独身は淋しがっていると思われがち?シングルマザーをナメるな !

男友達との再会

シングルマザーになった友人がいる。
一人娘と共に彼女の実家で仲良く生活している。

休日には彼女たちとよくご飯を食べに行っていた。

ある日、喫茶店で席に着くなり「ムカつくことがあってね!!」と切り出した。
かなりご立腹の様子。

「どうした?」
「もー人のことバカにしやがって!!」

彼女の離婚を知って心配した友人や知人からたくさん連絡をもらったと言う。私もその一人だ。
誰もが一言目は「かける言葉が見つからなくて・・・」で、それに対し彼女は「おめでとう!って一緒に祝ってくれ!!」と言ってみんなを安心させようとした。私もそう言われた一人だ。

彼女が大学時代に仲が良かったSという男性からも電話があったそうだ。
彼とは卒業後も年賀状やSNSでやり取りをしていた。

そのSの態度に振り回されたと、怒り狂いながら話し始めた。

丸腰で講義にやって来た彼

彼女とSが初めて会ったのは講義初日。
ついに始まった大学生活に、期待やら不安やらでガチガチに緊張していた友人。
「ここ、空いてる?」と声を掛けてきたのがSだった。
「あ、どうぞどうぞ!」と隣の席を勧める。

講義が始まり、友人は必死でノートを取っていた。視界の端に、全く手を動かしていないSが見えた。
「ノートなんか取らずに暗記するタイプか!!すごっ!」と勝手に感心していたが、
もしかしたら筆記用具やノートを忘れたのかも知れないと考えた。

少し焦った表情のSに、友人は筆記用具とレポート用紙何枚かをSの前にそっと差し出した。
Sは驚いた顔で友人を見て「ごめんね。ありがとう!」と小声で礼を言った。

その日から卒業するまで、Sを含めて仲良くなった仲間たちと一緒に行動するようになった。

大人になってからも「あの時は本当に助かった!」と何度も言うSに「刀を忘れた武士か」と返して笑うのがお決まりとなっていた。

少し前に大学時代の仲間と久しぶりに集まることになり、娘ちゃんを実家にお願いして出かけたそうだ。

あの頃と変わらないノリで、本当に楽しかったと後日聞いていた。

そのSに腹を立てていると言う。

「シングルマザーってやっぱり淋しそうに見えるのかなぁ?」
「えっ、何かされた!?」
「されたって言うか、取られたって言うか・・・」

言いにくいことなのか、なかなか本題に触れない友人。

一緒に来ていた娘ちゃんは、とても上手にお行儀よくお子様ランチを食べていた。
彼女が丁寧に子育てをしている様子がうかがえる。

「取られたって、お金?」それぐらいしか思いつかない。

ようやく友人が口を開いた。

「とんでもないものを・・・私の心を取って行きやがったわ・・・」

「???」

どこかで似たようなセリフ聞いたな・・・何かの曲の歌詞??

友人には悪いが、その言葉が気になって彼女の話は半分くらいしか耳に入って来なくなった。

やつはとんでもないものを盗んで行きました

仲間との再会の席で、友人はSに車の保険について相談した。
Sが保険会社に勤めていることを聞いたからだ。

名義変更などの複雑な手続きを全て引き受けてくれたSにいくら感謝してもしきれない。
そんな彼女にSは「筆記用具のお礼!」と言ってくれたそうだ。

大学の友人たちとは主にSNSでやり取りをしていた。
ある日Sとメッセージ機能を使って会話していた時に「実は昔好きでした」と言われ、胸がぎゅん!となったそうだ。

「またまたご冗談を」「いやマジで」

それからSを意識してしまうようになってしまった。

Sは書類を見て欲しいとか確認事項があるとか理由をつけて、頻繁に会いに来るようになった。
保険の話なんて5分で終わらせ、後はどれほど友人のことが好きだったか、そして当時どれほどずっと見ていたかなど、友人の手を握りしめながら口説き続けた。

しかしSには妻子がいた。

ダメなこととは分かっていても、友人はSのことを考えずにいられなくなっていった。
そんな状態が、実は半年以上も続いていたと告白した。

「で、今付き合ってるの?」
「いや、寸前でやめた」

ほっとした。
シングルマザーでも恋愛はしても当然いいと思うが、不倫はダメだ。

Sは保険の手続きを完了させた途端、態度を変えたそうだ。

「ノルマのために利用したんだろうね。車だけじゃなくて生命保険にも入らされたもん。君に何かあったら子供さんが困るでしょ?とかなんとか言って。まあ確かにそうだなと思って入った保険だからそれはいいとして。でもちょっとその気になってしまった私の気持ちはどうしてくれるのかと・・・そんな自分にも腹が立つのよねー」

しかもSはすぐに保険会社を辞めてしまい、それっきり音信不通となってしまったらしい。
年賀状を出しても、SNSにコメントしても、一切無視。

「知り合いに保険屋がいても頼ったらダメ。友情も壊れるよ。気をつけてね」
「そっかー、そんなことがあったのかーー」

そこで娘ちゃんがお子様ランチにあったミートボールをフォークに突き刺し、「ママどうぞ!」と友人に差し出した。

思い出した!!!
思わず「あ!!」と声を出してしまった。

「え?何よ?」と不思議がる友人に、実はさっきの言葉に聞き覚えがあってずっと考えていたと話した。

あるアニメの劇場版に出てくる名言だ。ミートボール入りのスパゲティも話題になった。

「確かに名作だけれども!!人の話聞いてなかったな!?」
「いや聞いてたって!!半分くらい・・・?」

帰ったらそのアニメのDVD観よ、とミートボールを娘ちゃんに食べさせてもらっていた。

「この歳になったら、もう出会いなんてあんまりないと思う。いいオトコはみんな結婚してしまってるし。たまに言い寄って来られたと思ったら、そりゃ結婚ムリでしょって思うようなのやら、Sみたいに不倫持ちかけてくるやつとかばっかりよ、私の場合だけど」

シングルになって心に隙があると思われているような気がすると言う。

友人は彼氏が欲しいとか再婚したいとか、全く考えたことがないと言い切る。

パートナーを持たないことは、不幸でもかわいそうなことでもない。
友人親子がいいお手本だ。

kooyu著

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