桜散る公園で

中学時代の恋

中学校に入学したばかりの春の日、私は同じ部活に入った浩子に一目惚れした。浩子は真面目で努力家で、私の憧れの存在だった。私は浩子と仲良くなりたいと思いながらも、恥ずかしがり屋でなかなかアプローチできなかった。私は浩子のことをひそかに見つめたり、話しかける口実を探したりしていた。浩子は私のことを気づいていたのだろうか。私はそんなことを考えていた。私は本が好きで、よく図書館に行っていた。浩子も本が好きだった。私は浩子と同じ本を読んだり、感想を聞いたりしたかった。

ある日、浩子が部活の練習中に足をひねってしまった。私はすぐに駆け寄って、浩子を保健室に連れて行った。浩子は私に感謝して、笑顔で話しかけてくれた。私は浩子の笑顔にドキドキしながら、看病をした。それがきっかけで、二人は親しくなった。それから、二人はよく一緒に帰ったり、勉強したりした。私はずっと浩子に恋していたが、告白する勇気がなかった。周りからはずっと一緒にいるから二人が付き合っているように見えたかもしれないが、実際はそうではなかった。

部活の帰りに、私は浩子に誘われて公園に立ち寄った。公園では、桜の花びらが舞う中、二人は手をつないだ。公園のベンチでは、夕日が差し込む中、二人は本を読んだ。公園は、二人にとって特別な場所だった。私は浩子と一緒にいる時間が幸せだった。

高校受験と最後の日

部活を夏に引退してから受験に向けて勉強を始めることにしました。浩子は有名な進学校を目指していました。私も浩子と同じ高校に行きたいと思っていましたが、自分の成績に自信がなかった。私は浩子について行けるように努力しましたが、なかなか追いつけませんでした。受験日が近づくにつれて、私は不安になっていきました。もしも浩子と別々の高校になってしまったらどうしようと思いました。

受験日がやってきました。私は必死に問題に取り組みましたが、難しくて苦戦しました。試験が終わって、私は浩子に会おうとしましたが、見つけられませんでした。私は心配になって、浩子に電話をしましたが、出ませんでした。私は浩子が自分を避けているのではないかと思ってしまいました。

高校に入ってからも、私は浩子に想いを伝えられませんでした。浩子は勉強に打ち込み、海外での留学を目指していました。私は浩子を応援しながらも、心の中では寂しさと不安を抱えていました。高校では、二人は別々のクラスになってしまいました。それでも、放課後や休み時間に会うことはありました。私はその時を楽しみにしていました。高校生活の中で、二人は色々なことを経験した。文化祭や体育祭や修学旅行などです。それらの思い出は、私の宝物になった。

浩子との最後の日、二人は思い出の場所に行きました。それは、中学時代によく遊んだ公園でした。二人はベンチに座り、約束を交わしました。それは、一年後に同じ場所で再会するというものでした。私は浩子に何か言おうとしましたが、言葉が出ませんでした。浩子は私の顔を見て、微笑みました。そして、突然私の頬にキスをしました。私は驚きましたが、嬉しくて涙が出ました。私は浩子の手を握り、今度は唇にキスをしました。それが、浩子との最初で最後のキスでした。

浩子からの手紙

約束の日、浩子は現れませんでした。その日から数日後、私に浩子からの手紙が届きました。手紙には、浩子が海外で病気になって入院していること、そして私に謝罪の言葉と別れの言葉が書かれていました。私は手紙を読んで、ショックを受けました。浩子は自分のことを隠していたのでしょうか。私は涙を流しながら、手紙を抱きしめました。

留学中も手紙のやり取りはしていたのですが、留学先での出来事や近況を教えてくれましたが、病気のことは書かれてはいませんでした。私も手紙で自分のことや日本のことを書き送りました。

数年後に浩子の病気が完治して帰ってきたと手紙が届きました。手紙には、浩子が療養中にお世話になった人と結婚することになったことが書かれていました。その人は浩子が病気になった時に出会った医師だった。浩子は彼に命を救われ、感謝が次第に愛情に代わり結婚したとのことでした。私は浩子が幸せになれるならと思いつつも、心から祝福できなかった。私は浩子への想いを断ち切ろうとしたが、どうしても忘れることができなかった。

胸が締め付けられる笑顔を探して

それから数年後、私は大学卒業後に就職した会社で働いていた。仕事は順調だったが、恋愛には興味が持てなかった。私は浩子と同じ本を読んだり、公園に行ったりしていた。

ある日、公園で本を読んでいると、浩子とそっくりな女性が目に入った。その女性は男性と手をつないで歩いていた。私はショックを受けた。立ち上がり声をかけようとしたが、足元の小石を踏み、すべって転んでしまった。

立ち上がって顔を上げると、そこに浩子本人が立っていた。彼女は私の顔を見て、驚いたように目を見開いた。
浩子は私の手を取って、ベンチに座らせ心配そうに見つめてきたが、私が大丈夫そうだとわかると浩子はほっとしたように笑った。その笑顔に私は胸が締め付けられた。

私は浩子が送ってきた手紙のことを思い出した。彼女は結婚したはずだった。なぜ一人でここにいるのだろうか。
私は何か尋ねようとしたが、言葉にできずにいると、浩子は微笑んで手を振って去っていった。

私は彼女を引き止めようとしたが、間に合わなかった。浩子は走って公園を出て行った。私は茫然としていた。それから、浩子の姿を探したが、もう見当たらなかった。

ただ、桜の花が舞っていた。

s531著

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コメント

コメント一覧 (2件)

  • 今回は、中学時代に恋した2人の物語を書いていただきました。

    中学に入学したばかりの頃、彼は同じ部活に入った彼女に一目惚れをします。
    アプローチする勇気が出ずにいる中、彼女が部活中に怪我をしてしまい保健室に連れていくことに。話す口実ができた2人はその日から仲よくなっていきます。
    部活も引退し勉強に専念する頃になると、彼は彼女と同じ高校に入るために必死で勉強をしました。
    無事同じ高校に入ることができた2人でしたが、彼女はやんわりと彼を避けているようでした。
    彼は自分の素直な気持ちを打ち明けることができず、彼女が海外留学に向けて努力する姿にも寂しさと不安を覚えました。
    彼女との最後の日は中学時代の思い出の場所で、一年後にここで会おうと約束。その時の彼女のキスが、最初で最後のキスでした。
    約束の日、彼女は来ませんでした。後日彼女からは謝罪と別れの手紙が届き、彼は涙しました。
    数年後、彼女から海外で病気になった時に助けてくれた医師と結婚することになったと手紙が届きましたが、彼は心から祝福できずにいました。
    彼女を忘れられず公園で本を読んでいたある日、彼女と偶然出会います。
    何かを訪ねようとしましたが、彼女は彼女は手を振り去っていきました。

    一人の女性を一途に思う男性の気持ちがとても上手く表現されています。
    思い出の場所で語られる2人のストーリーが、目に浮かぶように鮮明に描かれています。
    とても表現力豊かで素晴らしい作品です。

    検収者 kitsuneko22

    ⑫kitsuneko22-10

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