10年ぶりのバレンタインデー

皆さんにはバレンタインデーの思い出がありますか?

きっとどんな方にもひとつやふたつはあるのではないでしょうか?

これは友達のバレンタインデーにまつわる素敵な恋のお話です。

目次

初めてのバレンタインデー

 

小学校4年生の冬。
私は初めてバレンタインのチョコを渡すことにしました。

相手は同じクラスの男の子。
席替えをきっかけに仲良くなって
よく一緒に遊ぶようになりました。

好きな理由はカッコいいところと、
なんか周りより大人びているところ。
小学生によくある理由です。

もともとチョコを渡すつもりはなかったのですが
お姉ちゃんが彼氏に渡すバレンタインの準備をしている姿を見て
自分も渡したくなりました。

バレンタイン前日、
私は家族に冷やかされながらも一生懸命チョコを作りました。
チョコレートを溶かして型に入れて固めただけのものと
生クリームを混ぜて丸めたトリュフの二種類です。

事前に準備していたボックスにチョコを入れてリボンをかけたら
急に緊張してきました。

「明日どうやって渡そう...」

普段からそういうタイプではないので
チョコを作ったことに後悔しつつ眠りにつきました。

バレンタイン当日

朝になり、私は緊張と不安でいっぱいのまま学校に行きました。

本当は学校で渡すつもりでしたが
タイミングが合わずそのままホームルームになってしまいました。

「帰りに渡したいけど男子と帰るだろうな」

気がつくと、案の定その子は友達と帰っていました。

どうしようもなくなった私は仕方ないので
その子の家に渡しに行くことにしました。

今考えるとよくそんな勇気があったなと思います。

「ピンポーン」

その子の家に着きインターフォンを鳴らすとお母さんが出てきました。
お母さんが出てきたことと、その子にそっくりで美人な人だったので
びっくりして固まってしまいました。

「〇〇のお友達?〇〇なら公園に遊びに行ったよ。」

「公園に行ってみます。ありがとうございました。」

全然予定通りに進まないのでちょっとヤケになっていた私は
走って公園に向かいました。

公園に着くとその子がいたので

「チョコ作ったからあげる。」

「好きです」とも言わずそんな感じで渡しました。

「ありがとう。嬉しい。」

その子はそう言って受け取ってくれました。
私は恥ずかしくなって走って帰りました。

ホワイトデー

チョコを渡してからもその子と仲良くしていたのですが
ホワイトデーが近づくにつれて私はソワソワしていました。

そしてホワイトデー当日。
学校から帰って家でゆっくりしていると
インターフォンが鳴りました。

「ピンポーン」

ドアの覗き穴を見るとその子が玄関に立っていました。

「はーい!」

私がびっくりして慌てて出ると

「これバレンタインのお返し。」

可愛くラッピングされた箱をくれました。

「え!ありがとう。」

お礼を言ってバイバイしました。

わざわざ家まで持ってきてくれたことが
すごく嬉しくて私はしばらくプレゼントを眺めていました。

ふたりの関係

が、なぜかそこからふたりの関係が気まずくなってしまいます。

その子のことが好きなのになぜか避けてしまい
話しかけられても冷たい態度をとるように
なってしまいました。

私は照れ隠しをしたかったのかもしれません。

その子とまともに話せないままクラス替えの時期になりました。
見事にクラスは別々。
それから2年経ってそのまま卒業。
中学校も別々になり会うこともなくなりました。

成人式

そこから8年経った成人式の日。

「〇〇だよね?」

成人式の会場で友達と写真を撮っていると
知らない男の人に話しかけられました。

誰かわからず考えていると

「〇〇だよ。小学校一緒だった。」

「あー!」

名前を聞いてやっと気づきました。
大人になったその子は相変わらずカッコ良かったけど
今まで思い出すこともなかったので驚きでいっぱいでした。

「〇〇は同窓会行くの?」

「行くよー!」

小学校の同窓会に行く予定だったのでそう答えました。

「じゃあまた後で!一緒に飲もう。」

夜になり同窓会へ行きました。
〇〇を見つけ隣の席で飲むことになりました。
すると、

「バレンタインの時チョコくれたよね?」

急にその話をされたのでびっくりしました。

「あげた!あげた!」

「なんでホワイトデーの後から冷たくなったの?」

「えっ...。そうだったけ(笑)?」

「俺、結構悲しかったのに。」

なんかそう言われて私は少し照れてしまいました。

そこからお互いの今までの話で盛り上がっていると
あっという間に解散の時間になりました。

「また会えて良かった。今度二人で会える?」

私は彼と連絡先を交換しました。

それから何度か二人でデートをしました。
もちろんあの時に比べると大人になっていますが
懐かしさもあって私はまた彼を好きになっていました。

2月14日

バレンタインデーの日。

「10年ぶりだけど、〇〇が好きです。」

私はやっと気持ちを伝えられました。

「俺も好きです。付き合ってください。」

二人は10年ぶりに気持ちを伝え合い
付き合うことになりました。

今でも幸せそうな二人を見るとちょっと羨ましくなります。

o448著

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この記事を書いた人

コメント

コメント一覧 (2件)

  • 今回の作品は、小学生の初めてのバレンタインにまつわるお話を書いていただきました。

    小学生だった友達は、同じクラスの男の子を好きになります。
    姉の真似をしてバレンタインチョコを手作り。学校で渡そうと考えますが、既に男の子は帰宅していました。
    友達は勇気を出して男の子の自宅を訪ね、公園で遊んでいるという男の子の元まで直接チョコを渡しに行ったのです。
    仲良く接しつつもソワソワした日々を過ごし、やってきたホワイトデー。
    なんと男の子は友達の自宅に来て、バレンタインのお返しのプレゼントを渡してくれました。
    しかしその後、照れ隠しで冷たい態度をとってしまい、男の子とまともに話せないまま別々の学校へ行き会うこともなくなります。
    それから数年後の成人式で、大人になったその男の子と再会。
    当時のことを話しているうちにまた好きになり、付き合うことになったのでした。

    初めてのバレンタインで感じる緊張や不安、照れ隠しのための行動など、小学生らしい純粋な心理状況が上手く表現されています。
    当時同じように恋愛をしたことがある読者なら、自分の経験と照らし合わせて共感をしてくれるでしょう。
    文章構成もよく、読みやすく仕上がった素晴らしい作品です。

    検収者 kitsuneko22

    ⑪kitsuneko22

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