幼い頃に好きだった人を覚えていますか?
今回はそんな、少し昔の恋についてお話しします。
昔の淡い記憶

小学5年生くらいのまだ幼く、目の前のことにとにかく全力になる様な時期。
また、子供から大人への憧れが強まり、少し背伸びをしたがる時期でもあります。
この頃の私は少女漫画や恋愛映画、ドラマが大好きで、あんな風に素敵な恋が自分にもできるのかなぁと、漠然と憧れを抱いていました。
私の性格はどちらかというと引っ込み思案で、大人しい方でした。
しかし当時仲良くしていた女の子は、私と違って明るく少しませていて、顔立ちも整っており、男女共に人気のある子でした。
なので彼女と一緒にいると自然と男女共に集まってきて、放課後みんなで校庭で遊んだり、帰ってから集まって遊んだりと、割と賑やかな学校生活を送っていました。
よく遊ぶメンバーの中に、ムードメーカーの様な男の子がいました。
明るく面白い性格で、彼も男女共に人気がありました。(以下、Aくんとします)
私は彼とグループ内で接していく内に、幼いながらも“好き“という感情が彼に芽生えていったのでした。
あの子とは違う

何度もAくんと遊ぶ機会がありましたが、引っ込み思案な自分の性格もあってなかなか自然に接する事ができませんでした。
一方人気なあの子は誰にでも、もちろんAくんにも平等に、明るく接していました。
そんな彼女を羨ましく思いながらも、どこかで“私はあの子とは違うんだから“と諦めている様な気持ちもありました。
好きなもの

小学生ならではかもしれませんが、遊びに行く時のカバンにはいつも何かしらのお菓子を入れていました。
私は箱に入ったいちごのチョコレートを入れていたのですが、ある日それをカバンから出して食べていると、Aくんが近寄ってきて
「俺もそれめっちゃ好きなんだけど」
と言ってきました。
突然で驚いた私は、咄嗟にそのお菓子を分けてあげました。
それからAくんは、このチョコを持っていると近寄ってきて、貰いに来る様になりました。
これがきっかけで、Aくんとは前よりも少しずつ話せる様になりました。
思い出はそのままに

それから日々は過ぎていき、バレンタインなどのイベントもありましたが結局勇気が出ず渡せずじまい…。
そのまま私達は中学生になりました。
生徒の人数が増え、部活も始まり私達はもう、昔のように遊ぶことはなくなりました。
楽しかった日々が嘘のように関わりを持たなくなってしまいましたが、Aくんは中学でも変わらず中心にいる様な存在だったので、きっと彼は小学生の時に毎日の様に遊んでいた事なんて忘れてしまっているのだろう、と思っていました。
そのまま何もないまま中学を過ごし、高校は全く別のところへ行き、この時は私も昔のいい思い出としてAくんの存在を仕舞い込んでいました。
高校を卒業し専門学生になり、もう会う事はないだろう。と思っていたある日、たまたま寄った本屋さんに、Aくんが働いていたのです。
そしてこれまた偶然にも、私はAくんが担当するレジに並んでいました。
私の事なんてどうせ覚えていないだろう。と思いながらも、久々に見るAくんの姿に少し緊張しながら、順番が来たのでレジへ向かいました。
Aくんはあまりこちらの顔を見ていない様で、対面した瞬間は何も言われませんでしたが、その後会員カードを出した時、初めてこちらに正面から目を向けられました。
「あれー?めっちゃ久しぶり。」
と言われました。
その発言があまりにも意外過ぎて思わず私は
「覚えてるの?」
と聞いてしまいました。
「覚えてるよー!」
とAくんはあの時と変わらない笑顔で答えてくれました。
他のお客さんもいたのであまり長くは話せないまま、私は軽く挨拶をしてその場を後にしました。
Aくんへの恋心は全くありませんでしたが、彼が私の事を覚えててくれたという事になんだかとても嬉しくなった帰り道でした。
たまに利用する本屋さんだったので、その後もそこで彼の姿を見かける事は何度かあり、お互い見つけると軽く会釈する程度でしたが、なんだか昔の思い出が蘇ってきて、少しノスタルジックな気分になりました。
今回は幼い頃の思い出を思い出したお話しでした。
N488著









コメント
コメント一覧 (2件)
pr
今回は、幼い頃に恋をした彼との懐かしい思い出話を書いていただきました。
当時引っ込み思案だった彼女は、明るくて人気な友人とグループで遊んでいて、自然とメンバーが集まっていました。
そのメンバーの中の一人のA君は友人と同じく人気者でムードメーカー的な存在の子。彼女はそんなA君のことを好きになります。
しかし引っ込み思案な彼女は友人と自分を比べ、「あのことは違うから」と諦めたような気持ちでいました。
ある日、鞄に入れたチョコを食べているとA君が「それ俺も好き!」と貰いに来るように。これがきっかけで2人は話すようになります。
しかしそのまま中学生になるとグループは別れて話す機会がなくなり、高校は別々になったので良い思い出としてしまいこんでいました。
専門学生になり本屋へ行った彼女は、レジを担当しているA君と遭遇!A君は彼女のことをちゃんと覚えていました。
お互いに会うと会釈をする程度の関係でしたが、会うたびに懐かしさが蘇りました。
幼い頃の純粋な恋心がとても上手く表現できています。
読者を題名通りのノスタルジックな気持ちにさせてくれるような、味わい深い作品に仕上がっています。
検収者 kitsuneko22
㉝kitsuneko22-10