一目惚れ

①出会い

運命の瞬間というものを信じるだろうか、たいてい小説やドラマの中だけの事だと思うひとが多いと思う。私もそう思っていた、その瞬間が来るまでは。私が彼女と出会ったのは取引先の招待パーティの会場だった、私は当時10年以上勤めていた地方大手の銀行員をやめ、遊園地の遊具などの材料を海外から輸入する会社を起業していた。従業員は私を含めても5人の小さい会社だ。ある時取引先の海外出張で彼女と出会った。取引先の招待パーティの会場だった取引先の方からの紹介で出会った。当時私は38歳、彼女は22歳だった。堀の深い顔立ちに、スラっとした面長な顔一回りほども違う歳の彼女に、一目惚れしてしまったのだ。

②深まる関係

「こんにちは、初めまして○○です」私はまるで初恋の時のように緊張しながらも話しかけた、別に今まで男女交際関係がなかったというわけではなく、銀行員を退職すると同時に破局していたが、銀行員時代にも同僚の女性と付き合っていたし、学生時代も付き合っていた彼女はいた。しかし「一目惚れ」というのは人生でも初めてのことだったので私は酷く緊張していた。それに話しかけたといっても、ほとんどその国の言葉をしゃべれず日常会話レベルの片言の外国語だったが、それは向こうも同じらしく彼女も日本語は片言だった。話しているうちに、手応えというか、お互い最初の印象はそう悪くはないと感じられた。

話しているうちに彼女の性格は気が強くて明るい人で、一緒にいて時間を忘れるほど楽しく過ごせる人だった、私たちは打ち解けあい、その娘の両親とも挨拶をした。帰国の日が来て私はお互い惜しみながら別れたが連絡先を交換していたので日本に帰ってからも国際電話での交流は続いていった。当時はスマホなんてものはなくお互いの自宅の電話でのやり取りで、長期休暇の日や海外出張の時に現地に行きを繰り返し仲を深めていった。仲を深めていくうちにお互いに惹かれあい、ずっと一緒にいたいと思えるようになった。私は勇気を出して結婚指輪を贈りプロポーズをした。結果はOK今まで生きてきてこれほど嬉しかったことはないだろう、人生で一番の最良の日だったその一か月後くらいにその国で結婚式を挙げた。彼女の友人と親戚一同が集まり祝福してくれた。昔の自分が今の自分をみたらさぞ驚くことだろう、まさか自分が国際結婚するとは。

③帰国してからの日々

その後は共に日本に帰国し結婚したことを日本にいた親や友人、会社の人に報告した、友人からは「えらく若い娘を取ってきたなと!」と面白そうにからかわれたが歳の差の事は気にしていたし、まったくもってその通りなので私は苦笑いだったしかし大層驚かれはしたがみんな祝福してくれた。今まで住んでいる場所は引き払い新居に引っ越しをして二人の新生活がスタートした私たちは仲良く、いつも二人で行動していたし喧嘩もしたことはなかった。苦労すると思われた言葉の壁も、本人の努力もあり暮らすうちにメキメキと上達していき外国人だとわからないレベルで日本語が喋れるようになっていった。

④すれ違い

結婚してから1年半たった頃、私たちは絶賛喧嘩中だった、当時自分は会社のほうが忙しく、あまり構ってやれず家にもあまり帰ってこれない日々が続いていた時だった。彼女はそれが不満らしく、たまに帰ってきたときはそのことについて小言をよく言われた。私は滅多に人に怒るタイプではなかったが、忙しさのあまり疲れていたためか、カッとなって強く言い返してしまい。彼女も言い返しての口喧嘩になっていった。なんとかその場は自分が謝ることでおさめることができたが、そこからは冷戦状態になり。口もきいてくれなくなってしまった、会社の忙しさもあり私も面倒くさくなっていて、なんとなく問題を先延ばしにしてしまっていた。ある晩の日、家に帰ったら部屋が真っ暗で彼女が思いつめた表情で座っていた。さすがに私もこれはヤバイと思い、話を聞いてみると「あなた浮気してるでしょ」と言ってきた。どうやら彼女は私が帰ってくるのが遅い理由が浮気をしていると思っているらしく。「全然違うよ、仕事だよ」とその日は誤解を解くために必死に話し合いをして、ようやく誤解が解けてなんとか仲直りをした。

⑤終幕

文化の違いや年代の違いからそれからもたまに喧嘩をしつつ、それでも夫婦仲良く生活しており、今は子供ができ騒がしくも楽しく幸せに暮らしています。

 

575著

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この記事を書いた人

コメント

コメント一覧 (2件)

  • 今回は、海外出張で出会った男女の恋愛ストーリーを書いていただきました。

    彼は海外出張先で出会った22歳の彼女に一目惚れをします。
    お互いに慣れない言葉で交流を繰り返すうちに仲が深まり、いつしかずっと一緒にいたいとさえ思えるようになりました。
    彼は勇気を出しプロポーズ。晴れて二人は国際結婚を果たします。
    仕事の忙しさ、文化の違いや年代の違いから度々喧嘩をすることはありますが、お互いを理解し合い、子どもも授かり楽しい家庭を築きました。

    海外での運命の出会いから始まり、文化の違いや年代の違いといった困難を乗り越えて、幸せを築く男女の物語が描かれています。
    たとえ相手と大きく違うことがあっても、お互いに受け入れ理解し合い家族となっていく様子はとても心温まります。
    幸せな家族の希望が描かれた素敵な作品に仕上がっています。

    検収者  kitsuneko22

    ㉟kitsuneko22-10

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