学童保育から一緒だった彼女とこんな事になるなんて!


母と姉に手を引かれ・・・・・・


小学校に上がる頃、「学童保育」へやってきた。

僕には2歳年上の姉がいるのだが、姉と共に入所する事になった。

学童保育とは、学校の放課後に共働きで両親が家にいない子供を面倒見てくれる保育所。

今までは母親が家にいたのだが、家計の足しにとパートに出る事になった。

翌日から学校帰りに姉と共に学童保育へ通う日々が始まった。


年下の女の子


学童保育に入ってから2年後の小学3年生になった時、一人の女の子が入所した。

小柄で顔が小さく、目がくりっとしている女の子だった。

「チホと言います。こんにちは~」

2歳年下で保育園の弟と一緒に挨拶をしてくれ、その日からドッチボールや

かくれんぼなどたくさん遊ぶようになった。

いつからだろう、好きになったのは。

彼女がだんだん学年が上がるにつれ、髪は長くなり子供から女の子、

そして女性へと変わっていったように思う。

学童保育は小学6年生までで終わるため、僕は彼女より2年早く退所した。

ただ、中学校に入ってからも卒業生として顔を出し、中学での話や彼女の話、相談を

受けていた。

そして、彼女も退所し同じ中学へ進学となった。

学校で彼女を見かけては挨拶や多少話し込む程度に付き合いがあった。

学童にもたまに一緒に顔を出していた。

そして、中学を卒業して離れ離れになった。


思わぬ再会をはたし・・・


僕は隣の市にある高校へ入学した。

男子校ではないが、男子しかいない高校で友人たちと過ごしていた。

高校3年の初夏、放課後に友人宅へ遊びに行き、夕方7時を過ぎた頃だった。

最寄り駅でベンチに座り、缶コーヒー片手にのんびりしていた。

当時缶コーヒーは100円で買えた。

もうそろそろ帰ろうか・・・と思い、立ち上がった時電車が入線した。

乗降客は多くはないが、改札が小さいため多少混みあう。

そんな中、懐かしい顔を見かけた。

「あれ、チホじゃないか?」

「あ!お久しぶりです!」

珍しい時間に思わぬ再会をはたし、立ちかけたベンチに2人ならんで腰かけた。

どこの学校に行っているか、学校生活はどうだ、部活でもやっているか等、

お互いの近況に話が弾み、気が付けば30分以上も話し込んでいた。

お互いもう遅いからと途中まで一緒に帰った。

僕は久しぶりの彼女に目を奪われた。

最後に見たのは中学1年の彼女だったため、顔は更に女性らしく、可愛らしいよりも

美人になったというのが正直な感想だった。

胸がドキドキしていた。

あの頃に抱いていた想いが再び湧き上がってきていた。

が、今日は本当に偶然に出会っただけで、またいつ会えるかわからない。

今のように携帯電話がある訳でもなく、連絡先など聞けようがない。

この想いは止めておかなければ・・・と強引に封印しようとした。

そして・・・思い出したくない行動に出るきっかけを迎えてしまった。


とめどない想いの果てに


その出会いから2週間ぐらいたった頃、少しずつ彼女の事を苦しく感じなくなり、

学校の生活にも日常が戻ってきた。

その日は特に寄り道もせず、夕方には最寄り駅についた。

汗っかきな僕はひたすら汗を拭きながら、早く家に帰って扇風機に当たりたい・・・と

考えていた矢先、後方から僕を呼ぶ声がしたのだ。

チホだった。

また偶然にも出会ってしまい、静かだった僕の心は動揺し、胸はドキドキを打った。

彼女から話しかけてきてくれた・・・ベンチに座り、1時間くらい話をした。

楽しくて嬉しくて、もっと話していたかったがいい時間だったので、一緒に帰る事に

した。

「いつもこのくらいの時間なの?この前はずいぶん遅い時間だったけど。」

「この前は親戚の家にお使いを頼まれて帰りが遅かったんですよ。」

「そうなんだ。あんまり遅いと心配しちゃうね。」

「更に遅くなりましたけどね。」

そんな他愛のない会話をしながらも、僕はあることを心に決めた。

次の日、僕は最寄り駅にいた。

正確には放課後の最寄り駅でベンチに座っていた。

彼女が降りてこないかと希望を持って。

電車が1本、2本、3本と駅に止まり発車していく。

何度眺めただろう。

そして10本位見送った後に、家に帰った。

そんなことを僕は毎日繰り返した。

会った時は偶然を装い、ベンチで話す。

会えなければがっかりして家に帰る。

毎日に一喜一憂して過ごしていった。

偶然を装って話をしてくれていた彼女はその後だんだん偶然が少なくなっていった。

会えない日が続いて、もやもやを毎日抱えていた。

そして、2週間もした頃には偶然もなくなっていた。


この想いの行く先はどこにも行かない


今思えばなんともあぶない人であっただろう。

駅行く人たちはいぶかしげに見ていただろうと思う。

結局、以降も偶然はなかった。

1か月位して、僕も普通の日常が戻った。

放課後の最寄り駅にはそんなドラマもある。

そして彼女への想いはどこへも行かずに消滅している。

再会したらまた湧いてくるのかな・・・少し怖い。

yosiki著

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

この記事を書いた人

コメント

コメント一覧 (1件)

コメントする

目次