重い想いと思い!遠回りの末貴方のもとへ . . .

留学のために働いているアルバイト先の喫茶店に、今日から新たに社員がやってくる。
それが私メグと、カズとの出会いだった。

勤務歴が長い私は、カズに教える事も多く一緒にいる時間が多かった。仕事以外の話、コーヒーの話、彼女、彼氏の話。
年齢も1個の差という事もあり、何かとフィーリングが合う事も多かった。いわゆる気の合う「男友達」。
カズに対し、男女としての意識や恋愛感情は、驚くほどに湧かなかった。
仕事後に、空腹を満たすために牛丼屋に一緒に行ったり、お酒を飲みかわすこともあったが、それ以上の感情と関係には決してならなかった。

目次

彼女の存在

ある日、カズの彼女が喫茶店に訪ねてきた。
可愛いらしい小動物系の女子。

カフェラテを2杯飲み終わりそうになっても、彼女は一人で店内で読書をしていた。
きっとカズの帰りを待っているのだろう。

閉店間近になると、カズはソワソワしていた。
「早く帰っていいよ。今日は私が締めておくから」私の言葉を待っていたかのように、カズは振り向き「ゴメン!サンキュ」と言い、そそくさと帰る支度を始めた。
彼女に声をかけ一緒に店を出ていく。
彼女は私をちらりと見て、ペコッとお辞儀をしていった。

カズと働く様になって、半年が過ぎた。今日は忙しい1日。休憩室に入ると、中でカズが電話をしていた。
どうやらもめている様だ。「もういいや、切るよ」と言い放ち、電話をポイッと置く。
珍しくカズの機嫌がよくなさそうだ。

気まずいタイミングで入ってきてしまった。
カズは何も言わず休憩室を出て行った。

彼女と喧嘩でもしたのだろうか

突然の告白

翌日のカズはいつも通りだった。
同じタイミングで休憩室に入った。

今日、飲み行かない?
カズからの誘いに乗った。

世間話のどさくさに紛れて昨日の電話の事を聞いてみる。
「あー、あれねー。別れ話―」
「えーなんで?あんな可愛らしい子。他に好きな人でも出来たの?」
「うん。メグ。」
「えっ!?」
「俺スゴク好きみたい」
突然の事に、すぐには頭が追い付かない。

「いや、そもそも私彼氏いるし・・」
戸惑いながら答える。
「うん、知ってる。好きになるのは勝手でしょ?」
少年の様な笑顔で笑う。

カズから猛アタックの日々が続くのは言うまでもない。

留学

私が彼氏と別れてから1カ月後、カズと付き合う事になった。
正直、熱心さに負けた。カズは私にひたすら尽くす。そんなことまでいいよと思う事までも気にかけてくれる。

情熱と穏かさが入り混じる日々が進む中、私の海外留学の準備も着々と準備が進む。

自宅に帰ると1通の厳格そうな封筒がポストに放り込まれていた。
封を開け中身を確認し、カズにメールを送る。

「ビザが通ったよ!」携帯が受信した文字を見て、手にグッと力が入るカズ。

「本当に行っちゃうんだ・・・」

それからのそれぞれの人生

家族そして高校時代からの友人、そしてカズに見送られてアメリカへ飛び立ってから半年後、カズに別れを告げる。

他に好きな人が出来たわけでもない。
ただ単に自分勝手に選択した人生にカズを振り回したくない。
そして想ってくれる気持ちが重たかった。
常に心配をしてくれる、常に気にかけてくれる。
ありがたい事なはずなのに、重たい。

留学生活を満喫し、日本に帰国してから3か月。
帰国したことを聞いたカズから再アタックを受けるが、私は新たな仕事と彼氏とで楽しい日々を送っていた。

5年の月日が流れ、久しぶりに喫茶店に足を運び、客としてコーヒーを飲んだ。
変わらない店内に懐かしさを覚える。
あの小さな休憩室もいまだに色々な物語があるんだろうな。
そんなことを思っていると店長が話しかけてきた
「そういえば、カズ君、結婚したらしいよ」

いい人が見つかったんだね。よかった。

十人十色

8年付き合った彼と別れたばかりだった。
彼の海外転勤をきっかけに別れたものの、38歳に一人身?突然の不安に押し寄せられる。

友人の紹介、外部業者との取引関係者など、男性との出会い・接点を意図的に作る。

「初めまして」の挨拶、きれいごとだけを並べた自己PR、趣味・普段の生活のことを、頑丈な鎧を身に纏い、開示するわざわざ「出会う」事をしないと恋愛は進まないのだろうか。

役者志望の小さい会社の役員
田舎暮らしの大手企業のサラリーマン
アメ車が大好きな鉄鋼作業員
少しオタク気質の公務員

お洒落に着飾り、高級そうなレストランにヒールを履いて行く。
互いが探り合い、駆け引きが飛び交う。

自然に居酒屋行ったり、くだらない事で笑いあったり、そういうのが良いんだけど・・・
重い鎧と、武器を身構える日々に肩が凝ってきた。

既婚の元カレ

「出張で久しぶりに東京に行くんだけど、飯でも行かない?」
突然届いたカズからのメール。

鎧も武器も持たずに、居酒屋飯でも行くか。珍しく乗り気になった。

お互いの近況を話し、結婚生活とはどんなものか、男性の結婚に対する意見を聞いたみた。

「ていうかね・・・一昨年離婚したんだ。」

「やっぱね、一度好きになったら、ずっと好きなんだって~。」
と笑いながら言う。
”好きになるのは勝手でしょ?”と同じ顔で笑う。

きっとこんなにも想ってくれる人は過去にも先にもいない。

重いと思っていた想いが、今は大事に受け取れる。

そう思った瞬間に私の心が突然動き出した。

しuysd著

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この記事を書いた人

コメント

コメント一覧 (2件)

  • しぃ1000さん

    2記事目の投稿をして頂きまして有難う御座います。

    それでは検収をさせて頂きます。

    今回の作品は若き男女が出会ったアルバイト先の喫茶店で、先輩の彼女と新人として社員となった彼と繰り広げる人生ドラマです。

    出会った時には既に二人とも互いに恋人は居ました。

    そんな二人が職場で築いていく友情と信頼のやり取りが読者には面白く映ります。

    でも彼女は何れ海外で働きながらキャリアを磨く夢があり、実際に彼女は1人で渡航する事に成ります。

    そして二人とも別々の人生の中で幾度の同棲と結婚の末互いに一人になってしまいます。

    二人はそれぞれの人生を何年も歩み続けて、気がつけば気兼ねなく話せるなかで有った事を忘れることは無かったのです。

    彼女が何気なくかつてのバイト先に姿を見せたことで、それを知った彼が再び彼女のもとへとやって来ます。

    若い男女が人生を積んで行く中で、悩み葛藤して再び元の恋人に戻っていく姿は読者に深い共感を抱かせるものが有ります。

    お互いに忘れる事の無かった想いは、再び動き始めて気持ちを新たにして行く事でしょう。

    面白い内容の作品です。

    若い男女が年を重ねて行く事で相手の良いところを確認しあうところも良く表現されています。

    有難う御座います。

    これにて検収を完了とさせて頂きます。

    次回の投稿記事も楽しみにお待ち致します。

    井上保夫

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