「好き」という言葉にも、色々な種類があります。
友達としての「好き」、恋愛感情の「好き」、人として「好き」等…
果たしてこの感情がどの「好き」に当てはまるのか、迷った事はありませんか?
友達として

まず始めに、元々私はあまり積極的に異性と関わるタイプではありませんでした。
この人だったら話せるなーと確信が持てないと、自分から関わろうとしない程の慎重さなので、話せる人は限られていました。
ある日他クラスの女友達(以下Aちゃんとします)が、彼女と同じ部活の男の子を紹介してくれました。
彼は優しそうだけれど、どちらかというと寡黙そうな感じの人でした。(以下Cくんとします。)
少し話してみると、静かな雰囲気ですが意外と話しやすかったです。
Aちゃん含め私達は帰る方向が同じで、行き帰りを共にしていく内に仲が深まり、私のCくんに対する人見知りフィルターは完全に外れていきました。
私がアニメーションの映画を観に行きたいと話すと
「えー、子どもじゃん。笑」
とからかってくる様な、そんな関係が楽しくて、学校の行き帰りも私の日々の癒しになっていました。
私達は良い友達。こんな風にいつまでもふざけ合っていれたらいいなぁ…なんて漠然とこの時は思っていました。
恋愛対象?

私の元々の性格を知っていたAちゃんは、
「こんなに楽しそうに男子と話してるの初めてみたよ、Cくん良い人でしょ?彼氏にどう?」
急にこんな事を聞かれた私は、正直そこまで全く考えていなかった事と、別に好きな人がいたことから
「えー、良い友達だよ。それだけ。」
と答えました。
これは照れ隠しなどではなく、本心でした。
Aちゃんがなぜ、この様な事を言い出したのかは今となってもわかりませんでしたが、私達が話しているのをこんな風に思って見ていたのか、と思うとなんだか恥ずかしくて、少し嫌な気持ちでした。
Cくんが嫌だ、という事ではなく、彼氏という以前に友達という関係を築いてしまったので、急に恋愛対象として彼を見る事に大きな違和感を感じてしまったのです。
お似合いだよ

それからまたいつも通りに日々は過ぎていきましたが、Aちゃんが言ったあの言葉がどうしても忘れられずにいました。
そんなある日、Aちゃん、Cくん、他に友達1人を交えて帰り道を歩いていました。
私とCくんが前で話しながら歩いていると、後ろの2人が何か言っています。はっきりとは覚えていませんが、私達が仲良く話してるのをみて、嬉しそうにしている様でした。
その時、私ははっきりと、その友達の言動が嫌だと感じてしまったのです。
その後も何度か「お似合いだよー」などと言われましたが、周りにそう思われることに嫌悪感を抱いてしまいました。
友達としての「好き」

友達としてCくんの事は好きでした。決してCくんに非があったわけではありません。でも私は突然Cくんの事を避けてしまっていました。
今思うと子どもだったなと、態度を変えてしまった事を申し訳なく思っています。
ですがその時の私は、自分の感情に反した事を噂されたり、冷やかされる事がとにかく嫌だったのです。
それからは普通に話をしましたが、前ほど一緒に会話をしなくなり、私の部活が忙しくなったこともあって、帰りも別々になっていきました。
私自身の問題ですが、友達としての関係でいられなかったのか、今でも時々思います。
その後…

私達は卒業し、みんなそれぞれの進路へ向かっていきました。
卒業して数年経った頃、Cくん含め登下校メンバーで集まろうということになりました。私もあれからだいぶ経っていたので、当時の気持ちは薄れ、普通にみんなとの再会を楽しもうと思いました。
少し緊張していましたが、いざ会ってみると変わらない雰囲気のCくんもいて、当時の仲良くしていた時の様に話すことができました。
周りの目を気にせず接していれば、もっと良い関係を築けたかもしれないと思うと後悔もありました。
ですが、Cくんも彼女ができたとか、夢に向かって頑張っている事を聞き、嬉しく思いました。
このメンバーでの集まりはこれっきりになってしまいましたが、最後に以前と同じように再会する事ができてよかったと、この時思いました。
好きの種類

この様に、「好き」には同じ言葉でも全く違う意味があります。
女の子が男の子に対して「好き」という感情を持つと、恋愛感情として見られてしまいがちですが、どんなに仲が良くても必ずしも恋愛感情になるわけではないと、この時の経験から学びました。
高校生の、まだ幼く多感な時期に経験したむず痒い感情のお話でした。
N486著









コメント
コメント一覧 (2件)
pr
今回は、仲の良かった異性に対しての「好き」の感情の違いについてのお話を書いていただきました。
普段から異性に積極的になれなかった著者は、女友達AちゃんからC君という男の子を紹介されます。
彼とは気が合い、次第に良い友人関係になっていきました。
しかしその光景を「恋愛」として見ているAちゃんの言葉に著者は引っ掛かります。
当時著者には別に好きな人がいてC君のことは本当に友人として好きだっただけなので、恋愛対象として見ることに違和感を覚えたのです。
そして、自分の感情に反した噂を流されたり冷やかしが嫌だった著者は、何も悪くないC君のことを遠ざけてしまいます。
しかし卒業して当時の気持ちも薄れた後、以前と同じ友人としての再会を果たすことができ嬉しく感じました。
異性に対しての「好き」の感情の違いについて悩む少女の様子がとてもリアルで、学生時代ならではの心の葛藤が繊細に描かれています。
「好き」にもいろいろな形があると学ぶ、少女の心の成長が上手く表現された良い作品です。
検収者 kitsuneko22
㉒kitsuneko22-10