夏のイベントって気持ちが盛り上がりますよね。
なんとなく普段と違う恋ができそうな気がする...。
これは私の友達が夏フェスで出会った素敵な恋のお話です。
初めての夏フェス

高校の夏休み、私は初めて夏フェスに行くことになりました。
7月20日、気温38度。
照りつけるような日差しの中、タンクトップにショートパンツ姿の私は
完全に浮かれていました。
朝早くから地元の駅で友達と待ち合わせをして電車に乗ると
「〇〇楽しみだねー!何歌うかな?」
電車の中で私は大好きなバンドの話ばかりしていました。
無事会場に到着し、やっと夏フェスに来れた嬉しさと
天気の良さにテンションが上がりました。
友達とブロック席の前方まで全速力で走り最前列の一番端っこをゲットしました。
AM10:00
ついにフェスが始まりました。
たくさんのアーティストの歌を聴きながら
私はノリノリで手を振って楽しんでいました。
が大好きなバンドまであと2組となった時、
突然気分が悪くなってきました。
「なんかフラフラする。」
「A子大丈夫!?」
友達から話しかけられても返事を返す気力もありませんでした。
「救護室いこ!」
友達が手をひいてくれたのですが
私たちがいた最前席から出口まではかなり距離があり思ったように動けませんでした。
私はたまらずその場に座り込んでしまいました。
救世主

「大丈夫ですか?」
突然、横から男の人の声がしました。
ブロックの端で警備をしていたスタッフのお兄さんが私に気づいてくれたのです。
「この子、気分が悪いみたいで。人が多すぎて出口まで行けなくて」
「じゃあ、こっちから出ましょう。」
お兄さんが重たいフェンスをずらしてくれました。
「お友達の方はここから出ると戻れなくなってしまうので
このまま中にいてください。僕が救護室まで連れて行きます。」
お兄さんはフラフラな私の手をひきながらブロックの外に出してくれました。
助けてくれたお兄さんが頼もしくて救世主に見えました。
「かっこいいなぁ」
無事、救護室にたどり着き私は畳の上で横になりました。
「ご迷惑かけてすみません。初めてで慣れてなくって。」
私は謝りました。
「大丈夫?無理に話さなくていいよ。水飲んだらしばらくここでゆっくり休んでて。」
水をもらい頭を冷やしてくれました。
すると
〜♪
大好きなバンドのメロディが聞こえてきました。
「あーこの曲!ずっと聞きたかったやつだ」
私が一番好きな曲でした。
「この曲好きなの?俺もめっちゃ好き」
ふいに見せた笑顔にキュンとしてしまいました。
私が恥ずかしくなって目を瞑ると、
「ゆっくり休みなね。無理しちゃダメだよ。」
そう言ってお兄さんは仕事に戻って行きました。
いつの間にか眠ってしまい、気づくと1時間くらい経っていました。
目が覚めると体調は良くなりましたが、
「あのお兄さんなんて名前なんだろう。何歳かな」
あの笑顔がずっと頭から離れませんでした。
一目惚れ

自分の足でブロックまで戻り友達に謝りました。
「心配したよ!大丈夫だった?」
「迷惑かけてごめんね。もう大丈夫!さっきのお兄さんが...」
元気になった私はどうしても聞いてほしくて救護室での話を友達に話しました。「一目惚れでもした?」
そう言われて急に恥ずかしくなりましたが
お兄さんの名前も連絡先も分かりません。
この広い会場のどこにいるかも分からないけど
どうしても、もう一回会いたくなりました。
「やっぱり会えないかな。名前くらい聞いとけばよかった。」
音楽を聴きながら周りを見渡したけど
さっきいた場所にそのお兄さんはいませんでした。
運命

急に後ろから「ぽんぽん」と肩を叩かれました。
びっくりして振り返るとさっきのお兄さんがいました。
「さっきの子だよね?たまたま見かけたから気になって。もう体調良くなった?」
私は嬉しくて泣きそうになりながら頷きました。
あの、お兄さんの名前聞いてもいいですか?」
「〇〇だよ。君は?」
お礼をしたいので連絡先教えてくれませんか?」
「いいよ。俺もあのあと気になってた。こんな広いとこでまた会えるのって俺たちすごいね。」
「運命かも(笑)」
さっきと同じ笑顔を見て改めて一目惚れしている自分に気がつきました。
「よかったね。」
友達がニヤニヤしながらひやかしてきましたが
嬉しすぎて帰りのことはほとんど覚えていませんでした。
後日、2人はデートをして無事付き合い出したそうです。
進学をきっかけに3年くらいで別れてしまったそうですが
今になっても夏フェスの時期になると思い出すくらい良い思い出になっているそうです。
夏のイベントは何が起こるか分からないから楽しいですね。
o447著

コメント
コメント一覧 (2件)
pr
今回の作品は、夏フェスで出会った救世主との恋のお話です。
初めての夏フェスに浮かれていた女性。
最前列の席を取り大好きなバンドの曲を聴きながら楽しんでいた女性でしたが、急に気分が悪くなり動くこともままならなくなってしまいます。
そこで事態に気付いてくれたのが、警護スタッフの男性でした。
手を引かれて救護室に連れられた女性は男性に一目惚れ!ふいに見せた笑顔が忘れられなくなりました。
そのまま眠り体調の良くなった女性は友人の元へ戻りますが、男性の名前も連絡先も聞けなかったことを後悔します。
しかし夏フェスの終わりの退場際、男性と運命的にまた出会うことに!
今度こそ男性の名前と連絡先を聞くことができ、後日二人は付き合うことになりました。
夏フェスという盛り上がる場ならではの恋のお話を上手く表現していただきました。
良い添付画像を選ばれていて、女性の気持ちや夏のスカッとした明るい情景が伝わってきます。
文章構成も読みやすく、感情移入のしやすい素晴らしい作品になっています。
検収者 kitsuneko22
⑥kitsuneko22