誰しも寂しさを感じたことはあるだろう。
今回は寂しさが恋を繋いだ話をしようと思う。
私の大学時代の同級生の話だ。
出会い

私が関西にある大学の部活動で知り合った男性の友人は、その後我が部の部長にまでなる人間だった。
部を引っ張っていけるほどの人間性のある彼だったが、自分のこととなると無頓着でだらしない反面もあった。
私たちは同じ部活動だったが、部の運営上活動の近しい部活動の部員たちと仲良くなることも多かった。
自身の活動の中、他の部活の部員の女の子と話が合う事もしばしばあるためだ。
彼とは入部時に出会ったのだが、彼はその年の夏には付き合いの近い他の部の女の子と付き合っていた。
私もその女の子のことは良く知っていたため、心から応援をしていた。
全て順調?

一回生の時から付き合っていた彼らだったが、みるみるうちに私たちは4回生になった。
友人の彼は持ち前の無頓着さで、飲みにいった時も彼女の話は滅多にしなかった。
そのため長く続いていたこともあり全てが順調のように私たち周囲の人間は感じていた。
何より違う部活動の女の子だ、痴話喧嘩やお互い気まずくなることがあったとしても周囲に与える影響も大きくはない。
そのため周囲からの注目も、部内で交際をしている人よりも薄かったように思う。
「俺らも別れることになった。」
4回生の夏、大学近辺に下宿をしていた私の家に泊まりに来た時に唐突に唐突に別れた事を告げられた。
私が辛い失恋を迎えた直後の出来事だったらしい。
なぜ別れたのか

一体なぜ別れることになってしまったのか、定期的に交際状況を話すことのなかった彼だったため皆目見当もつかなかった。
「えらい急やな、なんでなん?」
そう聞いてみたが当たり障りのないことしか話さないのでいまいち要領を得ない。
ほとんどの大学生活を彼女との交際に費やしていた彼のことだ。
流石に付き合いが長い分おおよその予想はついていた。
「もう少し遊んでみたい」
という男特有の仕様のない出来心が働いて、彼女を振ったのだろうか。
と、彼の話を聞きながら考えていた。
1カ月後

あれから1カ月後、彼らはヨリを戻していた。
「いや、どないやねん!!」
持ち前の関西弁でのツッコミが炸裂した。
彼には何度聞いても定型分(ていけいぶん)のような返答しか返ってこなかったが、恐らく自分で振った手前、寂しくなってしまったのだろう。
側から聞くと、そんな感じでヨリを戻してこの先うまくいくだろうかと心配にもなった。
彼女は以前の別れ際には号泣していたらしいしうまくいくといいのだが、、、
「寂しい」だけを理由にヨリを戻してもいい結果になるとは毛頭思えない。
彼に深く話を聞いて、自分なりにうまくアドバイスをしてあげられないだろうかと思うが深く話してはくれなかった。
自分自身も恋人と別れて後悔していたため、彼がヨリを戻せただけでも奇跡のように感じていた。
そのため野暮な物言いはせずに見守るようにした。
現在では

一連の騒動から2年経った現在。
彼らは今もまだ交際を続けている。
ここまでに何度かもう一度別れるかどうかの瀬戸際になったこともあるようだが、なんとかうまく続いているようだ。
来年には同棲する話も出てきているぐらいに。
以前に心配していたことが嘘のように2人で支え合って生きているようだ。
無頓着で、だらしないところのある彼だったがどこか私と似ているところもあったように思う。
だからこそ恋人と別れたままでいる私は、彼がヨリを戻せたことが奇跡のように感じているのだろう。
そんな彼の姿を横で見ていて羨ましくもあった。
ヨリを戻してもうまくいくはずがないと思うことでその瞬間の自分が少しでも救われるような気がしていただけなのかもしれない。
しかし、彼が今も幸せに交際を続けている事は何より素晴らしいことだ。
このまま捻くれた考えを持つよりも、彼の成功例を糧にしていくべきだと頭では分かっている。
いつかは私もあの失恋の踏ん切りをつけられると良いのだが。
終わりに

「寂しいから」
そういう理由でヨリを戻したり、恋人になることは自分の経験からはうまくいくはずが無いと私は思っていた。
しかし私の友人はそれを成し遂げた。
1度別れた時に間違いに気付いて、彼女と今もなお幸せに暮らしている。
後悔とは以前より幸せでない時にするもので、その先こそが肝要なのだと常々思う。
私は後悔を引き摺ってばかりで、彼は先へ進んだ。
「寂しさ」が繋げた恋にもうまくいくほどの恋だってあるのだ。
恋人になる事は人それぞれの形があるのだろう。
どんな失恋や、辛いことがあったって乗り越え、「のんびり自分らしく」で良いのだ。
kfgjh575f著









コメント
コメント一覧 (2件)
pr
katoh.comさん
5記事目の投稿をして頂きまして有り難う御座います。
それでは早速検収をさせて頂きます。
今回の作品は、大学時代に経験したことで、同じ部の尊敬する先輩が引き起こした恋愛事情を記事にして頂きました。
その先輩とは、部を引っ張っていけるほどの人間性のある存在だったのですが、自分のこととなると無頓着でだらしないところが有りました。
☞人物の表現が愛情味があって巧みです。
先輩とは入部時に出会ったのですが、彼はその年の夏には既に他の部の女の子と付き合っていました。
私もその女の子のことは良く知っていたため、心から応援をしていました。
☞徐々にドラマの進行が進む様子が読者の興味を引きます。
私の4回生の夏ごろ、大学近辺に下宿をしていた家に先輩が泊まりに来た時に唐突に唐突に別れた事を告げられた。
「俺らも別れることになった。」
☞大学生活の様子が垣間見れて面白い表現になっています。
それから1カ月後、何と彼らはヨリを戻していた。
自分自身も恋人と別れて後悔していたため、彼がヨリを戻せただけでも奇跡のように感じていた。
学生から社会人となり一連の騒動から2年経った現在。
先輩達は今もまだ交際を続けている。
そんな先輩の姿を横で見ていて羨ましくもあった。
☞それぞれの恋愛事情を、それとなく比較させながら物語を進展させることに成功しています。
有り難う御座いました。
今回の作品もkatoh.comさんの作品作りの巧さが出ています。
それでは今回の作品の検収をこれにて完了とさせて頂きます。
次回の投稿記事も楽しみにお待ち致します。
井上保夫