心を救った僕への代償

彼女の心は傷ついていることを知りました。

 

 

僕は社会人3年目の21歳です。 名前はEと言います。

今日は高校の時から友人である3人と久々の飲み会の日、僕は自宅から最寄り駅で電車に乗り、待ち合わせ場所である駅前広場の花時計前に僕が1番で着き、2人が来るのを待っています。

15分程で友人(名前はS)1人が到着し、残り1人の友人(名前はT)が待ち合わせの場所に来るのを2人で待っていました。

Sが来てから5分程でSのスマートフォンが鳴り、画面にはTの名前が表示されているのを確認できます。

「もしもしS?Tだけど、もう店にいるから○○という店に来て」との電話で、それだけ伝えたら、向こうから電話を切った。

5分程歩くと指定された店に到着しました。

その店は、チェーン店ではなく、個人経営の居酒屋だった。

引き戸を開けて店内に入るとカウンターにはすでに客が3人座ってます。

Tが僕たちの姿を見つけたようで、奥の座敷に座りながら手招きした。

僕たちはTのいる座敷に歩み寄ると、Tと向かい合わせで2人の女性も座っていました。

「ごめんごめん、もう少し早く連絡すればよかった」と、座りかけていた僕たちにニコニコ顔で言ってきた。

席に座り全員飲み物と食べ物を注文し、運ばれてきたところでTが2人の女性を僕たちに紹介してくれます。

黒髪のロングヘアの子がMちゃん、そして茶髪でセミロングの子がUちゃんと言います。TとUちゃんは同じ職場の同期で、UちゃんとMちゃんは友達だそうです。

この2人の子を僕たちに紹介したくて一緒に来てもらったと言い残すと「後はよろしくお願いします」と同期のUちゃんに声をかけ、Tは1人で店を出て行きました。

4人になりしばしの沈黙後、僕が最初に話しかけた。

「僕たち2人の自己紹介はまだだったね」と言った後、それぞれ自己紹介をしました。

 

2人の子のうち第一印象では、僕はMちゃんの方がタイプかなとコッソリSに伝えるとSはUちゃんがタイプだと言いました。

それぞれタイプの子に、アピールをするかの様に、話しかけて気分を盛り上げています。

2時間後4人共気分も上がり次の店へ行こうとなり居酒屋をでた。

次の店は落ち着いたバーに決めました。

ここではお互い友達同士で話をしてる時間が多くて、Mちゃんときちんと話はできませんでした。

夜遅くなり終電時間が近づいているため、今日はここでお別れすることにします。

去り際に僕は、MちゃんとLINEの交換と来週2人きりで会える約束までできた。

約束の日までの1週間は、満足してもらえるデートプランを練るため、仕事の合間や家に居る時間は、常にスマホで検索し情報を集める毎日でした。

約束の日になり、待ち合わせ場所に決めてた駅前広場で、先に着いた僕の方で、手にはプレゼントを抱えてます。

なぜプレゼントを抱えているかというと2軒目のお店で、少しだけMちゃんと話すことができて来週が誕生日だと話していたのを覚えてます。

そう!誕生日に会う約束ができたから、プレゼントなにあげようかデートプランを練ると同時に1週間かけて選びました。

15分過ぎた頃、Mちゃんがロングヘアをなびかせて待ち合わせの場所にやって来た。

「ごめん待った?」とMちゃんが言い、「待ってないよ」と僕が言ったらますます笑顔になりました。

 

最初はお互い見たかった映画をみることにした。

歩くこと5分僕が恥ずかしそうに手をさしだしたら、Mちゃんも恥ずかしそうに手をさしだしたので、初めて手をつなぐことができた事に僕の気分は舞い上がっています。

そのせいか、あと10分かかる映画館までの道のりが2分位にしか感じなかった。

映画を見終わり2人は大満足で映画館を出た。

次は、2人で大好きなコーヒーを飲みに、カフェへ向かいます。

カフェに着きコーヒーと軽食を2人分注文をして、運ばれてくるのを待っている時ずっと抱えていたプレゼントを渡すことにした。

「Mちゃん誕生日おめでとう」「はいこれ!プレゼント」

突然の事にビックリした様子のMちゃん、次第に顔が笑顔になって「ありがとう、開けていい?」嬉しそうに受け取ったプレゼントを開け始めた。

中身は白いトートバッグです。

以前にMちゃんのお仕事はピアノの先生をしているとLINEで聞いていたので、レッスンに向かう時にでも使えると思いトートバッグを贈った。

嬉しそうにトートバッグを眺めていたら中に、手紙が入ってる事に気がついた。

直筆の方がより気持ちが伝わると思い、あえて手紙に気持ちをしたためてサプライズ的に、中に忍ばせておいた。

「恥ずかしいから、家で読んで」と僕が言うと、イタズラっぽく読もうとする仕草をMちゃんがやってみせて、僕をからかってます。

すると突然Mちゃんのスマホが鳴った。

スマホを取り出し、着信を確認して電話にでた。

どうやら着信は職場からで、なんでも教え子の生徒さんが、急遽レッスンして欲しいと要請があったため向かって欲しいとの連絡です。

仕事なので、今日のデートはここまでになります。

足早にカフェを出て、Mちゃんの車まで僕も一緒に行き、車が見えなくなるまで見送りました。

その日の夜MちゃんからLINEがきました。

「今日は突然仕事入ってごめんなさい、再来週なら夕方6時からのレッスンに入るまで予定が空いてるので、それまでデートの続きをしましょう。また連絡するね」

LINEを読み終えた後、再来週はレッスンの時間も決まってるので、急に仕事の連絡は入らないだろうと思いながらも、会える嬉しさと不安を抱えながら、約束の日まで過ごした。

約束の日になり、いつも通りの待ち合わせ場所、今日はMちゃんの方が先に来ています。

待たせてしまっているので、僕はMちゃんのもとに駆け寄り「待たせてごめん」と謝った。

「今日は最初どこ行く?」とMちゃんに僕が聞くと 「アニマルカフェに行きたい」とリクエストしたので、そこに向かいます。

アニマルカフェで、子犬や子猫とフクロウなどと2時間触れ合い大満足でアニマルカフェを出た。

次はショッピングの予定でしたが、お互いお腹が空いたから、予定を変更し、レストランへ行くことになった。

それぞれ食べたい物を店員さんに注文し終えた。

先ほどのアニマルカフェの感想を話しているときに作り立ての温かい料理が運ばれてきた。

僕らは料理が冷めてしまうほど、たわいもない雑談に花を咲かせました。

料理は冷めてしまったが、2人で食べてるから美味しく思えた。

食後のコーヒーを飲み始めるとMちゃんが「この間の手紙の返事書いたから、家で読んでね」と手紙をくれた。

最後は、ゲームセンターへ行きコインゲームやUFOキャッチャーにと時間を忘れて夢中になってた。

時計を見たら夕方5時過ぎていました。

6時からレッスンがあるため、移動時間を考えればここでデートは終了。

今日の帰りも、Mちゃんの車まで送って、バイバイと手を振り見送った。

家に帰り、早速渡された手紙をドキドキしながら読み始めた。

「E君へ、手紙ありがとう♡E君が私に対してとても真剣に思ってくれている事が伝わってきてすごく嬉しかったよ

私は言えなかった事があります。E君が真剣に思いを伝えてくれたから、私も今の心境を手紙に書きます」

どんなことだろう?と僕は、さらにドキドキして続きを読んだ。

「前に付き合ってた彼氏が私に対してのDVが酷くて、別な人もDVひどかったらと思うと男性とお付き合いするのが怖くなった」

「そんな中でE君と出会い私にやさしくしてくれて、会うといつも笑顔にしてくれると、こんなに素直でやさしい男性もいるんだと思いました」

「E君を見てると、もう一度男性とお付き合いしてみてもいいかなと、前向きに思う様になりました。ありがとう、バイバイ♡」

読んだ感想は、そんなつらい過去があったなんて…少しも気づかなかった。

自分が楽しいと思うことばかりで、Mちゃんの心の傷に気づけなかった自分に後悔した。

アニマルカフェデートを境にMちゃんにLINEをしてもなかなか既読もつかなくなったり、会う約束も忙しいのを理由に会えなくなったりと、すれ違うことが多くなり、最後はLINEも既読がつかなくなり自然消滅となりました。

この恋は終わりましたが、好きになった人の心を救うことができたからと納得するしかない。

k537著

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コメント

コメント一覧 (2件)

  • 今回の作品は、心に傷を負った女性との恋愛物語です。

    社会人3年目、21歳のEは、高校の友人たちと久々の飲み会に出かけます。
    遅れた友人から連絡があり、指定された個人営業の居酒屋に向かうと、そこには友人と女性二人が先に到着していました。
    そこで女性の一人Mと仲良くなったEは、後日、映画やカフェで楽しい二人の時間を過ごします。
    ちょうどMの誕生日でプレゼントを用意していたEは手紙を書き、それを読んだMが感謝の手紙を送ります。
    その手紙には、Mが過去に出会った男性からDVを受けた経験やトラウマになっていること、そして、Eはその心の傷を癒す存在だと思えたとも書かれていました。
    EはMの心の傷に気付かず、自分の楽しさばかりに気を取られていたことに後悔しました。
    EとMの関係は自然消滅で終わりましたが、Mの心の傷を癒せたからと納得しました。

    このストーリーからは、相手への思いやりと理解を示そうとする男性の優しさが伝わってきます。
    自然消滅した後も、相手の心の傷を癒せたことに納得し前に進もうとする様子は、男性の心の広さを表しています。
    相手の過去を受け止め、コミュニケーションと配慮に気を配ることの大切さについて考えさせられる作品です。

    検収者 kitsuneko22

    kitsuneko22-10

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