一人だけの趣味

毎日やっても減らない仕事に嫌味な上司。頑張っても頑張っても評価されないストレス。
そんな日々のストレスを発散するために私が見つけた趣味。
それはオンラインの対戦ゲームでした。
ゲームの中では、頑張ればそれだけ評価され、他人に悪く言われることもない……
そう思ってなんとなく始めたゲームですが、これがとても面白く、気づけば休みの日が潰れるほどのめり込んでいました。
最悪の出会い

ある日、少し調子の悪かった私はチーム対戦でスコア最低点を出してしまいました。
その結果、私のチームは敗北。
(やっちゃったなぁー)
チームメンバーに申し訳ないなぁと悔しがっていると、チームが同じだった相手からメッセージが届きました。
「お前が下手くそで負けた!しっかり練習しろよ!」
いきなり辛辣なメッセージを受け取りショックを受ける私。
結局その日はメッセージも無視してゲームを終えてしまいました。
しかし次の日、そんなことがあったのも忘れて私はまた同じゲームをしていました。
昨日とは違ってその日は調子もよく連戦連勝!
そして何戦かプレイしていると、一通のメッセージが届きました。
「昨日と違って好成績じゃん。たまたまだと思うけどな!」
え?昨日のメッセージの人?とスコア画面を見てみると、今回はそれぞれ敵チームになって同じ対戦に参加していたのでした。
変な人みたいだから極力関わりたくないものの、一応褒めてくれてるみたいだしと一言そっけなくメッセージを返しました。
「ありがとう」
これでもうメッセージ来ないかな、と思っていました。
しかし、すぐにまたメッセージが返ってきたのです。
「ちょっと二人で対決しようよ!」
うわー!嫌な奴に目をつけられた!と思い、「嫌です」とメッセージを打とうとした時にはすでに遅く、相手は二人対戦用の招待メッセージを送ってきていたのでした。
それから二人で対決。相手はなかなか強く、その日調子のよかった私でも悪戦苦闘。
しかし結果は私の勝利!
互角の戦いでしたが嫌な相手を負かすことができたのです。
「お前、意外と強いんだな!友達になってチーム組もうよ!」
相手から返ってきたのはそんなメッセージでした。
汚い言葉で罵られると思っていたのに、送られてきた友達申請に驚いた私。
(なんか面白い人かも。)
と興味本位で友達になったのでした。
意気投合

その日から、私たち二人は毎日チームを組んで一緒にゲームをするようになりました。
最初は息が合わず負けることも多かったです。
しかし、プレイしていくうちにお互いの行動パターンが読めてきて、相手の弱点のカバーも上手くできるようになり、いつしか敵なしのチームになっていました。
「俺達いいコンビだよな!誰にも負ける気がしないよ!」
最初の出会いは最悪でしたが、彼からそんなメッセージを受け取るようになり、いつしか純粋でまっすぐな性格の彼に惹かれていきました。
そんなある日、私たちに一通の招待が来ました。
「今度非公式の大会が開かれるので、出場してみませんか?」
それはそのゲームの非公式大会の主催をしている人からの直々の招待でした。
なんでも、私たちはゲーム内で有名な強チームと話題になっているらしく、是非大会を盛り上げてほしいとのことでした。
ランキング1位

大会に出場することになった私たちは、お互いに技を磨き特訓する日々。
相手の苦手なことをカバーして、どんな事態になっても立て直せるように練習を重ねていました。
そして大会本番。
対戦はトーナメント制で、相手は皆有名な強プレイヤーたち。
それでも私たちは勝ち残り、決勝戦まで進出しました。
いよいよ決勝戦。
相手は前回の大会も優勝したチームでした。
かなりの苦戦を強いられて追い込まれる私たち。
途中彼がミスを犯し、相手はそのミスを逃さず一気に攻撃を畳み掛けてきました。
しかし、毎日彼のカバーをする練習を続けていた私は、
「これはチャンス!」
と相手の隙をつき、油断した相手を全員ダウンさせることに成功しました。
結果は初出場で初優勝!
見事、ゲーム内ランキング一位に輝くことができたのでした。
最悪から最高に!

それから3年、当時人気だったゲームもプレイ人口が減っていき、私たちもプレイをする回数が減っていきました。
しかし、私は今彼の家で別のゲームで協力プレイをして楽しんでいます。
大会が終わってすぐに、彼からのプロポーズで付き合うことになったのです。
たまに喧嘩をすることもあるけれど、その時私はこう言います。
「私がいなかったら、誰があなたのカバーをするの?」
そう言うと彼はいつもたじたじになって、どんな喧嘩もおさまるのでした(笑)
tarou著









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