静かな片思い

私は専門学校2年生。
特にやりたいことも見つからなかったから資格の取れるこの学校に通っている。
高校の頃はぱっとしなかったけど、今は明るく面白いの友達に囲まれ楽しく過ごしている。
そして私には1年の頃から片思いしている同じクラスの男の子がいる。
普段好きな人が出来ても友達にすら言わない私だけど、この前友人のユイにばれてしまった。
「ねぇ、勘違いだったらごめんだけど、つっちーのこと好きだったりする?」
「えっ!?」
「やっぱりそうなんだ~わかりやすすぎ笑」
「な、なんでわかったの??」
「だってずっとつっちーのこと見てたよ、さっき。笑 でも意外だな~、なんでつっちーなの??あいつ変わってるじゃん笑」
「そうだけど…なんか好きなの…」
「そうかそうか笑 いいな~恋してるね~!」
多分彼のことを好きでもない人が普通に見たら、下ネタ普通に言ってるし授業もやる気ないし、小学生がそのまま成人しちゃったみたいな人だったからなんでって言われるのはすごくよくわかる。
自分でもなんでだろうとたまに思ったりもするけど、誰も見ていないところでいつも自然体で、誰に対してもナチュラルで対等に接する優しいところが好きになってしまった。
作戦開始!

「なんかアクション起こさないの?」
いつもの仲良しグループのミカやマイにも伝わり、4人がかりで作戦が始まった。
とはいえ専門学生の2年目は就活真っ只中。
恋愛に専念するにはなかなか難しい時期だった。
そこでまずは、大人数での飲みを計画してくれた。
友人たちの配慮で近くの席にしてもらったものの、その日は意識しすぎてやっぱり顔を見て話すことが出来なかった。
「あ~!もったいない~せっかくのチャンスだったのに~」
「しょうがないよ、うちらの目もあると思うとより緊張しちゃうんだよ」
ミカがマイをなだめる。
「ごめんね、せっかく企画してくれたのに…」
「大丈夫、まだまだできることはあるから」
ユイがそう言ってその日の飲み会のグループラインを作ってくれた。
「これでOKっと!個人追加してまずは1対1で話す練習ね!」
ユイがにやりとしながら私の携帯をいじって返してきた。
「…あ!つっちーの勝手に追加したの?!」
「大丈夫大丈夫。何気ないことを聞いたり、今日楽しかったねって送ってみ!」
こうしてつっちーの連絡先をゲットした私は友人たちの助けをもとにメッセージを始めることになった。
彼とのメッセージ

「昨日は楽しかったね、またみんなで飲みに行きたいね」
緊張する~と思いながら、送信ボタンをおした。
あ~送っちゃった。彼に言ってどうするんだ。返ってこなかったらどうしよう。
いろんな思いがぐるぐる回った。
ー30分後。
「楽しかったね。でもあんまり話せなかったね」
返信が返ってきた~!!!うれしさがこみ上げる。
でもすぐに返事したら引かれちゃうよね、と思って打ちかけた文字をいったん消す。
普段なかなか話しかけられないけど、ラインでなら話せるかも。
いつも見つめるだけだった彼と少し近づけた気がしてうれしくなった。
しかし、それから数日やり取りしたものの、ある日ぱたりと返信が途絶えてしまった。
そうなると学校に行く気持ちも落ち込む。
ー学校で顔を合わせた時どうしよう。
そんな気持ちとは裏腹に、特に彼との接点がない日々が過ぎていった。
それからまた数日後。
ユイと就活の準備でPC室にいた時だった。
「で、あれから最近進展あった??」
「それがメッセージしてたんだけど急にメッセージが途切れちゃって…」
「えー!どれ、見せてみ!…あ~これ途切れたというか普通に会話一旦終わってるから返さなくて大丈夫って思われたんじゃないのかな?」
「えっそういうこと?!」
よくよく見返してみると確かに会話が途切れていた。
「てかそろそろさ、ラインだけじゃなくてリアルでも行動起こしてみれば?」
ユイの言葉にドキッとする。
「え~、でも緊張しちゃう…」
「でも行動しなきゃず~っとこのままだよ?もうすぐ夏休み入っちゃうし会えなくなるよ?」
ー…それは確かに。夏休みも会えたらいいなぁ
そんな話をしていた時だった。
ーガチャ
「よぉ、あれ今日全然人いないね~」
つっちーが急に部屋に入ってきた。
タイミングがあまりにも良すぎて、話聞かれてなかったかな…と心臓のどきどきが止まらなかった。
そんな気持ちも知らずにつっちーは鼻歌を歌いながらマイペースにPCで調べものをしていた。
「ね、つっちーって夏休みなんか予定あんの?」
急にユイが話しかけた。
「いや~何にもないね~、まぁのんびりして過ごす感じかな~」
「そ、そうなんだね!旅行とかも言ったりしないの?」
どきどきしている気持ちを抑えながら話の輪に入った。
「そうね~、まぁ誘われれば行くかもだけどね~」
ユイがちらっとこっちを見る。
ーやめてよ!ばれちゃう!心の中で叫びながらユイへジェスチャーを送った。
そんな私たちをよそに、調べものが終わった彼は教室を出て行った。
「じゃっお先~!」
ーパタン
「つっちー予定ないってよ~??夏と言ったら海とかプールとか花火とか誘っちゃいなよ~」
ユイがけしかける。
あっ、これいいじゃん!そう言ってユイが近所では規模の大きい花火のHPを見せてきた。
「浴衣姿にぐっとこない男はいないって!誘っちゃいなよ~!うまくいけば夏休み沢山会えるよ??」
ー沢山会える。。。
その言葉に背中を押され、その日の夜、人生初めて自分から花火デートに誘った。
彼の返事は…

相変わらずラインの子の返事を待つ時間が苦手だ。
かれこれ2時間待っている。
ーピロン
来た。どきどきしてみるのが怖い。
「ごめん。そのひ近所のお祭りがあるんだよね。」
ーえ。予定ないっていってたじゃん。近所のお祭りってそんな優先順位高いものなの??
「そっか…わかった!ごめんね急に誘って!」
折角勇気を出したのに…
悲しかったものの、メッセージでのやり取りばかりだったのもあったんだろうなと反省した。
その日を境に彼へのアプローチはやめた。
ユイにはリアルでがんばろ!と言われたものの、もうそんな自信もなかった。
あっけなく私の片思いは終わった。
will著









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