
大学2年生。
二年間付き合った彼と別れた。
原因は彼の浮気。
一人暮らしの彼の家に遊びに行った時、
見慣れない長い髪。
私はショート。なぜ?
女の勘が働いた。彼に内緒でケータイを見ると
女の名前でイチャコラするLINEのやりとり。
「何これ、、嘘でしょ。。」
彼に問いただすとすぐに白状した。
彼が猛省するなら許してもいいかと思った私。
だって大好きだったから。。
「悪かったと思ってる。でも、彼女の事が好きなんだ。だから別れて欲しい」
彼はそう言って呆気なく去っていった。
私の何がいけなかった?
勝気な性格のせいだろうか、
ショックで何も考えられない。
休暇

すっかり落ち込んだ私は、少しでも気を紛らわすために地方にある実家へ少し帰省することにした。 失恋が原因で帰省した何て言えない。
実家の匂い、母親の作った美味しい料理の匂い、子供の時からずっと慣れ親しんだ、
この落ち着く空間。一人暮らしの無機質な自分の家とは違う温もり。
心が少し落ち着いた。
思い出
父が隣で晩酌しながらテレビをみてげらげら笑っている。
普段はいい父だが、飲むと母の手をいつも焼かせている。
母さんこんな人のどこがいいんだか
泥酔する父をみて私は母にそういった。
父の情け無い姿を元彼に重ねるかのようだった。
そもそも二人はどうやって出会ったの?
母に尋ねた。
若き日

義之と恵里子が初めて会ったのは
義之が大学2年生の春。
学生で賑わう定食屋。
「あそこの定食屋可愛い子が働いてるぜ」と友達がいう。
単純な性格。気になったら行ってみよう。
普段は行かない定食屋に足を運んでみる。
「いらっしゃいませ」
華奢で目のぱっちりとした女の子。
どうやらそこの定食屋の娘。
「いらっしゃいませ」
慌しく動き回っていたけれど、優しい笑顔で、
自分に挨拶してくれた。
可愛かったな、、あの子。
お金もないのにその日から脚繁く通った。
一番安い唐揚げ定食
ただの接客だけれど、目が合うだけで
ドキドキしてしまう。
きっかけ
「あれ、いつも5個なのに今日は7個だ」
頻繁に通うようになってから、毎日では無いが唐揚げの個数が少し増えたのだ。
(なんでだろう?)
誘い
通えば通うほど募る気持ち。
我慢出来ず、会計時に思い切って話しかけた。
「いつも頑張ってますよね!ここの唐揚げほんと美味しいです!」
くすりと笑う彼女。
「ありがとうございます。 唐揚げお好きなんですね いつも頼んでらっしゃるから笑」
(かわいいなあ。もっと話したい)初めてちゃんと話せて思わずテンションが上がる。
「あの!今度映画いきませんか!
面白ろそうなのがあるんです!一緒にどうですか」
普段映画なんて見ないのに。。
思わず出てしまった言葉にやってしまったと思った。
いきなりなんてこと言ったんだ。。
きっと引かれるに違いない。
けれど彼女は一瞬驚いたようだっが、
承諾してくれた。店でただ顔を合わすだけの関係なのに。
彼女の予想外の返事に胸が高鳴った。
デート

初デートの日、
朝から胸の高鳴りが止まらなかった。
消極的な自分が女の子をデートに誘うだなんて、思っても見なかった 。
映画館の前で待っていると彼女が来た。
いつも後ろで束ねていた髪は今日は下ろしていて、大人びて見えた。
緊張はピークになる。
上映終了後、「あのシーンよかったねー」などと感想を言い合った。
初めは緊張していたけれど話していくうちに打ち解けた。
彼女は二歳下。とても笑顔が素敵だ。
このデートをきっかけにやがて交際に発展した。
幸せな毎日。同棲も始めた。
ある日の昼食、
そもそも何でたまに唐揚げの数増えてたの?と
出会ったばかりの話を彼は聞きいてみた。
「だっていつも一番安い定食だったじゃない。あんまりお金無いんだろうなって思って。ま、あとは話題作りよね。話すきっかけ。」
「どっちも不器用すぎないか?」と彼はいった。
二人で笑う。
「お互い気になる存在だったわけね。でも話したきっかけがから揚げって笑」 と私。
「あんたには分からないわよ~ほほほー」と母は鼻歌を歌いがら話せて満足したのか、上機嫌でから揚げを揚げている。
自分から聞かずともきっと初めから話すつもりだったのだろうか。
大好きだった人との失恋。母には言わなくてもお見通しだったのかな。
落ち込んだ私を見て母なりに励ましてくれたのだろうか。
横目に見ると父がうたた寝をし始めた。
きっかけは違えどどこにでもありそうな普通の恋。
でも、あの時父と母はきっと自分達にとっては特別な恋だったのかな。
平凡だけれど今も変わらず仲がいい。
唐揚げをつまみながらいつの間にかそんな事を考えてたら、
いつかは立ち直れるのかな。そう思えた。
すぐには傷は癒えないけれど、
どんよりしすぎた心が少しだけ晴れた気がした。
Tomo著









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