先輩を好きになった私。しかし、相談に乗ってくれた友人が……!

M子

大学を卒業し、晴れて希望していた企業に採用、忙しくも充実した日々を送っていた私。

そこで私は、同じ部署に所属しているM子と仲良くなりました。

M子は容姿端麗で人柄もよく、とても元気で明るい人でした。

仕事で何か困ったことがあると相談に乗ってくれたり、誕生日を祝ってくれたりもするので、次第に私たちはプライベートの話もできるような仲になっていきました。

ある日、私は一人の先輩の話をしました。

「K先輩ってかっこいいよねー!仕事もできるしさー!」

「そうかなー?なんか可もなく不可もなくって感じ?」

M子はさほどK先輩に興味はない様子。

しかし私はK先輩の明るいところや仕事のできる姿が好きで、ひそかに思いを寄せていたのでした。

誘い

「そんなに気になるなら飲みにでも誘ってみたら?」

ある日M子から受けた、そんな一つの助言からすべては始まりました。

「え、そんな急に無理だってー!」

K先輩とは仕事中に話をすることはありますが、自分から飲みに誘ったりなど考えたこともなく、ただただ遠くから眺めているだけで幸せになってくるような、そんな淡い感情でした。

「勇気ないなー(笑)K先輩!今日一緒に飲みに行きませんかー?ご馳走してくださいよー!」

何のためらいもなくK先輩を誘うM子。

K先輩のほうも快くOKしてくれて、私は急な場の流れに翻弄されていました。

「この子が最近悩んでいるみたいで、相談乗ってあげてくださいよー!」

M子はそう言って私の相談という名目で、その日一緒に飲みに行くことになりました。

そしてその日の夜、いい感じに酔いも回り話も盛り上がってきたころ、少し気が大きくなった私はK先輩に普段じゃ絶対に言えないようなことを言っていました。

「K先輩のおかげでいつもお仕事頑張れるんです!K先輩かっこよくて、すごく好きです!」

するとK先輩も、「俺も好きだよ」と言ってくれました。

お酒の力を借りたとはいえ、K先輩から「好き」の言葉をもらい、私はその日とても幸せでした。

裏切り

しかし次の日その淡い恋も一瞬で終わりを迎えます。

「ちょっと話があるんだけど。」

なんだろう?と思いながら、私はM子に呼ばれた場所へ行きました。

するとそこにはK先輩もいたのです。

「実は私たち結婚することになったの。」

「ちょっと、それどういうこと?」

私は頭が真っ白になりました。

M子は私がK先輩のことを好きだということは知っているはず。

にもかかわらず、M子は私にK先輩との結婚を報告してきたのでした。

「実は私たち前から付き合ってて。あなたがKのこと好きっていうから、面白半分で告白させてみようって。そしたらあなた本当に告白するから、私もKも引けなくなっちゃって。」

M子がそう言っている間、K先輩は少し後ろで黙って見ているだけでした。

(なにそれ、K先輩とM子に遊ばれてたんだ……。)

「ごめん、悪いことしたと思ってる。でも俺も酔って……。それにM子を裏切れないから。」

(M子は裏切っちゃダメで、私はいいんだ。)

それを聞いた瞬間、悲しさや悔しさで爆発しそうな気持ちが一気にどうでもよくなり、笑いが止まらなくなってしまいました。

そのあとも何か後ろの方でK先輩が言っているのが聞こえましたが、私はもうすでに聞く気はなく、後ろを向いてその場から去っていきました。

それから数週間後、二人から私宛に結婚式の招待状が届きました。

「どんな神経してるのよ。」

今すぐにでも破り捨てたい気持ちを抑え、私は欠席の欄に丸を付けました。

後から聞いた話によると、職場からその結婚式に招待された人は大勢いましたが、実際に行った人は会社の偉い人数人だったそうです。

なんでも、M子は表向きはいい人を演じていたようですが、元々他人を見下す癖があり、私のような内気な人を選んではその人を弄ぶような性格をしており、今回の件も私が言わずとも周りに噂が広がっていたのでした。

そして結婚を機に、居づらくなったのか二人とも会社を去っていったのでした。

心機一転

それから数か月後、私もあれから職場で同情の声をかけられるようになり、それはそれで居づらくなってしまいました。

せっかく入れた職場でしたが、辞めて地元に帰ることになりました。

「あんたまだ結婚しないの?」

ひとりで帰ってきた私に、地元のおばちゃんたちがそう言います。

「いい人がいたらねー!」

私はそう返しますが、あんなことがあった後なので、しばらくは結婚のことはおろか恋愛のことすら考えたくもありません。

そのかわり今はこの一人の時間を、十分に満喫したいと思っています。

 

osako著

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