころ、友人から一通のメールが届いた。

「○○君が、○(私)のアドレス知りたいんだって!教えてもいい?」

○○君とは、中学の時に他愛のない会話をしていた、まさに彼のことであった。

「え!?マジ!?嘘でしょ!?」

心臓がこれまでになく脈打っているのを感じた。そして、ひと呼吸おいて、

「いいよ!」と驚きを隠しつつ、平静を装って返信をした。

すると、しばらくして、彼からメールがきた。

「連絡したかったけど、連絡先分からなかったから、教えてもらった!よろしくね。」

それからは、毎日、中学の時と同じ他愛のない会話を、メールで送りあうようになった。

そして1か月ほど経った頃、彼から、

「付き合ってほしい。」とメールで告白された。直接言うんじゃなくて、メールで告白するんかい!と自分でツッコミを入れた。それも時代なのだろう。

私は彼からの告白を受け入れることにした。

それからは、直接会って待ち合わせをして映画を観に行ったり、学校から家まで一緒に帰ったり、カップルらしいことをしてみた。クリスマスも一緒に過ごした。それなりに楽しかった。

ただ、次第に、連絡するのも、会うのも、段々と面倒くさく、億劫になってしまった。

そして、だんだんと私から連絡する頻度も減っていった。

それは雪が積もり凍えるような寒い日だった。

私は彼に一通のメールをした。

「○○(彼)のこと、あんまり好きじゃなかったみたいなので別れてほしい。自分勝手でごめんなさい。」

すると、彼から、

「それはなんとなく分かっていたよ。でも今まで楽しかったよ。こちらこそ今までありがとう。」と返事が来た。それ以降はメールは来ず、私からも返事をしていない。

なんて自分勝手なのだろう。

若さもあったのかもしれないが、私は、ただ彼氏が欲しかっただけだったのである。それを、タイミングよく告白してくれた彼に対し、ひどいことをしてしまった。

それ以来、彼とは会っておらず、連絡先も変更したため、連絡も取っていない。

素敵な人と出会い、幸せな日々を過ごしていることを願うばかりだ。

 

m638著

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コメント

コメント一覧 (2件)

  • 今回の作品は、学生時代に出会った彼との冬の思い出の物語です。

    中学3年生の夏、席が近くなることが多く、よく他愛もない話で盛り上がっていた彼。
    彼は小学校から同じ同級生で、彼女は少し彼を意識していたものの、その気持ちを伝えることなく中学卒業を迎えてしまいます。
    高校生となり、念願の携帯電話を手に入れた彼女のもとに、彼が連絡を取りたがっているという友人のメッセージが届きます。
    連絡先を交換し、再び他愛もない会話を送り合う関係となった2人。そして1か月後、彼のほうからメールで告白されたのです。
    告白を受け入れた彼女は、最初はカップルらしく2人で楽しい時間を過ごしていました。
    しかし、次第に会うのも面倒くさく億劫になってしまい、一方的に別れを告げてしまうのです。
    察していた彼はその別れを受け入れてくれ、その後連絡はしていません。
    彼女は彼にひどいことをしてしまったことを反省するとともに、彼の幸せを願うのでした。

    学生時代の男女の恋愛の若さと未熟さが表現された内容です。
    初めての恋愛で抱いた感情に戸惑いながら楽しむ気持ちや、一時の感情で自己中心的な別れになってしまったことへの後悔と反省の気持ちが繊細に表現されていて、読者に共感を与えます。
    心の成長と恋愛に挟まれ揺れ動く思春期の葛藤が上手く表現された素晴らしい作品です。

    検収者 kitsuneko22

    ㉘kitsuneko22-10

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