出会いは高校生の時
とある田舎の高校に通っていたU助、2人兄弟の長男で、家は両親が自営でキノコの栽培をしていました。
両親があまり家にいなかったせいか、生活環境はあまり良くなく、
兄弟や仲間と一緒に、学校の窓ガラスを割ったり、
近所の畑の作物を盗んだり、悪い事ばかりしていました。
昔、”♪小さな頃から悪ガキで~15で不良と呼ばれたよ~♪”という歌がありましたが、正にそれを地でいく様な生活。
それでもU助は、性格が明るく社交性もあったので、友人も多く、一人でいることは殆どありませんでした。
楽しくも荒れた中学時代を過ごし、高校に入ると更にパワーアップしていきます。
当時テレビでは「スクールウォーズ」や「積木くづし」が流行り、
「横浜銀蝿」から派生したアーティストで歌番組も盛り上がっていた時代、
真面目な学生でさえガラスボタンや裏ボタンなどで飾り立て、男子も女子も仲間と共に青春時代を謳歌しておりました。
高校3年になったU助は、学校内でもリーダー的な存在となり、
いつしか「番長」と呼ばれるようになりました。
「番長」ともなると、当時は学校内で一番の美人と付き合う事ができるという暗黙の決まりのようなものがあり、
U助も学校内で密かに恋心を抱いていた、1学年下の超美人なK子と付き合うことにしました。
彼女は北〇景子似の美人で、U助に「俺の彼女になれ」と言われて、半ば強制的に付き合うことになったのですが、K子にしてみれば、実はとても嬉しい事だったのです。
すれ違う2人

高校を卒業すると、K子は成績も素行も悪くなかったので、
地元の会社にすんなり就職しましたが、
U助はいわゆる問題児でしたので、なかなか就職先が決まりませんでした。
結局、U助は遠くの街で会社を経営していた叔父さんのところで働く事になり、二人は別々の道を歩むことになります。
それでも、お互いの「好き」という気持ちは変わらず、遠距離恋愛を続けることにしたのでした。
U助とK子は、飛行機で1時間半はかかる場所におりましたので、気軽に会いに行く事は出来ませんでしたが、
マメに連絡を取りながらも、お盆や正月は地元で会うようにしていました。
あまり会えない分、会った時の嬉しさは、2人とも言葉で表すことが出来ないほどの気持ちの高まりを感じていたのでした。
やがて月日は流れ、数年が過ぎていきます。
ついに結ばれた2人

U助の仕事は順調で、叔父さんの会社では営業として働いておりましたが、持ち前の明るさと社交性で営業成績もよく、叔父さんには大変気に入られ、若くして営業部長に昇進していました。
そして、U助はK子と結婚して、こちらで一緒に暮らすことを決意します。
そのことをK子に伝えると、K子はとても喜んで勤めていた会社を辞め、身辺整理をすませると、U助の場所に住民票を移し、小さなアパートで一緒に暮らし始めるのでした。
2人はその年のうちに結婚式を挙げ、パートナーとなったのですが、
その時既に出会ってから8年もの歳月が経っていたのでした。
狂い出す生活

幸せな結婚生活を続けて行けると思っていたのも束の間、いろいろな問題が起きてきます。
U助は、面倒見も良かったので、兄弟や学生時代の友人からとても頼りにされていました。
それは人としてとても良い事なのですが、ある時U助の友人から連絡があり、
「今度そっちの街にいくので仕事が決まるまで、居候させてもらえないか」
という内容。
K子も顔見知りの友人ではありましたが、新婚間もなくであまりいい気はしません。
当然U助が断ると思っていましたが、何とOKしてしまいます。
K子の心中は穏やかではありませんが、1ヶ月という事だったので渋々受け入れます。
その頃から2人の間はギクシャクし出すのですが、U助はあまり気にしていない様子。
その友人が居候している間も、何とも気まずい空気が漂いますが、事無く1ヶ月が過ぎ、友人は家から出ることになりました。
K子は「ほっ」とした気持ちで、やっとこれで平和な日がくると思っていました。
ところが、今度はU助の弟が、地元で悪い事ばかりして居場所が無くなったので、しばらく面倒を見てほしいといってきたのです。
K子は当然反対です。
しかし、U助は自分の弟でもあるからと、やはり面倒を見ることにしたのです。
怒ったK子は、この先どうしようか考えます。
U助とは別れたくないけど、このままでは気が狂いそうです。
弟が居候してから数日後、決定的な事件が起こります。
あろうことか、2人が留守にしている間に、弟は家の家電製品や腕時計などを勝手に持ち出し、質に入れて姿をくらましたのでした。
U助は呆然としていましたが、「あいつ、やりやがったな」と、
大して怒ることもなく、質屋を探し出して取り返してきましたが、K子はついにブチ切れます。
めったに見せない鬼のような形相でU助に別れを告げると、そのまま家を出て、実家に帰ったのでした。
その後と結末

結局2人は復縁することなく、それぞれの道を歩むことになります。
U助は叔父さんの会社を退職し、
実家のキノコ栽培業を継いで更に事業を拡大し、
会社を起こしてキノコ料理を振舞うお店を数店舗展開して成功を納めます。
いつしか実家に戻ってきた弟も、U助の事業を手伝い、キノコの栽培に勤しみました。
K子は、別の男性と再婚し、今度こそ幸せな家庭を築いていく事でしょう。
U助とK子は、学生時代から8年付き合って結婚しましたが、たった8ヶ月で別れることになってしまいました。
それでも8年間の情熱は2人中でやさしく生き続けました。
m94著









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