
彼女との出会いはごく普通の友人からの紹介だった。最初の出会いは、みんなでテーマパークに行こう!という提案を友人から受けてなんだか楽しそうだから行きたいと思い乗り気で承諾した。テーマパークと言っても遊園地とかとは違って、スポーツを楽しむような場所でボールプールがあったり卓球台やダーツがあったりと言う場所。そこに行く大勢のメンバーの中に僕と彼女はいました。友人に紹介してもらった彼女Sちゃん。元気が良くて人懐っこい感じでスポーティーな印象。僕は真逆で運動音痴の凡人以下の運動神経。Sちゃんは(こんちゃ!Sです^^よろしくね〜!)とおてんば少女見たいな明るい笑顔で声をかけてくれた。こんな僕になんて良い子なんだろと思ってたらSちゃんが(ダーツやらない?私ダーツあんま上手くないんだよね〜!行こ行こ^^)と手を引っ張って連れていってくれた。

楽しくて時間があっという間だった。負けても勝っても大きなリアクションしてくれるSちゃんがなんか明るくて、もっと一緒にいたいなって思っていた。おそらくこの時点で好きになってたんだと思う。連絡先を交換して、また会おうねとその日は帰った。


それから毎日連絡を取り合った。趣味の話やそれこそ小さい頃に好きだった食べ物の話。仕事にいく前の連絡やおやすみのまでずっと、Sちゃん一色の時間がとても幸せでたまらない。完全に恋をしていた。少しでも連絡が無いとソワソワするし不安になる。連絡が来て(ごめ〜ん!やっと電車から降りたよ!疲れたよ〜も〜)とか聞くと嬉しいし心配だし安心するし。それからしばらくして二人で良く居酒屋に行くようになった。

何回かのデートと言うかお出かけと言うかを繰り返しているうちに、僕はもう怖いけど告白しようと飲んだ勢いで決行した。帰り道で
(あのさ!Sちゃん!僕と付き合ってください!)
ともうヤケクソで告白した。Sちゃんは••••••
(も〜!遅いよ〜(笑)いつまで待たせるのかなって思ってたんだよ!?大体さ面倒くさかったりなんか合わないなって思ったらこんなに沢山一緒にお出かけなんかしません!)
と。目の前が一気に明るい世界に変わって行く感覚だった。

帰り道の星空がいつもよりも綺麗で。ずっと一緒にいたい。このまま帰りたくないなって思った。その日はお互いこんな事になるなんて思っていなくて次の日の予定を入れてしまっていた。でも、二人いつもよりもウキウキしてテンションが上がっていたのを覚えてる。
それからしばらくして、Sちゃんは僕の部屋に泊まりに来るようになった。いつもと変わらない幸せな時間。ある一言がきっかけで、その幸せは崩れて行ってしまった。それは明るい隠し事が嫌いなSちゃんの性格からなのか僕の弱さが原因だったのか••••••それは今でもわからないけど、もう一度同じ事が起こったらやはり耐える自信が僕にはない•••


その言葉は
(私ね?Mくんと付き合ってる時もこれ食べたんだ〜。美味しいよねこれ^^)
え••••?Mは、僕の知り合いと言うか先輩だ。あのテーマパークにも一緒に遊びに行ったメンバーの一人でSちゃんと頻繁に話したりUFOキャッチャーやったり楽しそうにしていたのを思い出した。正直、変な違和感て言うか嫌な気持ちになったのを思い出す。さらに続けて
(今度Mくんとさみんなも呼んでまたあのテーマパーク行こうよ!)と
僕は
(う••••うん••••)と返すしか出来なかった。きっと表情も暗かったのだろう•••Sちゃんはそれを見て困ったように(元気ない?どうしたの?)と••••。僕はこの時思った事は、え?そんな話されたら普通元気なくなくなるよ。大好きな女性が元カレ誘って一緒に遊びに行こうとか普通じゃないって•••••と思っていたけど口にする事が出来なかった。

お互いの歯車はこの日を境に少しづつ、でも確実にズレて行った。ある日僕は本音をぶつけてしまった。映画見に行っても食事を一緒にしていてもどんどん別の男性の名前が出てくる。Mだけではなく、知っている男性の話やそれこそ聞きたくない真実が山のように出てくる•••••。僕は
(Sちゃん。そんな話を僕が聞きたいと思う?ニコニコしながらそんな話するなんて異常だよ••••。辛いんだけど)
Sちゃんは
(なんで!?嘘つけって言うの!?ホントのこと全部話してるだけじゃん!)
僕は
(ホントの事でも話す事ないよそんな事!知りたくもない!一緒にお風呂入ってる時もさ、〇〇さんと一緒に入ってる時も転けたんだよね〜とか愛してる人からそんな話聞きたいほど僕は悪趣味になれない!ただ辛くてたまらないだけだ!)と
お互いの関係はどんどん悪化していった。口に出したくても出せずに我慢して下を向いてるSちゃん。それに気づいてイライラし始める僕。もう付き合い始めた頃の二人の笑顔は存在していなかった。もうだめだ••••僕には大好きなこの子を幸せにしてあげられる自信がもう無い•••••。大好きなのに、下を向かせて黙らせるしか出来ない。僕が大好きになって愛したお日様みたいなこの子の笑顔を、奪ってしまった••••終わりにしよう。
そして別れを告げる事を決めた。
僕(Sちゃんあのね?話したいんだ。いい?)
S(うん•••••。なんか怖いけど、何言われるか何となくわかってるから•••)
僕(うん。大好きだよ。ホントにごめんね。僕も辛かったしSちゃんも辛かったね)
S(辛くないよ。一緒にいたいもん)
下を向いたまま答えるSちゃんの頬に涙がいっぱい落ちて流れて行くのが見える•••
僕(僕も一緒にいたいのと、辛いのが合わさって整理できない気持ちなんだ。Sちゃんの明るいお日様浴びた向日葵みたいな笑顔が好き。でもその笑顔が消えてしまったのも僕のせいだ。笑顔、取り戻してほしい。僕にはそれがもう出来ないの痛いほどわかったから、もう別れよう)
S(なんで?ずっと一緒に居ようねって言ったじゃん••••勝手だよ•••)
昔の元気な声はもう完全に消えてしまっていた
S(いつもこうだよ••••最初はみんな全部聞いてくれる。何話しても笑ってくれる。そしていつもそうやって居なくなるもん••••なんでなの?私、何か悪いことした?直すから言ってよ•••••)
もう限界だ•••••これ以上傷つけたくないし傷つきたくない。
僕(終わりにしよう。これ以上Sちゃんの笑顔、奪いたくない。さようなら••••)
背中ごしに最後のSちゃんの泣き崩れるような赤ちゃんのような声が聞こえた。
(一緒にいてくれるって言ったじゃん!何でよ〜〜〜!!)
それからSちゃんには会ってない。人を幸せにするあの素敵な笑顔を取り戻して元気で過ごして居てくれたらいいな。
大好きだよSちゃん
笑顔奪ってごめん
幸せになってね
y529著









コメント
コメント一覧 (2件)
pr
今回は、ある男女の恋愛と別れた理由についてのお話を書いていただきました。
2人が出会いは、ある友人の紹介からでした。
元気で人懐っこい性格の彼女と、性格が正反対な彼。
彼は自分に明るく接してくれる彼女のことが好きになりました。彼女とは何度も連絡を取りあう仲になり、連絡がないと不安になるほど。
何度目かのデートの後、勇気を振り絞って告白する彼。その言葉をずっと待っていた彼女の返事はもちろんOKでした。
2人は仲良く過ごしていましたが、彼女が元彼の話題を口にするようになり、彼はそれが不快でした。
ある日我慢の限界だった彼が、本音を彼女にぶつけます。
性格や価値観の違いから、これ以上彼女を幸せには出来ないと思った彼は、彼女の元から去る決断をしました。
彼女を好きだからこそ他の男性の話を聞きたくない彼。彼を好きだからこそ嘘や隠し事はせず何でも話したい彼女。
お互いに好きという気持ちと、価値観の違いからすれ違ってしまう2人の心情がとても上手く表現されています。
表現力豊かな素晴らしい作品に仕上がっています。
検収者 kitsuneko22
⑳kitsuneko22-10