【ほんとにあった】ドラマのような出会い

【出会いはロマンチック】

出会いは大学のキャンパス。

誰もが憧れるシチュエーションで、私は彼とドラマのような出会いを果たす。

彼は雪が積もる街の出身、私は雪とはほぼ無縁の街の出身。普通に生活していたら出会わない確率のほうが高い2人が出会った。

育った場所も生活環境も年齢も性格も異なる2人が同級生として出会う。

これは奇跡、なんてロマンチック、これが恋か!!!

そのあとまさかドラマのような経験をすることになるとは思わず。。。

 

【部屋に入り浸る男】

私と彼は同じ棟の男女別に分けられたマンションに別々で住んでいた。

しかし、彼は私の部屋に入り浸っていた。

なぜなら、寂しがりやだったから。

その男の基本性格はザ・ポジティブ。外に出ると生徒会長、部活のキャプテン、他の奴等には誰にも負けないという強い心の持ち主。俺が世界の中心だとでもいうような、私が一番嫌いなタイプの男だった。

寂しがりやなんて誰が想像できるのか。

そんな彼が部屋から徒歩30秒の私の部屋に入り浸る。

そんな距離なら自分の部屋に帰ったらいいのではないか。。。

逆に女は基本無関心な性格。自分の部屋に彼の荷物が増えていくのは嫌だったが、特に関心があるわけでもない。

そんな無関心な私は携帯電話も充電器に差しっぱなしで出かけ、

「携帯電話は携帯しないと意味がない」

という漫画にでもでてきそうな言葉を初めて言われた。

そういう私は返信も遅いわけであって、

「なぜ、すぐに返信しないのか」

と言われたときには、

「なぜ、あなたの言うことを聞かないといけないのか」

と反発するようなじゃじゃ馬娘であった。

 

【隠せない男】

そんな生活を続けること半月、この関係は一体何なのかと考えているときに彼に付き合っている彼女がいることが分かった。

分かったというか、バレたというか。。。

彼は嘘がつけないくそ正直者でとても素直な性格だったのである。

彼女がいる証拠があちらこちらに散らばっているではないか。

最大の証拠は女の勘で発揮された。

ある日、部屋に行くという約束をしたその日の夕方に、

「用事ができたから今日いけない」

という連絡。

なぜかその時、女関係だろうと思い、同じマンションの友達のベランダからのぞくと、彼女を連れて駅に向かう彼の姿があった。

「なるほど」と他人事のような私はその姿を見つめる。

彼はそんな姿を見られているとはい思わず。。。

後日、彼の部屋に入る機会があり、周りを見渡してみると、隠しているつもりだろうが隠されていない彼女とのお揃いの指輪、プリクラ、お手紙がわんさかと発見される。

なぜ、隠しきれないのか。私は不思議でたまらない。

ちなみにその時も私は特に何か思うわけでもなく、彼女とのプリクラを一枚彼のトイレの蓋に貼って帰った。

その数日後、とうとう彼は彼女に別の女(私という存在)がいることがばれたらしい。

私にも彼女にもいい顔をする彼にドラマのような修羅場が始まる。

 

【かすかな希望と決めきれない男】

そんなこんなでいまだに進展しない不思議な関係を続ける中で、ある事件が起こる。

彼の彼女が女に合わせろと彼の部屋に乗り込んできたのである。

それを知ったのは彼が前と同じように、約束していた日に

「用事が入った」

と言ってきた日だった。

彼から

「彼女がきてる。私に会わせろと言っている。」

という連絡が入った。

その時は、特に関心もなく、彼と付き合ってるわけでもなく、勝手に男が家に居座っていると考え対応しなかったが

今となれば自分の彼氏の近くに別の女がいるというのは嫌だよなと思う。

どのくらいの時が過ぎたのか、

彼が彼女を駅まで送ったという連絡が入る。

その日を境に、何かあると彼女から男に電話が入るようになった。

多い時で1日に何度も。

私はそろそろ、この関係を変えなくてはならないと思っていた。

私を選んでくれるというかすかな希望を抱いて。

ある夜彼に聞いた、

「そろそろどっちか決めて欲しい」と

彼は言った

「どっちも手放せない」と

その瞬間私の中の何かがプツっと切れた。

 

【決めきれない男の最後の選択】

「ふざけるな。どっちも決めれないはどっちの女にも失礼だ!くそやろう!」

と恐らくこの関係を続けて初めて彼に対して私はブチギレた。

その時私は、彼と付き合うも付き合わないもどちらでもよかった。

かすかに私を選んでくれるのかと思っていたが、そんなことどうでもいいくらいに怒っていた。

彼は泣き始めるが、泣きたいのはどう考えてもこちらである。

それも相まって現場は泣く男と罵詈雑言を男にたたきつける女の図が完成していた。

「私と付き合うも私を切って彼女と付き合いを続けるのもどちらでもいい」

「だから、もうどっちか決めろ」

と言い放つ私。なんか男女逆転している。

ちなみに彼はこれまで家族含め周りの誰からも強い男で、意志が強く、誰もが彼に従うと思われてきた。だからこそ、彼の彼女は彼から1歩下がってついていくタイプが多く、これからもそのような女の子が彼の隣を歩くのだろうと誰しもが思っていた。

そんな彼がまだ付き合ってもいない女に泣かされ、己のプライドをズタズタにされるまで捲し立てられている様子は誰もが想像しないことであった。

また何日か過ぎ、男から

「彼女と別れる」

との報告があった。

END

 

m588著

 

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この記事を書いた人

コメント

コメント一覧 (2件)

  • 今回は、ドラマのような出会いについて物語を書いていただきました。

    2人の出会いは大学キャンパス。育った場所も生活環境もまるで違う2人が出会ったのは運命的な事でした。
    彼はポジティブで人の前に立つような性格ですが、寂しがりな一面もある、著者が一番嫌いなタイプ。
    一方著者は無関心な性格で、著者の部屋に彼が入り浸るようになっても、少し嫌なだけで関心があるわけでもありませんでした。
    彼が部屋に入り浸るようになって半年、彼には彼女がいることが分かり、彼はドラマのような修羅場に直面してしまいます。
    不安定な関係が続く中、彼女が著者に対面するよう要求しますが、付き合っているわけでもなく関心がなかった著者はこれを拒否。
    しかし、この関係はなんとかしなければならないと感じた著者は、彼にどちらを選ぶか迫ります。
    どちらも選べないという彼に著者は激怒。彼の泣く姿は彼の性格からは想像できないものでした。
    数日後、彼からは彼女と別れるまでの連絡が届きました。

    登場人物の性格や考え方が文章内で分かりやすく表現されていて、特に主人公に感情移入しやすくなっています。
    人間味あふれる登場人物たちの言動はとてもリアルで、題名通りドラマのような場面を想像できます。
    感情の表現が繊細で豊かな素晴らしい作品です。

    検収者 kitsuneko22

    ⑪kitsuneko22-10

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