男女の友情は成立するのか、それとも・・・。彼女が教えてくれた答えは大きすぎた!

まるで太陽みたいな人

ナミとは、高校は別々だった。僕の仲の良い友達が、ナミと同じ高校に通っていたため、友達からナミの話だけは聞いていた。その友達は、ナミのことをこんな風に話してくれた。

「彼女は、明るくて、人気者。まるで、太陽のような人。」

「ナミが笑えば、隣の隣の教室まで、笑い声が届くんだ。」

 

大学生になって、友達の家でお酒を飲んでいると、ふと、友達が言った。

「ナミってわかる?あの子の家そんなに遠くないから、呼んでみようか?」

ナミはちょうど暇だったみたいで、本当に来てくれた。

「初めましてー!ナミです!よろしくー!」

以前友達から聞いていた印象そのまま、ナミは明るい笑顔で、部屋に入ってくるなり挨拶してくれた。この時は、明るい友達ができた、という感じだった。

 

 

飲み会をきっかけに・・・

社会人になって、ナミを含めたメンバーで飲み会をしようとしたことがあった。

だが、社会人になりたてで、メンバーにドタキャンが相次ぎ、行けるのは僕とナミだけになってしまった。

ナミに電話してみた。

「結局集まれるのは僕とナミだけみたい。どうする?」

 

ナミは特に迷うことなく言ってくれた。

「せっかくだから、いこうよ」

最初は少しぎくしゃくしていたが、だんだんお酒も進み、深い話をするようになった。

話を聞いていると、ナミは、明るい太陽みたいな笑顔の裏で、いろんな悩みを抱えていた。

本当は、人見知りで、すごく人に気を遣ってしまう。

みんなにいい顔しているような自分をすごく嫌になることがある。

自分は八方美人なんじゃないか。人の目がすごく気になってしまう。

 

ナミの話は、僕にはすごく共感できる部分があった。僕はナミの話を真剣に聞き、今まで一人で考えてきたことも含めて、真剣に伝えた。二人とも、今まで誰にも言えなかった心の闇を少しだけ解放し、それを共感できた。

 

ソウルメイト

それ以降、僕とナミはそれぞれ付き合っている人がいたものの、たまに連絡を取り、相談したり、悩みを打ち明けあった。周りの人からすれば、鼻で笑ってしまうような、ほんのちっぽけな悩み。でも僕とナミにとって、その悩みは日に日に大きくなって、時として自分の進む方向もわからなくなってしまう。そんな時、僕とナミは、一緒に悩みを分かち合い、一緒に立ち止まって休憩し、一緒に進む方向を確認する。二人にはそんな時間が必要だった。僕は一人ぼっちじゃないと思えた。

お互いに、精神的にすごく必要としていることがわかっていた。二人で会う機会も徐々に増えていった。でも、お互いの恋愛相談もしていたくらいで、恋愛感情は全くなかった。本当に、なんでも相談でき、心が通じ合う相手。ただ、性別が違うだけ。僕はそう思っていた。

「君は、私にとってソウルメイトだよ。」

いつだったっけ。ナミは、笑いながら、そう言ってくれた。

 

30歳

気づいたらお互い30歳になろうとしていた。いつものように、二人でお酒を飲んでいた。

僕:「最近みんなどんどん結婚しちゃってさー」

ナミ:「私の周りもだよー」

僕:「35歳とか40歳になってもこうやって二人で飲んでたりしてね。」

ナミ:「アハハ!ほんとだよねー」

僕:「そうなったら、結婚しよっか」

ナミ:「えー。そういうのはもっと雰囲気作って言ってほしいよねー」

どちらかというと自虐的な意味を込めての会話。ナミも笑っていた。でも最後に一瞬、複雑な表情をしたのを僕は見た。

それぞれの道

それから1年くらいして、僕は職場で出会った子と付き合うことになった。結婚も意識するようになり、ナミと連絡する回数も減っていった。

ある日ふと、ナミのことを考えた。結婚すると、もう以前のように二人で出かけたり、飲みにいくこともなくなるだろう。この結婚に後悔はしていない。でも、僕にとって、ナミという存在はあまりに大きく、まさに精神的な支えだった。それが異性であるというだけで、これまでの関係が終わってしまうのは、すごく寂しいことのように感じた。

僕はそれまでの感謝と、ナミがいかに自分にとって大切な存在であったかを、メールすることにした。一言一言選んで出来上がった文章は長く、とても親密なものになった。

 

でも結局、そのメールに対しての返事は、もらうことがなかった。

 

メールを送った3日後、ナミは交通事故で亡くなってしまった。

 

 

「本当に大切なものは失ってからその大切さを知る」なんて言ったのは誰だ。

冗談じゃない。こんな風にこの言葉の意味を知りたくなんてなかった。

 

僕は知った。

支えあっているような気がしていたけど、いつからか、僕はずっとナミに守られていたんだ。

ナミは9月生まれで、僕は10月生まれだ。僕はそれまで、ナミのいない世界で生きたことがなかったんだ。

ナミのいない世界にいると思うと、僕は、また一人ぼっちになった気がした。

この世界に、僕の居場所はどこにもないような気がした。

悲しくて、寂しくて、僕はひたすら泣いた。

hime著

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