つらかった僕を救ってくれた彼女。僕は守ってあげたかったのに・・・。

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勉強で忙しかった高校時代

僕の高校時代の話をしよう。
僕は看護学科のある高校に通っていた。
5年間で、高校卒業と看護師の資格が取れる。

僕は小さな離島で育った。
僕の両親は、僕が3歳の頃に離婚をして、僕は父に引き取られた。
シングルファーザーでは仕事が続けられなかった父は、僕を田舎に預けて東京で働いていた。
そのため僕は父かたの祖父母に育てられた。

中学を卒業し、奨学金で学費のかからない高校の看護学科を選んで進学した。
その高校は、資格取得後にそこに就職するとう約束で、病院からの奨学金がもらえ、ほとんど学費の必要のない学校だった。
父や祖父母には経済的な負担を賭けたくなかったからだ。

家からは通えないので、寮に入って5年間過ごした。
普通看護師は、高校卒業後3年間の専門学校か4年制大学に進んで、国家試験を受ける。
それを、高校卒業課程+看護学を5年で終えるというプログラムは、普通の高校よりもかなりハードなものだった。
おまけに男子寮とはいえ、寮の中ではいろいろつらいこともあった。

5年の間には、付き合った子も何人かいたが、学校のカリキュラムがハードで長続きはしなかった。
専門2年(5年生)のときは、一番つらかった。
国家試験に向けて勉強ばかりの日々。
何人もの同級生が、ついていけずに辞めていった。

僕もあまり成績がよくなかったので、精神的にかなりつらい日々だった。
でも、育ててくれた祖父母の期待を裏切ることは出来ないと頑張っていた。
そんな僕の息抜きは、オンラインゲームだった。
もちろん勉強の合間にちょっと気分転換する程度だったが。
そんな、ストレスで押しつぶされそうなとき、オンラインゲームで彼女と知り合った。

顔も知らない彼女との出会い

彼女とは、オンラインゲームで知り合ったので、はじめは顔も知らなかった。
仲良くなるにつれて、お互いの悩みを相談するようになっていった。
僕は自分の複雑な生い立ち、彼女は家族の悩み。

彼女の親はとても厳しく彼女を育てたそうなのだが、彼女にとってはそれはトラウマで、精神的に弱い彼女は、少しうつな面があった。
僕は僕で、親の都合で祖父母に育てられたということで、子供の頃さみしい思いをしたのは確かで、お互いに家族の悩みがあった。

そこに来て看護師の国家試験のプレッシャーだ。
祖父母や叔母たちは、いつもは優しいが、あまり悩みを相談は出来ない。
中学時代の友達とも疎遠、学校の友達も悩みを相談できるほど仲のいいヤツはいない。
そんな僕の愚痴を、彼女は優しく聞いてくれた。
オンライン上ではあるが、気持ちが通じるにつれて、そんな彼女を僕も支えたいと思うようになっていった。

そんな彼女の支えもあり、僕は無事国家試験に合格した。
国家試験合格後は、奨学金をもらっていた病院で働くことになっていたので、卒業すると、病院のある東京に引っ越すことになっていた。

彼女はというと山口県に住んでいた。
いわゆる遠距離恋愛になることはわかっていたことだ。
国家試験に合格した僕は、もう彼女のことしか考えられなかった。
「一度ちゃんと会ってみたい!」
彼女に伝え、卒業したら会う約束をした。
しかし彼女の父親はとても厳しく、誰とも知れない僕との交際など許してくれるとは思えなかった。
彼女は父親には内緒にしたまま、僕が卒業して引っ越すタイミングで、東京で会うという計画をたてた。

上京

彼女を東京に呼んでデートをするといっても、その時の僕はまったくお金を持っていなかった。
僕はずっと寮生活で、試験勉強に明け暮れていたため、アルバイトも出来なかったからだ。
まさか彼女とデートをするからお金が欲しいなどと、父にも祖父母にも頼めるわけがない。
どうしようかと考えた僕は、長い間連絡を取っていなかった母親に連絡をした。

両親の離婚の原因は母親にあった。
だから僕の親権は父が持ち、父方の祖父母が育ててくれたのだ。

その母親が、高校の時いきなり目の前に現れた。
SNSで僕を探して、学校にいるのかを突き止めて会いにきたのだ。
正直びっくりしたし、育ててくれた祖父母に悪いので、その後連絡を取るつもりなどなかった。

しかし彼女とのデートしか頭になかった僕は、母のところに行けば小遣いがもらえるのではないかという悪知恵を思いついた。
背に腹は代えられないと思った僕は、母親を頼った。
もちろん、母親と母方の祖父母は喜んでくれた。
しかし僕の心のどこかには、父親と祖父母、叔母たちへの後ろめたさがった。
この計画は、父の知るところとなった。
はじめは反対されたが、結局僕は母親を尋ねることができた。

当初の目論見通り、母親と母方の祖父母に小遣いをもらい、僕は彼女が東京に来るのを待った。
初めて彼女と会って、ディズニーランドに行ったり、東京見物をして回った。
最初のデートはとても楽しい思い出となった。

仕事をしながらの遠距離は難しい

4月になり、僕は病院で働き始めた。
国家試験には通ったが、僕は正直、仕事を甘く見ていた。
実際の看護師という仕事は、学校で習うものとは全く違っていた。
失敗をして先輩から怒られることの繰り返しの日々で、自信を持てない状態だった。
仕事の性質上、休みも不規則で、彼女との連絡がなかなか取れない状態が続いた。

僕は彼女がとても好きだったし、大切にしたいと思っていた。
しかし、そんなすれ違いの日が続いていたある日、彼女から「別れたい」という連絡がきた。
僕は何が何だかわからなかった。
忙しい中、時間を作って彼女に会いに行ったりもしていた。
僕は、時間をやりくりして、何とか彼女との時間を作ろうとしているのに。
こんなに彼女を大事に思っているのに。
そう思っていた僕は、彼女にとっては重たい存在になっていたのだそうだ。
距離が離れているうえに、連絡がなかなか取れなかったことで、僕は彼女を縛っていたのかもしれない。
考えてみれば、愚痴の数も増えていた気がする。
結局、僕たちは別れることになった。

その後僕は、近くに住んでいる子と付き合った。
遠くにいるより、近くにいてくれる方が、すぐに会えるし楽しい。
やっぱり遠距離恋愛はなかなか難しい。

opeku著

 

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