ただ、敵わないだけ

 

誰でも好きな人には振り向いて欲しいと願うもの。
私の初恋は中学生の時。
例に漏れず、好きな人に振り向いて欲しくて、でもどうしたら良いか分からずモヤモヤと毎日を過ごしていました。
今日は、そんなモヤモヤ中に親友に好きな人を取られてしまった、悔しくも悲しい恋の思い出話です。

 

 

モテた中学生時代

私、モテました。
ハッキリ言ってめちゃくちゃにモテる中学時代でした。
人生振り返ると、あの3年間に今後の人生全ての「モテ運」を使い果たしました。
週に1回は屋上へ続く階段の踊り場や、夕方の公園に呼び出され
「好きです。付き合ってください。」と告白をされていたのです。

それでも私の答えは「NO」
いつだって誰だって「NO」

だって一途に想っている彼がいたんですから。

 

 

出席番号が同じ彼

私が一途に想っていたのは同じクラスの彼。
出席番号が同じだったので入学式の日から席が隣。
切れ長の目に、少し不良っぽい態度、なのに私にだけすぐちょっかいを出す彼。
毎日机を並べて勉強をし、ふざけあい、笑い合い、時に怒ったり。惹かれていくのに時間はかかりませんでした。

ただ、好きという気持ちをオープンにするのは恥ずかしい性格だったので
友達のポジションを保ちつつ、毎日彼が同じ教室にいる幸せを感じ、彼が少し先生に反抗する姿さえも素敵と思って見つめていました。

 

 

嫌な予感

親友は可愛かったです。
同じ部活で平日も休日も隣にいたので、可愛い子だとよーく知っています。
私のモテ具合なんて彼女の人気には比べ物にならない事もよーく知っています。

私が焦りを感じたのは、2年生になる時のクラス替え。
彼と親友が同じクラス、そして私は遠いクラスへとなった時です。

親友にはもちろん私が彼が好きだと話をしていました。
その時の返しが「え~!?どこが良いのぉ~??」だったのにも関わらず
私の身体の細胞一つ一つが「嫌な予感がする!!!」と叫んでいたのです。
「あんなに可愛い親友が、彼と同じクラスになるなんて!大丈夫なのか!?」と。

私のクラスは階段を挟んだ遠い教室のだったので
彼と親友がどのような日々を過ごしているのか分かりません。
ただただ嫌な予感を感じ、休み時間にソワソワと長い廊下を渡り、2人のいる教室へ覗きに行っていました。

 

 

聞きたくない言葉

「ごめん、私、彼の事、好きになっちゃった・・・・・。」
「付き合う事になったんだ。ごめんね。」

親友からその言葉を聞くまで、そう時間はかかりませんでした。

片想いを経験した事がある人なら、この展開の苦しみを理解してくれるはずです。
ついに聞いてしまったのです、一番聞きたくない言葉を。
「ごめん」という言葉が人を傷つけるんだと、謝られる辛さを知ったのもこの日です。

夏休みを満喫すべく、夏休み前に2人は両想いになり付き合い始め、あの日から叫び続けていた私の細胞は「ほら言ったでしょ?」と言い残し静かになりました。

 

 

横取り?奪略?そうではない。

大人になり初恋という思い出を、当時からの周りの友達に笑い話として聞かせると
なんと・・・見事にみんな口を揃えて言うのです。
「私も、その子に好きな人を取られた事あるよ!」

高校生の時
大学生の時
社会人になってから
そして今、まさに彼女が結婚した人は
他の子が何十年も想い続けて、彼女に恋愛相談をしていた人だったそうです。

私は幸いにも中学生の恋だったので、そこまでダメージは少なくて良かったと胸を撫でおろしたのはいうまでもありません。

彼女は、いつも友達の好きな人を好きになって横取りしてしまう女なのか?
話の議題が変わって言った際に、全員が何となく、そうではない…という空気になり。
認めたくないけど…という雰囲気で、やはり口を揃えて言いました。
「好きな人を取られたけど、彼氏を取られた事はないんだけどね。」

 

私たちは勝手に片想いしていた人を取られただけなのです。
言うなれば【好きな人が自分を好きにならずに彼女を好きになる。彼女に適わない】
そういう事だったのです。

周りの男子がみんな彼女を好きになってしまうほど魅力がある。
妬いても唸っても敵わない、それだけの魅力が。

だからこそ、悲しいし、悔しいけど、諦めなきゃいけない。

私たちは集まって思い出話をし「彼女が選ばれただけ」と
失恋とはまた違った、悔し悲しい、でもなぜか笑える、そんな現実に何十年もかけて気付いたのでした。

私の初恋を打ち砕いた2人の付き合いは、幸か不幸か長続きせず
結局、3か月も付き合わずに別れました。
だからと言って、私に振り向いてくれるわけでもなかったので
想いを残したまま中学を卒業し、その後は一切会っていません。

思い出は美化されるもので、たまに夢に出てくる彼は今大人気のイケメンアイドルと同じビジュアルに変換されています。
たまに、彼の双子の妹さんを電車の中で見かけるので、今の彼がどうなっているのか・・・と妹さんを通して想像する日々です。

最近彼を見かけたという友達にその話をすると
「イケメンに変換されているのなら、会わない事をオススメするよ」とアドバイスをもらっています。

パ483著

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この記事を書いた人

コメント

コメント一覧 (2件)

  • 今回は、中学生の初恋と親友についてのお話を書いていただきました。

    かなりモテる中学時代を送っていた彼女には片思いの相手がいて、誰に告白されてもNOと返事をしていました。
    彼女は、同じクラスのその彼に好きと気持ちを伝えるのは恥ずかしくて、友達として接していました。
    しかしクラス替えで離れ離れになってしまい、親友に好きな彼を取られてしまったのです。
    大人になり、当時からの友達とその話をすると、その友達もみんな同じ経験をしていました。
    しかしそれは彼氏を取られたというわけではありません。みんな、自分の片思いの相手を取られたのです。
    それほどまでにその親友は魅力的だったのでしょう。
    失恋とは違う悔しく悲しい、それでもなぜか笑える感情でした。

    彼女にとって悔しい思い出ですが、自身の過去を客観的に見れるようになった彼女からは大人の余裕を感じさせます。
    初恋の苦い思い出と、それにより成長したひとりの女性の物語を上手く表現していただきました。
    文章構成も読みやすく、大変素晴らしい作品です。

    検収者 kitsuneko22

    ⑪kitsuneko22-10

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